春と涙

 時場所タイミング問わず、感情が体液となって溢れ出し、目からこぼれ落ちる瞬間ってきっと誰にでもありますよね。

 日常を送っている最中、唐突に自分の核がふわりと浮いて現実世界を遮断し、空想の世界に没入してしまう事があるのですが、そんな時涙は自分を地上に縛り付ける為のアイテムともなります。

 涙が出たという事を意識すると、溢れ出す熱く冷たい感情の、その根幹に何があるのか注意深く観察することになるからでしょうか。

あとは、夕方の空にぽわっと浮かぶ月だとか唐突な春に戸惑うように舞い落ちる桜の花びらだとか、そんな目が覚めるような光景を目にした時は、ふわふわ浮いていた心が世界に引き戻されるのです。

心がふわふわしているのは日常のことなのですが、すっかり春となってまたふわふわに拍車がかかってしまった今日この頃です。

 一つ言える事は、涙が出ることも綺麗なものを見ることも春という季節そのものも気分を良くさせてくれるものだということです。

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