浴衣の糊付け
浴衣はそもそも字のごとく湯上りに纏ったり、寝間着として普段お家の中で使用されていた長着ですが、今は盛夏のお洒落着としてお祭りなどに着られる場合が多くなってきました。
夏の着物は暑いですから、汗を吸う木綿の着物は重宝します。
お家の中で普段着として纏われる場合は、洗濯して干したままでも良いのですが、お洒落着として外に出ていく場合には、やはりぱりっと糊が効いていないと格好がつきません。
母も夏の演奏会で浴衣で箏を弾くこともあり、毎年使って洗ったら
糊付けとアイロンを頼まれます。
先日、「あんたに糊付け頼んでたの一枚あったなぁ」と言われ
・・・!あった、あった。そう言えば・・・・。
すっかり忘れていた去年の預かりもの。(^-^;
そろそろ重い腰を上げねば・・・。
いつもキーピングや洗濯糊で糊付けしていたのですが、今年は木綿の着尺を織る時に使った生麩糊(しょうふのり)があるので、それで糊付けしてみようと思い立ちました。
木綿の糸に付ける糊は生麩糊。
絹の糸に付ける糊はふのりを使います。(混合で使う場合もあり)
生麩とふのりの違いは、生麩は小麦でんぷんで、ふのりは海藻から出来ています。
生麩糊は普通に洗っても落ちず、でんぷんを分解する酵素でないと落ちません。
経糸に使う場合は1リットルの水に5~50グラムを使うのですが、あまり糊が効きすぎても困るので、今回は試験的に3リットルの水に5グラムの生麩糊を溶いてみました。
使い方としては80℃~90℃の湯温で10分、焦がさないように混ぜて糊を溶かします。
10分経ったら火を止めて、冷ましてから浴衣を入れて糊をしみ込ませます。
脱水をかけて、アイロン。
濡れたままアイロンをかけます。
これが結構な時間かかりました。
1時間ぐらいかな?
糊の具合は良い感じ。
程よいぱりっと感。
これで今年の夏は、洗った後にアイロンをかけたら、わざわざ糊付け作業をしなくてもぱりっとするはず。
母にその旨を伝えたら、「アイロンが面倒なんや」と言われてしまいました・・・。(^-^;
今年もまたアイロン作業が待っていそうです・・・。
余談ですが、昔のバイト先のおばちゃんのユニフォームがものすごくぱりっと糊がついていて、秘訣を聞いたらなんとヤマト糊のチューブを使うのだとか。
ヤマト糊を洗濯ネットに入れて、それを溶くのだそうです。
そうするとムラなく溶けるとか。
その液で作業着を糊付けすると、気持ちいいほどぱりっと糊付けされるらしいです。
ヤマト糊の主成分はタピオカでんぷんだとか。
ふむふむ。でんぷんの世界も奥が深いのですね。
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