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【初学者向け】予備試験論文過去問検討に関する一提案

割引あり

 こんにちは!しまだです。

 論文・短答の学習方法に関する記事を投稿したところ、想定以上の閲覧・購入をいただきました✨

 ご購入いただきました皆様には深く御礼申し上げます。

 上記論文学習記事においても予告していた「予備試験論文式試験の過去問はどのように検討するか」という点にスポットを当てて今回は解説していきます。

 本記事は、初学者の方に向けて以下の点を解説していきます。
1.使用教材としてオススメなのは?
2.すべて起案すべきなのか、それとも答案構成だけでいいのか
3.具体的にはどのように検討すべきか
4.(補論)司法試験本試験の過去問は検討すべきなのか

 これから本格的に過去問検討を開始される皆様にとって少しでも参考になればと思います。

1.おすすめの使用教材

 予備校で過去問講座を配布されている方はそちらを使用することで問題ないと思います。
  
 そのような教材を持っていない方、または予備校配布の答案例に疑義を抱いた方につきましては、まずは以下の伊藤塾予備赤本をおススメします。

 市販されている予備校答案例というのは、旧来疑問点が多く浮かぶものが多かったのですが、この本の答案例は本当に疑問点の少ない、かなり完成度の高い答案例を提供してくれています。


 ちなみに伊藤塾赤本は上記①「予備試験論文」過去問を中心に検討しているもののほか、こちらの②「新・伊藤塾試験対策問題集」と

こちらの③「試験対策問題集」があります。

 それぞれの違いを簡単に述べておきますと、
① 「基礎編」に簡単めのオリジナル問題、「応用編」に予備過去問を掲載
② ①よりも簡単めの事例問題を収録した「最初の一冊」感のある問題集
③ 本試験と同等かそれ以下の分量のオリジナル系問題を収録

 具体的検討においては①のみを中心に取り扱いますが、②についても①と同様の塾内スタッフの方が作成されているのか、中々クオリティが高いです(個人的に民訴は「リークエ信者」感があって受け付けなかったです)。
 そのため、①の基礎編と②を「短文事例問題集」として使用するという方策も一応あり得るのかもしれません(※ただし、両者の問題の重複度や出版後の出題的中率などは検討しておりません。この戦略を採用する際にはそれらの点を調査してからにすることを強くオススメいたします)

 なお③はもう見なくていいです。「古典」です。


 上記予備赤本がものによっては近年出題の問題を含んでいないことがあります(特にR3以降の問題は大半で未収録)。
 そのため、未収録問題の検討は辰巳のぶんせき本を使用するとよいです。

 こちらは各問にA答案が3つ、C答案が1つを掲載し、出題の趣旨の記述から導かれる簡易な「採点表」で比較し、どの論点の指摘の有無・書きぶりが評価を分けたかを分析してくれる本です。
 A答案で気に入ったものを予備赤本の「答案例」的にコピーして持っておくと便利かと思います。

 伊藤塾予備赤本の対抗馬としては、以下の「学者・実務家による答案例付き問題集」があります。
 まずは行政法の「技法本」です。

 予備受験の途中で技法本が出版されて以降、行政法については予備赤本を見なくなってしまいました。正直めっちゃいいです。
 第3部の伊藤先生(憲法の流儀などで有名)による予備試験解説及び答案例の箇所が検討用ですが、第1部の大島先生(憲法ガールなどの著者)の記述、第2部の橋本先生(サクハシ本の「ハシ」の先生。ちなみに「さく」の櫻井先生とはご夫婦だったと記憶)も、捨て置くにはもったいなさすぎるほどの有益な記述が含まれています。

 また、弘文堂出版の「実戦演習」シリーズもあります(令和6年3月1日現在は行政法、民法、民事訴訟法及び刑法の出版を確認)

 行政法は上記「技法本」と比較して好きな方を採用すればよいです。
 民法は(必須ではないですが)読み込んだり予備赤本の答案例と比較すると結構勉強になったりします。
 刑法は予備校系の学習をされている方には縁遠い説を一部採用されているため、使用にあたってはその点にご留意ください。
 民訴は持っていないためコメントいたしかねます。個別指導をされているともしび先生が以下の書評を書かれているのでご参照ください。

 また、民事実務基礎は以下の書籍が大好きで、赤本と併用してました。いわゆる「大島本」の姉妹書で、大島先生が予備の問題を検討&起案してくれています。

 上記に基づき、私は以下のラインナップで検討していきました。
① 行政法は技法本(受験生の相場が気になったときにぶんせき本を参照)
② 民法は赤本をメインに実戦演習で比較
③ 民実は赤本と大島本併用
④ それ以外は赤本+最新年度をぶんせき本で補充

2.起案するか、 答案構成のみか。

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