同人誌初心者でもできた、解説本の作り方
こんばんは~先日、唐突に同人作家デビュー?した、しかです!
実は数か月前から作りたい本があって、そんな折に仲良し相互さんからイベントに合同参加しないかと誘われまして……思い切って乗っかることにしました。
ただ、「同人誌の作り方」という記事は数あれど、ほとんどが「漫画本」か「小説本」の作り方で、そうじゃない本はどうやって作ったらいいかよくわかりませんでした。というわけで、どうやって作ったのか、備忘録がてら記事にしてみました。
つくった本の概要
こんな感じの図説・イラスト入りの解説本です。ここから買えます(宣伝) https://shikanabe.booth.pm/items/5555104
B6
表紙カラー、本文モノクロ
60P (本文56P)
左とじ・横書き
使ったもの
Microsoft Word 2016 →本文用。入稿自体はpdfです。
Power Point 2016 →図作成用。
SAI 1.2.5 →表紙、挿絵用。入稿はpsdです。
ノートPC、ペンタブ
作業スケジュール(実績)
計画など立てず、適当にやってみた結果がこちらです。
2/1 サークル参加を決める
2/10 本の仕様を決め、印刷所の締め切りを確認する
2/11 本の作り方を調べたり、テンプレートを作る
2/15~2/16 本文を一気に書く
2/17 図を入れてページ調整、目次作成。
表紙は30分で描く。印刷屋さんに注文・入稿
2/18 印刷所の締め切り
3/2 イベント当日!
平日多忙だったこともあり、週末に一気にやるスタイルでした。作業時間で言うと24時間くらいだと思います。自分で言うのもなんですが、このスケジュールは仕事でドキュメントばっかり書いてる社畜スキルを遺憾なく発揮した結果で、かなり速いほうだと思います。通常はトラブル等も考慮し、作業期間をもっと確保したほうがよいでしょう。
最初に考えること
印刷所
相互さんから勧められていたプリントオン様にしました。
印刷所によっては予約が要るようですが、こちらは事前に自動見積もりで締切などを調べた上で、実際の注文は入稿するときで良いので気楽でした!
また今回は装丁はこだわらない小さめの本にしようと思っていたので、対応したセットや表紙テンプレートも揃っているのが良かったです。
敢えてデメリットを上げると、データチェックは最低限しかしないと明言されているので、しっかりチェックしてほしい・サポートしてほしい方には不向きかもしれません。またWord原稿用のテンプレートも無いので、ある程度、自力でなんとかできる人向けだと思います。本のサイズ
後から原稿のサイズを変えるのは大変なので、先に決めます。おおよそのページ数
これが無いと見積りができません。
ページ数は4の倍数にします。表紙と裏表紙で4ページになるので、60ページの本と言ったら本文は56ページになります。
中表紙やもくじを作らないといけないというルールはありませんが、「奥付」は必ず必要になります。
ちなみに、自分ははじめ24ページで見積りましたが、最終的に60ページになりました。それでもなんとかなったので、本当にだいたいでいいです。搬入方法
搬入方法によって締め切りが変わります。
イベントで頒布する場合、小規模イベントなら「宅配搬入」、コミケなどの大規模イベントなら「直接搬入」になるようです。もちろん自宅から自力で持って行くこともできますが、本は重いので避けたほうがよいでしょう。
宅配搬入は余裕を持って会場近くの営業所に着く必要があるため、締め切りが少し早くなります。イベントごとに対応可能な配送業者が異なるので、印刷所が対応しているかも確認します。
実際の作業の流れ
見積り
プリントオン様の場合、先に仕様を入力して自動見積もりができます。
同人誌はB5かA5がメジャーなようですが、今回は小さめの本にしたかったのでB6、「シンプルセットmini」のほぼ標準仕様です。中の紙は説明を読んで適当に決めました。CYMK対応のお絵描きソフトが無いのでRGB印刷のオプションをつけましたが、色にこだわるような表紙でもなかったなと今更思います。
実際の見積もり(最終版)を晒すとこんな感じです。
テンプレート作成
