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オラファー・エリアソン展(麻布台ヒルズギャラリー)

オラファー・エリアソンとは

1967年生まれ、デンマーク・コペンハーゲン出身。光、水、気温といった自然界にある要素を用いた大規模なインスタレーションが特徴。2003年、ロンドンのテート・モダンで“ウェザープロジェクト”を発表。同年にはヴェネツィア・ビエンナーレではデンマーク代表。
“ウェザープロジェクト”では、オレンジ色の照明を用いてテート・モダン内に巨大な沈まない太陽を出現させた。

これまでの展示と今回の展示

日本での大規模な展示は、2020年東京都現代美術館の「ときに川は橋となる」がある。ニューヨーク市に突如出現させた巨大な4つの人工滝のプロジェクトから、“溶ける氷河のシリーズ”と、より明確なメッセージが打ち出された作品が発表された。
“溶ける氷河のシリーズ”では、幼少期に過ごしたアイスランドの自然環境を1999年と2019年で撮影された写真を並べることで、氷河の後退が表現されていた。
今回の展示は、2023年11月24日にオープンした麻布台ヒルズギャラリーの柿落としとして開催された。そのなかでの特徴的な金属を用いたモチーフがある。施設内のパブリックアートとしても展示されている。多面体の金属の破片をつなぎ合わせ、惑星の軌道を思わせるような幾何学的な構造として表現されている。利用された金属はリサイクルされた亜鉛とのこと。
そのほかにオレンジ色の発光する球体、振り子によってドローイングが描ける機械、光と水を使った大型インスタレーションが非常に印象的だった。

今回の展示のねらい

沈まぬ太陽、4つの滝、後退する氷河といった作品を経て、今回のテーマは、再生金属を用いて幾何学的な形を作り出すことが特徴ではないか。会場で作品解説の映像で、オラファーいわく、「本来は空気中に漂ってはいけないはずの亜鉛を固体として、彫刻として定着させた。」と言っていたことが、今回の展示でのオラファーが表現したかったことではないか。
ちなみに、ギャラリーの隣には、オラファーのヴィーガン・メニューのレシピを出しているスタジオ内食堂が、期間限定で同施設のカフェとコラボしてオープンしていた。

展示概要

展示:「オラファー・エリアソン展:相互に繋がりあう瞬間が協和する周期」
会期:2023年11月24日〜2024年3月31日
会場:麻布台ヒルズギャラリー

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