質量

はじまりが嘘だったから、それ以外の嘘はつかないでいよう。

この活動を始める時にそう決めた。

答えられるものには本当のことをを
答えられないものには言えないということを
嘘偽りなく伝える。

そう決めてここまで来た。

そうしなければ質量が伴わないからだ。
自分の言葉に、行動に。とにかく全てのことに。

質量がないということは、中身のない、風船のようなものだと思っている。
風で流され、飛ばされ、そして小さな棘で割れてしまう。

たとえどれだけ上手く取り繕って、自分の体が鋼鉄のような見た目をしていたとして。
ほとんどの人がその中身に気が付かなかったとしても。
ほんの僅かな数人には、必ずバレてしまう。

そしてその僅かな人達こそ、俺の世界を広げてくれる人なのだ。

それを昔から知っている。
だからオレは、俺でいる間は嘘をつかないことにした。
そしていちばん最初の、たった一つの嘘を、

最後まで貫き通すと、あの夜に決めたのだ。

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