印刷所にWordテンプレートは無かったので、ネットで拾ってきたB6テンプレートをいじり倒して、横書き・左とじに変更。このへんはWordの設定でできます。
原稿は印刷所での作業ミスを防ぐためにページ数を入れる必要があります。今回表紙があるのでスタートは3にします。なお目立たない内側に入ってますが、目立つ側に入れればよかったなとちょっと反省。
3ページ目の左の余白が大きめなのは閉じる側だからで、偶数ページ目は逆に右側が広くなります。
本文を書く
とにかく中身が無いと始まらないので、本文を書きます。
この時点で細かく改ページなどを入れても後からずれるので、最後に調整するつもりで好きなところから好きなように書きました。
ただあまり無計画すぎると、同じことを何度も書いてしまったりするので、それなりの構成は考えておいたほうがよいでしょう。
書いてみてから章の順番を入れ替えたり、ページ調整で泣く泣くページからはみ出すコラムを消したりもしました。そういった変更があってもおかしくならないように書いておくと楽ですね。例えば「何ページ参照」とか「前の章で説明したように」といった表現を使うと、後で整合性を取るのが大変になります。
イラストはSAIで、図表はPower Pointで作成したものを「図として保存」で出力してから入れました。Word上でリサイズすると図中の文字などがボケそうだったので、サイズを変えるときはパワーポイント側で調整しました。
写真はWordに直接貼ってもいいのですが、Power Pointでモノクロにし、軽く明るさやコントラストを調整してから貼りました。トリミングはWordのほうで行いました。
目次はページだけ確保しておき、最後の最後に書きました。最初に書いてしまうと、ページがズレたり、章の名前や順番の変更に適応できないからです。
奥付については漫画や小説と同じなので、あちこちで解説されています。詳しい説明はここでは省略しますが、入れるようにしてください。
4の倍数ページになっていることを確認して、pdf出力したら完成です。
表紙を描く
表紙は最後に制作しました。なぜならページ数によって背表紙の厚さが変わり、テンプレートが変わってくるからです。プリントオン様では、サイズ・ページ数・紙の種類を入力すると背表紙の厚さが計算でき、厚さごとのテンプレートをダウンロードすることができました。
表紙の作り方は漫画本や小説本と同じなので詳しい説明は省略しますが、表紙と裏表紙がつながったテンプレートになっています。漫画本や小説本は通常右綴じなのに対し、左綴じの本は右側に表紙を描く必要があるので注意してください。
印刷所に入稿
本文はpdf出力しました。pdfの場合は、フォントを埋め込まないと印刷所で同じ状態にならないので注意が必要です。Word原稿対応の印刷所もあるようです。
表紙はpsd形式で保存し、2つのファイルを入稿しました。
プリントオン様の場合は入稿するタイミングで注文ができますが、一度入稿すると原稿の差し替えはスタッフの承認が必要です。自分は入稿後にページ数の計算を間違えていることに気づいて、差し替えの申請をしました。
イベントに搬入する場合は、イベント名・サークル名なども必要になります。スペース番号は入稿時に決まっていませんでしたが、後から入力ができました。
まとめ
以上が、自分が実際に解説本を作ったときの手順になります。初めて作ったので改善点もあるかもしれませんが、これから作ってみようという方の参考になれば幸いです。
なお、本文を書くにあたっては、自分が初心者の時にいろいろ教えてもらった経験、自分が初心者や一般の友人に空港を案内した経験、これまでに撮ってきた写真、仕事で培ったドキュメンテーションスキルなど、いろいろなものが役に立ったと思います。特に仕事でいつも提案書や仕様書やマニュアルを作成している方、普段は面倒くさい書類作成も、趣味に活かせるって最高だなと思いましたので、ぜひ好きなもので解説本を作ってみてください!
また、本を作ってからイベント当日までも、価格設定・宣伝・スペース設置や小銭の準備などいろいろやることがあります。今回はグッズもたくさん制作したので楽しかったです。そのあたりの話も、気が向いたら別の記事として書いてみたいと思います!
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