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■腹のたつ日もあるさ、人間だもの お腹がすいたねとメシ屋に入って注文して、待つことしばし。 店員さんが持ってくる。そして。 「お待たせしました。マルゲリータピザになります」 お腹がすくとね、イライラしやすくなるわけですよ。 早く食べたいから、「ああ、はい」と聞き流しはしますが、 「なりますって何だ。何が、今、ここで、ピザになるんだっ」 「さっきまで皿に載ってたのは、小麦粉かっ。それともお前が小麦粉なのかっ。さてはお前、グルテン星人かあっ」 などとね、思ってしま
「霊を見た」「UFOを見た」「オーラが見える」「オバケが出たから収録に遅刻した」なんていう話を聞くたびに、まあ最後のビートたけしのボケはともかくとして、いわゆる霊感のない私は、「そりゃまた随分と特殊な能力をお持ちなんですねぇ」と、少々意地の悪い気持ちを抱くことが多い。 オカルトに限らずあらゆる分野において、私は、非日常的な物事に対する好奇心が若干強い質なので、本当は羨ましいと思う気持ちも数滴ほど混ざっているのかもしれない。 いい歳をして我ながら少々情けない。 そういう
子供の頃の話である。 私は居間で、母とふたりでテレビを見ていた。 番組のタイトルはもう思い出せない。 専業主婦向けの、午後の情報番組だったと思う。 その番組の終盤で、スタジオ内で作られた料理を出演者が味わっていた、という部分だけが、かろうじて記憶に残っている。連日行われていた企画なのか、その日限りだったのかはわからない。 一見、何の変哲もない料理企画。しかし、それは、通常の料理コーナーとは少々趣が違うものだった。 料理の作り手が、手品師だったのだ。 メニ