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パンは幸せを運んでくる

パンが好きです。
この時期、小麦は花粉症に良くない(トマトもだめだとか???)なんて聞くけれどまったく躊躇なく食べてしまっています。
たまにスーパーで買うフランスパンや耳を切ったサンドイッチ用のパンが食べたくなるけれど、できればベーカリーのパンが好き。

昔、実家の近所に小さなベーカリーがありました。
歩いて30秒ほどのところだったので、いろいろなパンの焼きたてを狙ってしょっちゅう買いに行ってました。

結婚して家を出て子供ができても、母、私、娘と息子…3代で大好きなベーカリー。
焼き立てでふわふわの食パン、カリカリもちもちのフランスパン、砂糖を乗せて焼き上げたレーズンシュガー、バターの香り高いバタートップやクロワッサン。種類はそんなになかったけれど、気軽に行く事ができるパン屋さんが実家から歩いてすぐの場所にあることはプライスレスな贅沢でした。

まだ幼稚園生だった娘と実家に行った際に、何かで私が娘を叱ったらそのままプチ家出をされてしまったことがありました。
真っ青になって探し回っているのをベーカリーのご主人が見かけ、一緒に探してくれたことも…。
焼き立ての食パンをお行儀悪く手でちぎって、母とほおばったことや、息子が自分でやりたがって背伸びをするようにしてレジ台にお金を置いたこと、ベルが付いた木枠の少し重いドアを開け、ドアがベルの音と共に閉まった時のパンの香りとブラインド越しに入る西日で明るい店内、お気に入りのパンたち…今でも鮮明に思い出します。
たくさんの幸せを私たち家族に運んでくれたベーカリーでした。
ご事情があってパン屋さんは閉店。そのあといくつかのお店が入りましたがあんなにワクワクするお店にはなりません。

昨日は娘夫婦とお彼岸のお墓参りに行ったあと、早めの昼食を食べに行きました。
たまたまお店が開店10分前だったので、すぐ近くのベーカリーで買い物。
あれもこれもおいしそうでどんどんトレイに乗せたパンを、娘の旦那さんが買ってくれました。
娘も嬉しそうににこにこ。

やっぱりパンは幸せを運んでくる。
家出した娘を探してくれたベーカリーのご主人…今頃どこかでまたパンを焼いているかしら。

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