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JR北海道の経営を立て直す(5)本州と違う2つのポイント

北海道は本州とは違う特殊性を持っています。JR北海道の経営を考えるときに特殊性を無視しては議論ができません。

JR北海道というが正式名称は「北海道旅客鉄道」です。つまり旅客が対象と言うことです。

結論は「国鉄を含め北海道の鉄道は、旅客が中心ではありませんでした
もとから「北海道旅客鉄道」は立っていなかったので、立て直すことはできません。新しく作るしかないのです。
理由を言います
①北海道の鉄道は、貨物輸送のために作られた。旅客は二次的だった
②旅客は都市間交通が重要だが、大都市は札幌1つなので成り立たない

理由①鉄道輸送は貨物中心
北海道の鉄道全盛期は貨物が中心、内容は石炭、木材、穀物
下記の資料は、日本遺産「炭鉄港」の文化庁への申請資料です
ここにあるように鉄道の主目的は貨物輸送でした。
特にエネルギー源の石炭が中心でした。国家的に重要な役割だったのです
それが石油に代わり、北海道鉄道の必要性は大きく減りました。


石炭が重要


大都市は札幌だけで、大規模な都市間交通が存在しない
下記の資料は、別の目的で作ったのですが読み込むと面白い内容が含まれてます。そのなかで最終行を見てください。
道の人口は約520万人 札幌市は194万人 約4割です。

次の大都市は旭川(広大な面積)で32万人です。
函館、帯広、苫小牧、全部は10万以上程度で本州目線では小都市です
東京なら所沢市34万人。大阪なら豊中市39万人より小さいのです。
鉄道のドル箱である高速大量輸送の都市間交通が成り立たない地域のです。

札幌の人口が突出


特に炭鉱閉山以降、炭鉱や港湾の労働者は札幌五輪の建築需要をみて札幌圏に移住しました。上の表の70年代以降、道内人口停滞期と重なる。
別の人口統計では、1970年代から北海道の人口は500万人台で小動きですが札幌の人口だけが激増しています。(他の地域の人口が激減している)
60年に52万人(道全体503万で10%)です。
70年に100万人(道全体518万で19%)で
10年でほぼ倍に膨らみました。
80年に140万人(道全体557万で25%)を超えた。
2020年には194万人(道全体522万で37%と約4割)になりました。
このように札幌集中が進み大都市間交通の必要性はなくなりつつあります。
一例を上げれば60年代札幌が50万人、小樽が20万人で移動は盛んでした
現在は札幌は190万人、小樽は10万人です。札幌小樽間の移動は減りました

歴史的に見ても、北海道に移住した開拓民は「農民、漁民、炭鉱労働者」が中心でした。この人たちは商業や工業に従事する人のように移動しません

会社員は自宅の八王子から、勤務地の渋谷に30㎞を鉄道で通勤します。
農業漁業者は30㎞離れた自宅から、鉄道で農場・漁港には通いません。
(収穫した貨物を鉄道で輸送することはあるでしょう)
つまり、昔から北海道は旅客鉄道が難しい産業構成なのです。
逆に、農業、石炭、木材、漁業の生産物を運搬する貨物は必要でした。

現在のようにJR貨物と旅客が分離していると、北海道の特徴は難しく作用するのです。さらに札幌一局集中なのです。
今のJR北海道の立て直し議論はこの2つの視点が必要なのです。


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