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《尚食》EP34より“百病は気より生ず”(百病生於気也)《黄帝内経 素問》を掘り下げてみた

中国ドラマ《尚食》EP34で
盛侍医が女主の脈診後に言った言葉。
“百病は気より生ず”

中医学を学んだのでこうゆうシーンには胸ときめいてしまうのですが、
日本でも「病は気から…」と言いますが、気が原因の症状は多い。
中国最古の医学書「黄帝内経」の「素問・挙痛論」にあります。

百病生於気也。怒則気上、喜則気緩。悲則気消、恐則気下。寒則気収、炅則気泄。驚則気乱、労則気耗、思則気結。

《黄帝内経》( 素問・挙痛論)

七情や気候素因、生活習慣などの内外素因が気機失調の病変を引き起こします。
今でいうところの自律神経失調症による不調というやつで、一昔前だと病気とはみなされてないような症状で、最近だと心療内科とかで診てもらえるようになりましたが、それこそ漢方などの得意分野です。

cr.《电视剧尚食》官方微博


禁足(外出禁止)されたことで昔の幽閉されてた恐怖を思い出して声がでなくなってしまった女主。
「恐則気下」(恐れれば気は下降する)状態だったのかなと。

cr.《电视剧尚食》官方微博

侍医は半夏厚朴湯と柑橘湯を処方してます。
半夏厚朴湯は痰気鬱結、ストレスや緊張、不安による喉のつまり異物感、いわゆる梅核気の妙薬。君薬が半夏、臣薬が厚朴で行気開鬱、降逆化痰の効能があります。まさに子衿に最適。


柑橘湯は方剤の組成がわからないのですが、橘皮や陳皮、枳実、青皮などのいわゆる柑橘系は気を巡らす作用(理気・行気)があります。
橘皮湯は橘皮と生姜を使った理気剤でこちらも行気開鬱の作用があります。
半夏厚朴湯も柑橘湯(橘皮湯?)も気の巡りを促す理気剤(行気剤)です。
さすが盛侍医の弁証施治ですね。


中国ドラマ《尚食》はWOWOWオンデマンドで見られます。
美味しい料理と華麗な衣装、そして宮廷の中で強く生きるヒロイン(姚子衿)と女主を温かく見守る皇子(朱瞻基)との淡い恋愛も描かれます。
基本強い女主に勝てない男主の苦難にも注目www


皇太孙の朱瞻基を演じるのはイケメン俳優の许凯(シュー・カイ)。
今時の服装もかっこいいですが、古装姿も注目です。
個人的には前半の書斎での男主と女主のやりとりが好きです。

cr.《电视剧尚食》官方微博


Weibo(微博)の2020年AWARDにもノミネートされている良作です。
おすすめです。気になった方はぜひご覧ください。

cr.《电视剧尚食》官方微博

(画像はweibo微博のドラマ公式アカウントからお借りしました。)



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