マスメディアからコミュニティメデイアへ
最後の生き残りレースが始まった、紙媒体の世界
地域や規模の大小を問わず、既存の紙のマスメディア媒体については新聞でも出版でも、この先の時代かなり厳しい局面が予想されています。ニューヨークタイムズのようにいち早く電子化に舵を切り、電子版と紙をあわせて430万人にも達した購読者を得て新たなマスプラットフォームへの変身に成功したところもあれば、大手であっても年々売上げを減らしつつ厳しい経営を強いられている会社も多いのが現状です。では今後の紙メディアの生存戦略とは何か。今回Nサロンでいろいろな方々のお話を伺い、対話を重ねながら、自分の中での答えをブラッシュアップしていきたく思っています。
キーワードは合併、そして分割
出版についていえば、3000社以上あると言われる日本国内の出版社、また取次会社や書店も、もはや単独で現在の難局を切り開いていくのは難しそうです。グループ化を進めて間接費を削減し、しかしそれぞれの個性は失わずにコンテンツを作り出していく。日本より遙かに人口が多いアメリカでは、市場に流通口座をもつ出版社は300社ほどしかなく、それぞれの出版社の中に「インプリント」と呼ばれる個性的な子会社群を擁して、盛んに出版活動を行っています。
また組織は合併しても、出版の機能は全国へ分割していく。物流基地を日本各地へと分散し、印刷製本もPODを駆使して、現地で行うようになるでしょう。地域のインフラとなる、地方書店との連携も欠かせません。
私自身については4月からいまの組織を離れ、今後は紙媒体での仕事を継続しつつ、出版社の生き残る道は何か、コンテンツを通して「誰に? 何を? どうやって?」伝えていけるかを考えて参ります。これからNサロンで皆様と共に良い学びをしていきたく、どうぞよろしくお願いいたします。
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