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ケダモノの嵐

日本のオバケバンドであるユニコーンによる、言わずと知れた名盤「ケダモノの嵐」。

このアルバムも何度聴いた事か。

むちゃくちゃハマってユニコーンを聴きまくったのは、中学から高校にかけての時期なのですが、その原因となったのは、小学校の多分高学年ぐらい(1990年~92年)の頃に聴いた「ケダモノの嵐」。


当時の僕には音楽を聴いて「この音楽かっこいい!」とかを思う感覚は皆無でして、ハッキリと言えるぐらい「音楽を聴いても何も思わない」少年でした(音楽的な初期衝動はやっぱり福山雅治さん)。

ではなぜその頃に「ケダモノの嵐」に何度も触れたのかと言うと、完全に兄のせい(おかげ)でした。

あの頃は、三歳年上の兄と同じ部屋で二段ベッドで寝ていまして(ちなみに僕は男だけの四人兄弟の末っ子)、兄が下で僕が上。

そこで毎晩、兄(三男)が枕元で流していたのが「ケダモノの嵐」だったのです。

今思えばそれは、ある一定の期間だけだったと思うのですが(B'zとかも流れていた気がする、あのこは太陽のこまち!エンジェル!とか)、確かカセットテープに録音された「ケダモノの嵐」を兄が寝る前に流していたんです。

兄がなぜユニコーンのアルバムを聴いていたのか。長男や次男の影響なのか、友達の影響なのか、今となっては不明ですが(本人に聞けば分かるやろ。でもそんなことだけでわざわざ連絡するのもなあ)、眠気まなこの微睡みの中で聴いた

「今度の土曜に♪」

という歌い出しをとにかくすんごく覚えているのです(「エレジー」という曲)。


そこで初めてユニコーンに触れて、そんなことも忘れて(忘れるんかい)、中学生になって、一人部屋になって、CDプレイヤーを手に入れて、福山雅治さんを聴いていた頃。

なぜそうなったのか全く覚えてないのですが、ある時またしても三男の兄にユニコーンのベストアルバム「ザ・ベリー・ベスト・オブ・ユニコーン」借りたことがあって、そこに収録されている「自転車泥棒」を聴いた時「あれ?この曲って昔よく聴いたよな、懐かしい~」となり、そのまま流していたら、そのベスト盤に収録されている「人生は上々だ」という曲が流れて、

「は?なにこれ?音楽ってこんなに無茶苦茶してもいいの?は?マジ?」

という強い衝撃を受け、ユニコーンに窒息するほど浸かっていく事になるのです。


ちなみにですが、「ケダモノの嵐」に収録されている「働く男」や「スターな男」は、1990年頃に兄たちが見ていて僕も流されるように見ていたテレビ番組「夢で逢えたら」で流れていて、これらは別の記憶として僕の中にあったので、「あ、あの頃の二段ベッドの上で聴いた曲だ!」とはならなかった。


その後、自分でもアルバム「ケダモノの嵐」を手に入れて、それは僕の10代を染めていく事になるのです。

「命果てるまで」のコード進行を覚えてアコギで弾き語りしてみたり(イントロのド頭、ウクレレみたいな音やけどアコギで再現できないかとか)、「ケダモノの嵐」や「スターな男」のスコアを見てベースをコピーしてみたり(「ケダモノの嵐」のあのタメの効いた重みのある感じがムズいとか、「スターな男」はこんなに速いのに音を止めたり伸ばしたりするのムズいとか)、そんな事態になるのです。


ここまで書いて思うのは、何で僕はお笑い芸人になったんだろう、です。ビールでも飲むか。

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