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高血糖の原因は何か?

高血糖とは

高血糖とはその名のとおり、血糖値が高い状態です。

血液中の糖(ブドウ糖)の量を調整するインスリンというホルモン不足やインスリンの働きが悪くなることで、血液中の糖が増加した状態が続きます。

参考記事:食後に注意!血糖値スパイクとは?原因と予防を初心者でもわかるよう解説

高血糖とはどのような状態か

血糖値の適正数値と糖尿病の判定基準を紹介

高血糖の判定は、空腹時の血糖値と『75gOGTT検査の負荷後、2時間血糖値※』を用いて行い、
『正常型』『境界型』『糖尿病型』の3つに分けられます。

空腹時の血糖値は、食事から10時間以上あけて測定した血糖値か、前日の21時以降を絶食として翌朝の食事前に測定した血糖値です。

※75gOGTT検査は、10時間以上絶食した後、75gのブドウ糖を摂取して血糖値の変化を確認する検査です。負荷後2時間血糖値は、ブドウ糖を摂取して2時間後の血糖値ということになります。(ただし75gOGTT検査は糖尿病の検査に必須ではないので、75gOGTT検査負荷後2時間血糖値を食後血糖値としてみなすこともあります)

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高血糖とは_診断基準

血糖値の適正数値は正常型(正常範囲)に示すとおり、空腹時血糖値で110mg/dl未満、食後は140mg/dl未満です。

正常高値は正常型には含まれますが、40歳から74歳までの方が対象の特定健診で、生活習慣の見直しをサポートをする特定保健指導の対象になります。決して安心はできません。

境界型は、正常型にも糖尿病型にも属さない状態です。

しかし耐糖能異常は、糖尿病まではいきませんが血糖値が正常より高い状態です。ですので空腹時血糖異常の人も、将来的に糖尿病に注意する必要があります。

参考記事:糖尿病とはどんな病気?〜症状・原因・治療などをわかりやすく解説〜

なぜ起こる?高血糖の原因

高血糖の原因は肥満

食べすぎ、運動不足、ストレスといった体に負担となる生活習慣を続けることによって肥満になり、内臓に脂肪が蓄積するとインスリンの働きは不足します。そして高血糖状態が続くようになるのです。

インスリンの働きが不足する理由としては、インスリンを分泌する働きに障害が起きてしまう場合と、インスリンは分泌されていても効果が少なくなってしまう場合があります。どちらも肥満が大きな原因です。

もしかして高血糖?症状をチェックしよう

高血糖は、はじめのうちは症状が出ないことも多くあります。現れたら高血糖かも…と気にかけて欲しい症状を、いくつか挙げておきますね。

〇喉が乾く・たくさん水を飲んでしまう
〇尿の量が増えた
〇全身に倦怠感がある
〇急激に体重が減った
〇視力が低下した気がする
〇手足にしびれがある
〇昏睡(眠くなる・意識がなくなることがある)

高血糖が続くとどういった症状が起こるのか

血糖値の高い状態が続くことが糖尿病で、上記のような症状が起こります。

ただし異常な高血糖が起こると、高血糖の急性合併症※が引き起こされるのです。

※急性=突然起こること

高血糖の症状

急性合併症では意識障害が起こることもあるのか

高血糖の急性合併症が起こると、昏睡になります。昏睡は意識障害の一つで、例えば声をかけても反応がない状態です。

意識障害を引き起こすかもしれない高血糖の急性合併症には、『高浸透圧高血糖症候群』と『糖尿病ケトアシドーシス』があります。

高齢者は高浸透圧高血糖症候群に注意

高浸透圧高血糖症候群は、2型糖尿病の高齢者に起こりやすい合併症です。感染・下痢・ストレス・猛暑による脱水などをきっかけに起こすことが多くなります。

症状は、皮膚や口腔粘膜の乾燥、血圧の低下、頻脈、けいれんや意識障害です。

昏睡のリスクあり?糖尿病ケトアシドーシスとは

糖尿病ケトアシドーシスは、1型糖尿病の方に多く起こりやすい合併症になります。インスリン治療の中断や、感染、ストレスなどをきっかけに起こすことが多いです。

症状は、意識障害、多尿、口渇、多飲、血圧の低下、頻脈、ときに悪心・嘔吐・腹痛が起こります。

治療法を紹介

高血糖に対しては、糖尿病の治療と同じように、食事療法・運動療法が基本です。

糖尿病と診断されて血糖降下剤やインスリンを処方されている場合は、主治医の指示に従って使用してください。

高浸透圧高血糖症候群や糖尿病ケトアシドーシスの場合は、血糖コントロールのためインスリンや電解質(ナトリウムやカリウムなど)を点滴で投与する治療が必要になります。

緊急時はまず医療機関に連絡

意識障害が起こったら、自分で何とかすることはできません。すぐに医療機関に連絡して、自分がどうしたら良いのか指示を仰いでください。

意識障害に限らず、緊急の場合はすぐに医療機関に連絡しましょう。日頃から、もしもの時の連絡先を確認しておくことが大切です。

高血糖は早期対策で予防

高血糖では食事と運動が大切

高血糖は、早めに対策することで予防したり進行を遅らせたりすることができます。

大切なのは、生活習慣を見直すこと。特に食事療法・運動療法は必要です。

食事は、適切な量・適切なバランスで規則正しく食べることが大切になります。運動は、ウォーキング・ジョギング・水泳といった全身を使う有酸素運動と、筋肉をつけるような無酸素運動を組み合わせることがおすすめです。

まとめ

それでは本日のまとめです。

◎高血糖とは、血糖値が高い状態
◎高血糖の判定は、『正常型』『境界型』『糖尿病型』に分けられる
◎体の負担になる生活習慣を続けることでインスリンの働きが不足して高血糖になる
◎高血糖が続くと意識障害が起こることもある
◎早期対策をすることで高血糖を予防することが大切

以上です。

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