さくらももこの本が、一周回って面白い
こんばんは
今日はひさしぶりに「最近読んだ本」の
事をつづります。
といっても、はじめましての本ではなく、
大好きなさくらももこのエッセイのひとつ。20年ぶりくらいの「ひとりずもう」です。
まるこの思春期を描いた、15章からなるエッセイだ。
ツボな場面、盛りだくさん
「カチューシャの代わりに、ハチマキを巻いて乙女チックな気分に浸る」
「憧れのペットとの生活も、キラキラしたものとならず、残念な結果に幕をとじたはなし」
「一目ぼれした青年を「彼が貧乏人でありますように」と、とんでもない祈りを神に捧げた夜」
「イケてない八百屋をなんとかしようとしたまるこ。喫茶店への転職を提案して、激しく叱られる」
「暇を持て余した、17歳の夏休み。ゴキブリで大騒ぎの八百屋一家の日常」
控えめなトーンで描かれているからこその、あのおもしろさ、脱帽。
電車じゃとても読めない。
どれもこれも、神回ですね。
自らの家族を持ち出した、自虐ネタがユーモラスすぎる。
特に「父ヒロシ」ネタは鉄板。
「ペットを買ってきたまるこに「また死ぬぞ」と不吉なことを告げるヒロシ」
「ゴキブリに驚いたまるこにぶつかられ、酒をひっくり返して、パンツと畳を濡らすヒロシ」
「ボブ・マーリーの歌を聴き、「こいつ、しわがれた声だな。こいつの歌、いいのか?」「は⁉レゲエ⁉何じゃそれ」といって去るヒロシ」
毎回、ヒロシとのやりとりを待ってしまう。
とても大好物なネタです。
昔のことを、鮮明に覚えている才能。
さくらももこが、頭が良い方なのは知っているけれど、幼少期や思春期の話で本1冊書けちゃうって、すごくないですか?
当時の妄想の設定や展開もとても細かく、バリエーションが半端ない。
わたしなんて1年前のことですら、まともに覚えていないのに。
残念ながら、家族からは「漫画家になる夢」を応援されていなかったようだ。
いまのようにインターネットで情報が得られない時代に、悩みながらも自分を分析して、10代の女の子がコツコツ積み上げて叶えた夢。
自分の10代と比べても仕方ないが、えらい差だ。
最後に、非常にわかりやすく、まとめてくれているエールの言葉がある
「夢があったらやってみて、どういう具合か判断し、調整が必要ならそうした方が良い」
今も昔も変わらず、自分の人生を切り開いている方が、よく口にしているワードだと思う。
スモールステップ、軌道修正の大切さ、ですよね。
おわりに……
余談だが、そもそもなぜ今のタイミングで「さくらももこのエッセイ」を読み返したのか?
最近、不慣れながらも文章を書いていると、当然ながら自分の文章力の無さに残念な気持ちになる。そして、本を読みたい衝動にかられ、大好きだった「さくらももこのエッセイ」を図書館で大人借りしてきたのだ。
ひとりずもう/作者 さくらももこ
また、ちょこちょこ読み返して、
笑いと勇気をもらいたい。
お読みいただき、ありがとうございます
それではまた
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