灯す火

先日は京橋のラヴホテルで自作の官能私小説を朗読した。それはまるで、人前で仮性包茎の皮をこっそりとめくるような気分であった。今日は放送禁止ネタをするライヴで、少し不謹慎な漫才をした。こちらは普段の漫才と大して変わらぬため、伸び伸びと演った。どちらのライヴも非常に楽しく、阿呆なものだった。死んだ祖母が見れば、もうそんなんやめとき、と言うだろう。自分もそう思うのだが、こうなってしまった以上は仕方無い。灯す火に、未練は無い。

出演者もお客もどうしようもない奴ばかりで、阿呆な笑顔が、美しい。凍える真冬に震えるお前は屑のよう。けれども、安心したまえ。お前もおれも、大して変わらないのだから。やがて老いて腐って消えるまで、しばらくの辛抱と思えば良い。マッチ箱を持つ手が震えているぞ。君の好きなものは何ですか。自分はずっと舞台が好きで、これからも好きであると思う。

何もいりません。舞台に来てください。