SMDV Speedbox ソフトボックスは買いか。

以下、実際に使用した感想ではなく、購入するかどうかの個人的な話です。

【2023.7.13追記】
最初に記事を書いた後、PAF2023や撮影現場で似たようなソフボを使っている方がいたので見せていただいたところ、なんとプロフォトでありSMDVよりも前に発売していた商品でした。
似たようなというか、ほぼパク、いやリスペクト商品と言っていいレベルです。

私がSMDVに注目していたのは世界初の画期的な製品と思ったからなのですが、まさかプロフォトのリスペクト商品だったとは…

そもそもストロボやアクセサリーはリスペクト商品が多数あり、例えばプロフォトのストロボなんて自分としては値段的に今後も手が出ないことからリスペクト商品の存在はありがたく思っているので、SMDVがリスペクト商品だったからどう、ということは全然ないのですが、前述のような理由により今回SMDVに注目していたので、正直レビューするテンションは下がってしまいました…
なのでざっと結論を書きます。

先日、PAF2023というイベントにて再度実物を触り、かつ某イエーイのカメラマンにもお話を伺いましたが、私なりの結論は、

■Godoxマウントのソフボで運用できている人は、セッティングに関して同等に速いのであえて切り替えるほどではない。

■ライトスタンドを倒すことが多い人はソフボを壊す可能性が高く、高額ソフボは持たない方がいい気がする。

■高速性を求める現場は、それなりにバタバタしている現場であることが多く、壊す率が高い。

■使い勝手がいいソフボはヘビロテする可能性が高く、その分壊す率が高まり、ヘタる・幕が変色するのが速まる。

■傘のスポークが金属製の場合、多少変形しても自力で戻せるが、プラスチック製の場合はそのような応用が効くか微妙。曲がることなく折れる可能性がある。

■高速性を求めるといってもそのかかるコストと比較して、ルーセント、傘トレ、60×60のソフボ、その他のソフボ、そんなに時間かかりますでしょうか?という考えもできる。

■幕が本体から外せないタイプは活用が限定される。
幕が外せることによるメリットは、
・汚れたり変色したら新品に変更できる。
・幕を外してソフボをディッシュやリフレクターとして機能させることができる。
などがあるため、結構その差は大きい。

■"コンパクト"とは50cm程度以下で機内持ち込み可能なキャリーに入ること、が自身の定義であるが、SMDVは折りたたむと平にはなるが長さがあるのでコンパクト、とまでは言えないと考えている。

■SMDVのプラ製ブラケットは強風だとソフボが回ってしまう、とPAF2023で聞いた。これは重要で、今回のSMDVのブラケットの構造的に回りにくいと思っていたのだが…

なので、現時点で自分はGodoxのAD300、MB60などGodoxマウントとGodoxマウントである60Sや85Sの組み合わせの方が高速性は十分にありかつコスト的にこちらの方がかなりお得、と考えます。
もちろんSMDVはAD300などにも対応しておりますが、Godoxマウント同士だとアダプタも不要だし。
SMDVは2~3万ならGodoxのソフボ3~4個分であり、同じ金額を出すのなら年一で新品交換する、という運用の方がいい気がします(ソフボを長年使い込んで「味があるソフボに仕上がる」とかそういう概念はないと思うので…)。

しかし、以下の場合はSMDVのシステムは優れていると考えます。
■一回の撮影で多種のストロボを使用することが多い
■多種のストロボを使用することが多い
ボーエンズマウントは正直アダプタ自体が重くかさばるので意外と億劫に感じてましたが、このソフボは色々なストロボに対応できるので使い勝手はいいです。

■ボーエンズマウントアダプタを使わなくて済むこと
AD200、AD100やクリップオンストロボを60cm級以上のソフボと接続する場合、ボーエンズマウントアダプタを介さなければできないことが多かった感がありますが、SMDVはAD100やクリップオンにも対応しているので、それらのストロボでも大型のソフボが活用できることになります。

■大型のソフボを多用する
SMDVでは小さ目のソフボの方が注目され動画でも実例として登場する率が多い気がしますが、私としては大型のソフボを高速にセットでき、撤収できるのが魅力ではないかと考えます。つまりSMDVの80~110cmタイプを買う方が意味があったりするのでは?ということです(かなり高いですが…)。
大型のソフボほど、セットも撤収も時間がかかるので。

