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耐震等級の落とし穴!「耐震等級3」には2つある?

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耐震等級と許容応力度計算について

「耐震等級」は、家を建てようと考え始めた時、どういう家を建てるかの基準として最重要ポイントだと思います。
耐震等級は1~3段階に分かれており、3が一番耐震性能の高い家です。

ちなみに耐震性能1の基準は、「震度6〜7程度で倒壊しない、震度5強で損壊しない建物」です。
よく読むと分かりますが、震度6~7は倒壊しなくても、「損壊はする」レベルが耐震等級1という事が分かります。
「損壊はする」レベルがいかに怖いのかは、後でお伝えすると共に、今回のコラムでは耐震等級の計算方法と、どうやって耐震等級が決まるのかを詳しくお伝えいたします。

まずは、耐震等級がどういうものか知ろう

耐震等級とは、住宅品質確保促進法、略して品確法にそって制定された地震に対する建物の強度を示す指標の1つです。 先にも述べましたが、耐震性能によって3段階に分かれており、数字が大きければ大きいほど、建物の耐震性が高いことを表しています。

建物を建てたり買ったりする際の1つの目安とされており、建売住宅の看板やチラシ、ハウスメーカーのCMなどでも【耐震等級3】という文言をよく目にするようになりました。

等級数だけ意識されがちですが、耐震等級というのは、地震で建物が崩壊しないよう地震に対する構造体の倒壊・崩壊等のしにくさを表したものであり、等級数と共にいかに安全であるかを重要視する必要があります。

そもそもどうやって耐震等級を確認しているのか?
確認方法は3種類あります。

1:仕様規定による建築確認
2:性能表示計算による建築確認
3:許容力度計算による建築確認

耳慣れない言葉ばかりかと思いますので、1つずつどのような確認方法なのかお伝えします。

1:仕様規定による建築確認とは?

2階建て以下、延べ面積500㎡以下、かつ高さ13m 以下、軒高9m 以 下の木造建築物においては、構造計算に代わる簡便な方法として「壁量計算」が認められています。
壁量計算は、令46条4項に定められ、建物にかかる地震力、風圧力に対して必要な壁量(必要壁量) を満たしているかを確かめる計算方式です。

壁の量だけで、地震や台風など横の力(水平力)によって建物が壊れないかを検証する簡易的な計算方法で、計算は必要ですが、建築確認申請の際にも計算結果を提出する義務が無いのも特徴です。

許容応力度計算が必要とされているのは木造3階建のみ、2階建は基本的には構造計算(許容応力度計算)の必要性がありません。

そのため日本の2階建て以下の木造住宅は、仕様規定に沿った簡易チェックのみで、設計士の経験と判断によって建てているのが現状です。

2:性能表示計算による建築確認
壁量計算に加えて「床・屋根倍率の確認」と「床倍率に応じた横架材接合部の倍率」を検証する計算方法です。
※横架材とは、柱などの垂直材に対して、直角に渡している部材(梁や桁が代表的)。
性能表示検査では簡易検査が認められており、スパン表(梁 の断面寸法を決める早見表)等を用いて、計算を省略することができます。

長期優良住宅を建てる際、耐震等級は2以上である必要があるため、多くの木造住宅はこの計算方法で耐震等級3を導き出していると言われています。

3:許容力度計算による建築確認

許容力度計算とは、柱の1本・梁の1本・基礎に至るまですべての部材にかかる力を計算していく方法です。
先にお伝えしました家の強度を確認するための壁の強さ、部材の強さ、地盤・基礎の強さ。
3つの分野を全て緻密に調べることができ、住宅業界に従事している人間でもよほど専門的に行っていない限り、その中身を十分理解できている人はほとんどいないと言われているほど詳細な計算を行います。
よくある2階建の木造住宅を1棟建てるための許容応力度計算でも、最低1か月はかかり計算資料(許容応力度計算書)はA4の用紙で数百枚にもなります。

なぜ、許容応力度計算にこだわるのか

理由は一つ。
同じ耐震等級3であっても、性能表示計算で建てた家よりも、許容応力度計算を行った家の方が地震に強いからです。

耐震等級3で同じような家を設計する場合、性能表示計算と許容応力度計算では、詳細な作業を必要とする許容応力度計算の方がたくさんの耐力壁を必要とする計算結果が出ます。

性能表示計算で建てた耐震等級3が、許容応力度計算と同じ量の耐力壁を必要としているなら問題は無いでしょう。
しかし実際は違います。
耐力壁一つだけを見ても、許容応力度計算よりも、常に少なくなるのが性能表示計算の現状です。

なんのために耐震等級3にするのか。
数字ではなく、命と財産を守るためだと考えれば、許容応力度計算は自ずと必須になります。

日本経済新聞様 掲載写真

まとめ-島田組での取り組み

現在、R+house中越で提供させていただいております住宅は、全棟許容応力度計算による構造計算を用いて、耐震等級3でご提供させて頂いております。
建築して頂くお客様にはコスト面等でご負担をかけて申し訳ないのですが
家作りに真摯に向き合うことで、辿り着いた答えとなりました。

まとめ-安全・安心のためにできること

許容応力度計算は、壁量計算や性能表示計算と比較して、費用と時間がかかります。
少しでも節約したい、または夢を実現したい家づくりの際に、目に見えないものにお金を掛けるのは抵抗があるのはよく分かります。

でも、保険に入ったりセキュリティを取り付けたり。
安全や安心はなかなか目には見えないものですし、「必要なかったわ」という場合も多々ありますが、万が一が発生したときには「こうしておけばよかった」という大きな後悔に変わるものでもあります。
特に日々の暮らしの場である「家」の場合、安全と安心が守るのは命と財産です。

キッチンや水回りなどの設備は古くなったら取り換えるのは容易ですが、耐震性能は家そのものなだけに取り換えることはできません。
あとで変えられないものだからこそ、徹底して安全対策を施してほしいと思いますし、弊社では一棟一棟許容応力度計算を行い家を建てています。

耐震性能をどうするか、等級も計算方法も、家を建てる人の判断に委ねられているのが地震大国日本の現状です。
そんな現状で、少しでも安全で安心できる家を建てたいと思った方は、ぜひ家を建てようと思っている会社に聞いてみてください。
「許容応力度計算は行っていますか?計算書は見せてもらえますか?」と。

最後に、現在の住宅・不動産市場は60~80年住繫ぐ家に変化しており、耐震性能や断熱性能の高いお家が今後市場でも価値のある不動産として、市場で確立していくことが予想されます。
お子様やその先のお孫さんの為に不動産価値の残る家を残しませんか?

Q&A

Q 地震保険は割引されますか?
A はい。耐震等級3で50% 耐震等級2で30% 耐震等級1で10%割引とな   り、保険料のランニングコストも通常のお宅より安く済んで暮らしやすいですね。

Q 建築後も耐震等級3は取得可能ですか?
A いいえ。基礎・構造全てに構造計算をかけて、必要な太さ・大きさ・配筋ピッチなどを計画して建築しなければいけないので、既存の住宅での耐震等級3の取得は難しいです。

雪国であたたかく過ごしやすい新築注文住宅を建築家と共に実現しませんか?私たち島田組は100年にわたり地域に根ざした建築を手がけ、お客様の個性やライフスタイルを大切にしながら、暖かく快適な住まいをご提供しています🏠❄️ 施工事例や最新のイベント情報など、様々な情報を発信しています。また、浦佐モデルハウスでは実際の住まいを体感できます。ぜひご見学&宿泊予約を受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください!
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