父の夢#7「ないものねだり定食」2023.05.08

GWはしっかり5連勤したはずなのに、いわゆる連休明けとされる今日1日が休みというだけでかなりの幸福感に包まれながら、そっか今日は二度寝していいんだ…と再び沈んだ夢の中で父に会った。

父がハンドルを握る、数年前に廃車にした我が家の車。父の後ろのいつもの席に座り、左手には母。普段助手席に座る兄は不在のようだ。3人でどこかに出かけている。遅めのGWだろうか。

ふと視界の端に赤と黒を捉えた。すぐさま私の推しセンサーが反応する。もしや…？とその正体を目で追うと予想的中。現在ツアー真っ最中のBUMP OF CHICKENのツアトラが…！目の前に…！いるではないか…！！！ライブ会場のフォトスポットに展示された停車姿しか見たことのないツアトラが…！その責務を全うするため元気に走っているではないか…！！！

大興奮でスマホを取り出し、写真を撮り動画を撮り、ん～両親の声入っちゃってるな～、まあ無音にすればいっか☆などとちゃ～んとSNSにアップすることまで考えていたのが面白い。父も母もそんな私のことなど構わず会話を続けていたのも面白い。

ないものねだり定食みたいだと思った。もう一度会いたい、でも絶対に叶わない父と車。時折目撃情報は得るものの確率的にはかなり低いであろう移動中のツアートラック。不思議と切なくはなくて、悲しくはなくて、素直に嬉しい夢だった。

ちょうど1年前、夢の中で父と会った私はとても居た堪れない気持ちになっていた(父の夢#4「今何してる？」2022.05.03)。その頃はまだ動き出せず、私は何をやっているんだ…いや何もやっていないじゃないかとただただ自分が情けなかった。

それを思えば、この1年で私の生活は少しだけ前進した気がする。再び社会に出る力をBUMPからもらい、前職との畑は違えど、やはり人に尽くすような仕事を始めて約半年。しんどい日ももちろんあるけれど、人に恵まれ、先輩や上司にも認めてもらうことがあり、自惚れかもしれないが自分でも手応えを感じる瞬間があったりする。好きなものを好きなだけ好きと言い、ひとり勝手に誰かを想ったりして。あれ…書いてみたら意外と大きく変化しているかもしれない。少しは父に誇れる生き方が出来ているかな。だったらいいな。

「今日も変われなかった」と毎日布団の中でないものねだりをしていたあの頃に比べたら、今日の夢におけるないものねだりはすごく希望に満ちたものだったと思う。私、頑張ったんだな。頑張ることができたんだな。

ずっとこんな穏やかな気持ちが続いたらいいのにな。次に父と会う時、私はどんなふうになっているだろう。ちょっとだけ楽しみ。そう思える力を大好きなものから日々もらっている。

またね。