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第三章 人間の顔とは何か?-002



マスクに隠された顔の下3分の2とは?

私たちの顔の中で唯一動く骨は、(下)あごです。
そもそも顔とは、あごのための一種の臓器(内臓の入口)に過ぎません。

他の動物は食べ物を効率的に直接捕食するために、
あごを使って食べています。

実際のところ、他の動物の顔がどこからどこまでの範囲を示すのか?
人間のように規定することは難しいと言われています。

人類はなぜか直立二足歩行をしていますが、
それまでの魚類や両生類そして哺乳類のあごは、
体の移動方向の先頭にあります。

そして五感とはあごの周りを取り囲むように配置された、
獲物や捕食者を察知するためのセンサーなのです。

恒温動物である哺乳類は、
このあごに咀嚼の機能を付加したという話をご紹介しました。

人類は他の動物の進化のプロセスにない直立二足歩行をすることにより、
頭を体の一番上に据えました。

このことによって手を移動手段から完全に離脱させ、
道具の開発や利用を始めたという話をご紹介しました。

(あなたがお使いになっているスマートフォンは、
今や全世界をつなげる新たなる道具となっていますよね)

火の利用によるエネルギー変換

火の利用は人類が肉食を取り入れた時と同様に、
体に対して大きな影響を与えました。

火の利用による効果は、少なくとも2つあることをご紹介しました。

1つ目は▼
火の利用による食の軟化によって、咀嚼からのストレスを大幅に軽減したこと。これにより、心臓の筋肉の次に強い咀嚼筋の消費エネルギーを減少させました。

2つ目は▼
腸への負担軽減です。食の軟化によって、
腸での消化吸収に要するエネルギー消費を大幅に減らしました。

食の軟化は咀嚼筋と腸に必要なエネルギーを、
ほぼ同時に一挙に減少させたのです。

このことによって、あごと言うフードプロセッサーやその周囲を覆い尽くしていた咀嚼筋の大きさは小さくなり、また腸の長さを短くするという進化に結びつきました。(これ重要です)

さて、
これらに消費していたエネルギーをどこへ回したのか?
と申せば、脳の拡大です。

あご、腸そして脳のバーター取引による、
(脳の収まる)人間の頭部への大きな変化について、
もう少し詳しく話を進めてみたいと思います。


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