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作曲のきっかけ、その2.

そのころ丁度父の友人から作曲を頼まれたり、佐藤弘和君と行動を共にすることが多かったので、時間さえあれば彼を質問攻めにしていました。
ただ、彼に関しては徹頭徹尾、つねに自然体でしか作曲しておらず、その意味ではやはり天才肌なのだなぁといつも感じていました。

カルテットでツアーに一緒に行くと、彼は本番前に数独のパズルをしているかと思いきや、私が弾いていた即興の指慣らしのアルぺジョで旋律が聴こえてきたようで、音のメモを真剣に取っていたりするのです。

私にはそんな才能はなさそうなので、仕方が無くありとあらゆる作曲の本を買って来て読み漁っていると、昔分からなかった事が少しずつ理解できるようになって来たのです。

例えば作曲家の新実徳英さんの本で一番興奮したのがマイナーの曲でAm~Bマイナーセブン♭ファイブ~Eドミナント7でかなりの名曲があるという事です。フォーレのシシリエンヌ、バッハのシャコンヌ、モーツアルト交響曲40番一楽章などなど。へぇ~!これは良いことを聞いた!早速作ってみようと
思いましたが、そんなに甘いものではありません。
でもこの知識を得たことでただのコード進行ではなく、それを使ったそれ以上の天才の技があることが分かるようになったのです。

人の曲のコード進行が聴いていてわかるようになると、今度は形式に興味が湧いてきました。ソナタ、フーガ、カノン、ロンドなどまた文献を漁りました。
そんなことをしているうちに、コンピューター浄書になりネットでも膨大な作曲の情報が得られることも分かって来ました。
最初はカルテットで揃えたEncoreとういうソフト。その後はもうFinale一本で全てを行うように。

何か音で試してみた時にも全てFinaleを使うようになって、気が付くと重奏・合奏曲は全てパソコンで作曲してそのあとに出来た譜面を見ながら運指を付けて弾きにくいところなどを自分でギター用に編曲するやり方が定着してきました。ここでやっと作曲の面白さが分かってきた感じです。

少し乱暴な言い方をすると、ここで文章を書いているように音も並べられるようになってきました。パズルのようでもあり、伴奏が先に出来れば旋律の音を自分中で耳を傾けて、逆にメロディが出来たらハーモニーを楽しみながら付けられる用にもなりました。

続く

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