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過去形は3つの「距離」を作る

 過去形は、ただ時を戻すために使われるもの、ではない。

 たぶん、多くの人が、「え!?」って思ったことがあるとおもうんだけど、

 「"will" を過去形にすると、"would" になります。」

んん?? 

んんん!? 

んんんん!?!

 なんだ!?

 "will" は未来を表すって教わったのに、未来の過去形ってどういうことやねんっっ!?!?

でも、実際に使われる "would" のシチュエーションは、

"Would you like some water?" (お水はいかがですか?)

というように、全然過去の話じゃない。

さあ、一体なにが起こったんだろ??

実は、英語の動詞を過去形に活用させると、
3種類の「距離」のいずれかを作ることができるんだ!!

3つの「距離」...


①時間の「距離」

e.g. I played tennis with my friends yesterday.
  (昨日、友達とテニスをした。)

これは、一番みんなが知っている "過去" を表す働き。

過去になるということは、
"現在から時間の「距離」をおいた" って言い換えられるよね!

②相手との「距離」

e.g. Would you close the window?
  (窓を閉めていただけますか?)

実は、過去形を使うことで、
相手との距離を置くこともできる!!

つまり、"敬語"っていうこと!!

英語には"敬語"はないとよく言われるけれど、
本当はある。

遠回しな言い方をしたり、こんな風に過去形を使うことで、
相手との間に「距離」をとって丁寧に接することができるんだ!

それに比べて日本語は「いただく」とか「申し上げる」とか、
別の動詞を覚えていかないといけないから、 大変だよね。

③現実との「距離」

e.g. I wish I were a bird.
  (鳥になれたらなぁ...。)

もうひとつは、現実から離れた仮の話をしたり、
「こうだったらいいのに。」っていう現実離れした空想の話をするときに、
過去形を使う。

そう!!これは、高校生で習う "仮定法" ってやつ!!!

過去形を使うことで、
現実ではありえないような空想の話ができるようになるんだ!!

なんと、来年度から中学校の教科書が変わって、
中学生のみんなは"仮定法"も勉強しなくてはならなくなります!

中学生のみんなは、3つの過去形を駆使しなくてはならないなんて...

過去形は「距離」をつくる。

過去形は、
過ぎ去った過去を語ったり、
相手を敬ったり、
仮の世界を描くことができる。

過去形すげぇ…

そして、ここからおれの敬語論争が始まる...

それは、次回のお楽しみ!

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