■高速セッティングが求められる撮影現場が多い
コロナが収束気味となっている現在、ポトレ撮影がよく行われる場所の人出は相当なものとなっており、セッティングから撤収までより高速性が求められます。「人出が多いからストロボはやめよう」は一つの考え方ですが、はたしてそれでいいのでしょうか?
せっかくの撮影、基本的にはできる限りやれることはやったほうが後悔がありません。なので、私の中ではGodoxマウント以外の構成で一番高速にセッティングしかつ撤収できるソフボは、このシステムのものだと思います。

■カラーフィルターを多用する
Godoxマウントのセットを推してますが、AD300などとソフボの組み合わせではカラーフィルターを装着するのが非常にやりにくいです。
SMDVは専用のフィルターがあり、またGodoxのAK-R1なども代用できるので(PAF2023で確認済み)、運用が楽になります。

■軽量性
手持ちオフストロボのスタイルを多用する場合、SMDVは軽量なのでやり易い気がします。

以上です。


【概説】
去年その存在を知り、「通勤時間は人生の無駄」と同様、「セッティング時間は人生の無駄」と思っている自分としては注目アイテムだった「SMDV」シリーズ。
韓国のメーカーのようで最近まで海外のサイト、またはAmazonの個人?輸入みたいな形でしか購入できない状態でしたが、最近H&Yが代理店として販売を始めたため購入しやすくなりました(別途高額な送料、関税が発生することもなくなったので、より安くかつ現在15%前後のキャンペーン中のようです)。
現在入荷待ちの状態の機種もあり、注目の高さが伺えます

先日、実物を触る機会があったのでその感想を書こうと思ったのですが、近々もう一回触れる機会がありそうなので、とりあえず先行で自分のメモとして書いておきます。
現時点では「高い!」ということで消極的ですが、果たしてそれを覆すような状況になるだろうか?!

※価格は大体で、かつ現在セール中の割引を適用している。
※走り書きなので内容間違い、誤字脱字等があるかも。

<SMDVシリーズ概要>
■Flip Gシリーズ
[サイズと価格]
50cm 18000~20000円
60cm 20000~22000円
70cm 21000~23000円
80cm 23000~24500円

■Flip Beautyシリーズ
[サイズと価格]
50cm 24000~26000円
60cm 28000~35000円

<対抗馬>
GodoxAD300とS60Sの構成。でかいサイズならS85Sとか。
現在最速と思っているセット。10秒程度でセッティングできます(グリッドなしの場合)。

<良さそうな点>
■折りたたみソフボの展開が数秒
本製品のメイン機能。ワンタッチで開く方式で今までなかったものです。
これは先日実際に確認しましたが、素敵な方式。
「1秒」と公言していますが、実際はちょっと硬いので3秒ぐらいかかります。またワンタッチでたためました。

■グリッドの装着方式が一味違う
グリッドを取り付けるためのバリバリがソフボの縁に着いているため、簡単に着脱できそう。
グリッド自体が外にはみ出ているため、従前の方式よりもより指向性が増すように思われる。
※商品WEBページには「ベルクロ構造!」と記載されているが、商標名なのにそれでいいのか(実際にベルクロ使用かもしれないが)、などもありここではバリバリと表記。

■片手でソフボの角度調整
角度調整グリップがよくあるナットで締めるタイプでないため、痒いところに手が届く機能、と思いました。

■ライトスタンドと接続する方式がナットではない
よくあるナットで締めるタイプは何らかの拍子に失くす可能性があり、また「点」で締めるため風が強い環境では弱い。
海岸で撮影しているとソフボがあらぬ方向に回転してしまうとかよくあります。今回の方式だとすごいガッチリしているのでは?と期待します。

■汎用性
各種のアダプタが用意されているので、クリップオンからAD300などのセミ大型(?)ストロボにも対応。
今までユニバーサルな規格としてボーエンズマウントがありましたが、GODOXマウントを経験してからはボーエンズマウントはちょっと大きくてだるいんですよね。
今回のアダプタはそんなに大きくなさそう。

■マグネットでストロボがワンタッチでソフボに装着できる
全部ではないらしい。正直、一回の撮影工程で何回も着脱することはないので、なくてもいい機能ですが、すぐセットしてすぐ解体して、というのがより速まりそうです。

