ファンシーチョコレート

お歳暮でモロゾフのファンシーチョコレートというのを貰ったので開封すると、色とりどりの一口チョコが並んでおる(合計18個)。どれも可愛らしい顔をしておる。歓喜した自分は早速ちょこっと食べた。濃厚な甘さが口の中いっぱいに広がり溶けていく。急いでホットミルクティーを沸かして、啜り、頬張り、啜り、また頬張り、一服した。非常にファンシーな晩飯であった。いつの間にか半分無くなっていたので、蓋をして、残りは明日平らげることにしよう。

お腹も満たされて、甘き余韻を噛み締める。若干胃は気持ち悪くなったが、大したことは無い、そんなことより鬱屈がいつの間にか去っていた。やっぱりもう一個食べよ、と自分は悪びれること無く当たり前のような素早さで再び蓋を開けて、つまんだ。これだから大人は最高である。子供時代ならば折檻されてもおかしくないような犯罪的行為も、大人になれば平気でやり通すことが出来る。ぱく、と食べて思わず、んま、と声が出た。そのときの自分は、仏のような顔をしていただろう。そうして思い出したのは、前にとある人がくれた「大仏プリン」という名のプリンのことである。奈良で売っているプリンなのだが、あれは、べらぼうに美味かった。プリンとしては邪道なのかもしれぬ、全体的にとろとろ、ぶるぶる、そして甘さの威力は抜群で、まさしく大仏のような貫禄のあるプリンであった。チョコレートを食べてプリンのことを思い出すなんて、ぶたにも程があるのだが、思い出したのだから仕方無い。甘味幸福。

何もいりません。舞台に来てください。