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ちいさいシマリス

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昭和の子供はこんなんでした。
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#ふるさとを語ろう

世界の始まり、海のある小さな町

宮崎県の青島 ここに住んだのは人生の最初の何年かだけだけど、自宅の周りの風景も学校までの道のりも、ピアノ教室やお寺の幼稚園までの風景もよく覚えている。 不思議なものでこの町を引っ越して、その後高校卒業まで暮らした海から遠い町のことはところどころしか思い出せない。 小さい頃に見たものや食べたもの、経験や感情などは”人生で初”のものだからだろうか、私の記憶の中の青島はとても鮮明だ。その後に似たような経験をしてもそれが何度目かであり繰り返したものであるので強い印象がないのだろ

牛とひまわり

幼稚園に上がった頃、じいちゃんとばあちゃんの家があった敷地内に両親が小さな家を建てた。あまり詳しいことはわからないけれども、多分両親が建てたのではないと思う。まだ20代前半で小さな子(私)がおり、じいちゃんが経営する店で二人とも働いていて一体いくら給料が出ていたのか、それとも出ていなかったのか、わからないが、とにかく一戸建てを建てるような余裕は宮崎の小さな町でもなかっただろう。 裏には草ボーボーの”裏庭”があり、そこを抜けてひと一人通れるくらいの小さな抜け道を通るとちょっと