■AD300でもカラーフィルターが活用できそう
まだちゃんと確認していないのですが、AD300とソフボを組み合わせると、カラーフィルターを使った撮影がやりにくいです。
GODOXマウントを利用するとフィルターを装着するアクセサリーがないのでボーエンズマウントにせざるを得ないですが、そうするとせっかくのGODOXマウントが...てことに。
しかし、本製品にはマグネットで装着できる専用のカラーフィルターがあるので、できそうです(但し別売で高い)。
※もしかしたらGodoxのAK-R1などで代用できるかもしれない。

<イマイチそうな点>
■本体が高い
ソフボは消耗品だと思っています。
特に高速性を求める場合、その撮影環境は結構厳し目で安定しない方が多いです。
風で倒したりなんてのも何度かやってしまうでしょう。
これらを考えて一つ2~3万、二灯セッティングも想定すると4~6万。グリッドや専用アダプタも追加していくと、1灯でも5万とか。

どうですかね~。

ちなみに興味がある機材はできるだけ購入して試しているのですが、この機材はお試しで買える値段ではないなと。

■グリッドが別売。アダプタも別売。
各アダプタは5000円、グリッドが7000~11000もする。
各社のアダプタが利用できて汎用性があるが、そのアダプタは1つのみしか付属せず(付属なしも選択可)、各社に対応させるにはそれぞれのアダプタを追加で購入する必要がある。

例えばGodoxのAD300とAD100を持っており、両方を使いたい場合は、
・FlipGシリーズ(50cm)+G1アダプター(AD300対応)のセットで20000円
・Cアダプター(AD100対応)は6000円
・グリッドは50cm対応で7000円

合計33000円!!!!
AD100が買えてしまいますね...
グリッドは高すぎる気がする。

■グリッドが専用品なので他のソフボに流用できない
■他のソフボのグリッドをFlipシリーズに流用できない
つまり今持っている似たような大きさのオクタ用グリッドを使おうと思っても適用できない、ということである。
このソフボを使うにあたりグリッドも必要、なら専用のグリッドを買わざるを得ないのである。

■本体が長い
機内持ち込みのキャリーや一般的なバックバックに入らない可能性が高い。
これはソフボとストロボ接合部が一体となった結果だと思われるし、これ以上コンパクトにはできないと思われるが、

「なるべく荷物は一つにまとめたい」

私は観光地や街中ですぐ撮影してすぐ撤収する手段として、極力一つの入れ物に収納しておくことを心がけております。
撤収時はとりあえずキャリーに全部ぶっこんで、後で落ち着ける場所で整理します。速いからです。

GodoxのS60Sは60cmですが、たたむと機内持ち込みのキャリーや普通のバックパックに入ります。
しかしSMDVの60cmはたたむと53cmぐらいです。幅もあるのでギリですが入らないでしょう。

また、機材を一つにまとめることのメリットとして、逆に機材を別々に持つことのデメリットを上げます。
それは「失くす可能性がある」ということ。

・撮影会などの荷物置き場で置き忘れる。
・電車の網棚に置き忘れる。
・車の中に置き忘れた状態で現場に行ってしまう。
・移動中にいつの間にか落としてしまう。

撮影というイベント中、意外と意識が散漫になってうっかり忘れてしまう、ということもあります。
その意味でも、キャリー&三脚バッグ&カメラバッグ&お弁当、なんて構成よりも、キャリー&カメラバッグ、というシンプルな構成にしたい。
だからソフボだけ別の荷物として持ち歩く、というのは極力したくないのです。

■剛性、耐久性
ブラケット部分はプラ製(正確な材質は不明)であり、またソフボを広げるのに結構力がいるため、ガンガンに活用するとどのぐらい持つかな?とは正直思っています。
問題なく相当長持ちすれば、この値段でもコスパに優れていると思いますが、はてさて。

<その他>
GシリーズとBeautyシリーズの2パターンを展開していますが、Gシリーズに内幕としてBeautyシリーズのDishを装着したらBeautyシリーズになるんじゃ?と思いました。もしくはその逆。
何か違うんですかね?胴の深さぐらい?
何が違うのか、その違いは重要なのかを聞いてみたい。


左はGodoxS60S
左はGodoxS60S







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