ドラマ脚本「大道芸人と車椅子の女」(50分程)

ドラマ脚本「大道芸人と車椅子の女」(50分程)

第34回 フジテレビヤングシナリオ 一次審査通過作品(2022年3月応募)

あらすじ

大道芸人の鈴木シャルロット(23)が、ジャグリングを披露するが、目が霞んで玉を落とす。それを笑いに変えて、子ども達の喝采を浴びる。

 公演後、小銭を数える鈴木。すると、車椅子に乗った遠山奈々子(24)が、急な坂を登る。隣のスロープに気付き、鈴木は手助けせずに小銭を数える。そこに、男性が現れて鈴木を叱責し、奈々子を助ける。坂を登り、奈々子が礼を告げると、男性が林へ連れて行く。鈴木が坂を登ると、悲鳴が聞こえて、駆け付ける。奈々子はセクハラされ、バックを盗まれていた。鈴木が仕返しを提案して、男性をベンチに縛り付ける。

 意気投合した鈴木と奈々子。奈々子は日常的にセクハラや盗難に遭うこと、300万円あれば足の治療が出来ることを、鈴木に語る。鈴木はセクハラの加害者から金を盗み、それを治療費に充てることを提案する。

 スリを繰り返す鈴木と奈々子。けれども、たいした額を得られない。ヤクザを見掛ける2人。その手には、アタッシュケース。鈴木がアジトからケースを盗む。ヤクザに追われ、湾岸に辿り着く鈴木と奈々子。無事に逃げ切り、奈々子が記念に写真を撮るが、それを嫌がる鈴木。すると、ヤクザに見つかる。

 アジトにいる鈴木と奈々子。組長が現れ、ケースを盗んだ経緯を尋ねる。鈴木は奈々子と一緒に居る為に、盗みを続けたこと、盗んだ金は治療費に充てることを告げる。すると、組長が2人を気に入り、300万円を渡す。

 病院に着く鈴木と奈々子。すると、鈴木が奈々子の車椅子を倒して姿を消す。

 一年後。歩けるようになった奈々子は、記者として働きつつ、鈴木を探していた。ゴミ収集車で働く鈴木。奈々子が追い掛ける。

 集積場。奈々子が鈴木を呼び止めるが、鈴木は人違いだと告げる。鈴木に思いを語る奈々子。鈴木が本人だと認めるが、これから目が見えなくなると告げる。奈々子が「今度は、私があなたの目になる」と言い、鈴木を抱き締める。

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