マガジンのカバー画像

1OQ

13
高校野球の連作短編集です。13篇の群像劇
運営しているクリエイター

記事一覧

一番セカンド白星

『目指せ甲子園』 魅惑的な響きだ、大人にとっちゃ。 全国で4000もの野球部がピラミッド式の…

短いシカ
4年前
55

二番センター藤谷

楽しく野球をやれたら、そう思ってた。でもその時点で何かを間違えてたんだろうな。野球は元来…

短いシカ
4年前
52

三番サード大滝

俺がキャプテンになり、このチームは変わった。良くも悪くも。 優勝候補と謳われる強豪校に思…

短いシカ
4年前
38

四番ファースト金子

怖い。 脇汗が滝のように溢れる。何が怖いか。期待だ。皆が俺に乗せる期待が怖い。「金子がHR…

短いシカ
4年前
44

五番ショート桑田

五回表、ピンチだ。ノーアウト二塁。まあ、どうでもいい。 どうしてみんな熱くなってんのかな…

短いシカ
4年前
46

六番キャッチャー鷲尾

大いなる才能は、いつだって無自覚に、弱者を挫いている。 真澄の球威は冴え渡る。球速は人並…

短いシカ
4年前
43

七番ピッチャー真澄

『甲子園出場が決まったら、付き合おう』 そう口にした瞬間、俺の心は死んだ。 七回表、3-0、ワンナウト一三塁。ストイックの権化と言われた俺の失態により、俺達の未来は風前の灯火だ。チームの血色の裏腹にマウンドに満ちた感情は安堵。全力を出して負ける、その結果が大事なんだ。その結果が、俺の免罪符になる。 思うにストイックってのは二種類ある。禁欲的な馬鹿か、それしか術を知らない馬鹿。俺は後者だ。野球を取り上げたら何も残らない、馬鹿げた逃避行を直走る馬鹿な走者。鷲尾が羨ましいよ。何

八番レフト柳井

八回裏、3-0、ノーアウト一塁。 その一塁走者が俺な訳だけど、試合経過云々以前に色々と思う…

短いシカ
4年前
44

九番ライト原

熱気に包まれた地区予選一回戦、強豪校相手に善戦する弱小校、相手チームの動揺は如何ほどや。…

短いシカ
4年前
45

鹿南高校野球部

『白星』 希望は絶望のアクセントだ。高校野球の怖いところが出た。真澄は嗚咽を懲らしてる。…

短いシカ
4年前
35

副キャプテン柳井

あれから。 野球部、頑張ってんな。秋季大会もうすぐだもんな。文化祭の出し物免除で今日も激…

短いシカ
4年前
54

キャプテン桑田

それから。 僕は自分を見失っていた。部活をしていない時間が怖い。もっと練習しないと秋期大…

短いシカ
4年前
58

新生鹿南野球部

これから生まれる後悔の形を、僕たちはまだ知らない。それでも僕たちは生きていく。後悔の数だ…

短いシカ
4年前
42