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いい加減「きのこたけのこ戦争」に終止符を打とう

 皆様は「きのこたけのこ戦争」をご存知だろうか。
「きのこの山」と「たけのこの里」のどちらが美味しいかを争う戦いを指し、一説によると1980年頃から始まったとされる。
 40年以上経過した現代においても日夜戦いが繰り広げられており、その禍根の深さは計り知れない。
「きのこたけのこ戦争」の被害に遭われた方々のことを想うと心が痛く、日々涙で枕を濡らしている。

 なんてことは1ミリも思っていない。
 何を隠そう、私自身「きのこ党」の熱烈な支持者なのだ。
 どちらが優れているかという議論は擦られまくっていて、正直辟易している人は多いだろう。
 だからこそ今日私は「きのこの山」の圧倒的優位性を主張し、勝利宣言することによって、40年以上続く戦いにピリオドを打たねばならぬと決意した。
 ここからは「きのこの山」が「たけのこの里」よりも優る理由を述べていきたい。

①内容量
「たけのこの里」が70グラムであるのに対して、「きのこの山」は74グラムある。
 双方が基本的に同価格で販売されていることを考慮すると、「きのこの山」の方がコストパフォーマンスが良いのは明白だ。

②食べやすい形状
「たけのこの里」はチョコレートに覆われた部分が多く、相対的にクッキーの表面積が狭くなっている。
 一方「きのこの山」はチョコレートのエリアとクラッカーのエリアが分かれている。
 これはすなわち「きのこの山」の方が喫食時に手が汚れにくいことを意味しており、消費者に対してより深い配慮がなされていることの証左と言えよう。

③味 
 美味しさを感じる化学的要因は甘味・酸味・塩味・苦み・うま味の5つが基本であり、一般的に5つの要素がいい塩梅で組み合わされたものが美味しいとされている。
 この法則に当てはめて考えてみよう。「たけのこの里」は甘味の強いチョコレートと甘味の強いクッキーの組合せであるのに対し、「きのこの山」は甘味の強いチョコレートと塩味の強いクラッカーの組合せである。
「きのこの山」の方が上記5要素をより多く含んでおり、化学的に美味しいものと言って差し支えないだろう。

④歴史
 販売開始の年次に着目すると「きのこの山」は1975年、「たけのこの里」は1979年である。「きのこの山」が4年先輩なのだ。
 年功序列制が根強い日本人ならば、先輩を重んじるのが当然だろう。
「たけのこの里」に軍配を上げることは年功序列制の道理に反しており、筋の通っていない姿勢と糾弾されて然るべきだ。

⑤「きのこたけのこ戦争」というネーミング
 早稲田と慶應の対決を早慶戦と呼ぶのが一般的だが、慶應関係者の中にはこの対決を慶早戦と呼ぶ人が少なくない。これは早稲田に負けまいとする、慶應側のライバル意識の表れと言えよう。
 ところが「きのこたけのこ戦争」においては同様の事象が認められない。少なくとも私は「たけのこきのこ戦争」と呼ぶ人に出会ったことがない。つまりは「たけのこ派」を自称する人達も、無意識のうちに「きのこの山」の優位性を認め、白旗を上げているのだ。

 賢明な読者なら、ここまで述べてきたことから「きのこの山」が「たけのこの里」と比較して圧倒的優位であるのは言うまでもないだろう。
 私はここに「きのこの山」の勝利を宣言し、「きのこたけのこ戦争」の終結を見届けたい。
 そして人々が「きのこ」と「たけのこ」で争うことのない、平和な世の中になることを祈念している。

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