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忍殺TRPG非公式プラグイン【アリス・ニンジャクラン】

◇前置き:これはなに?◇


 プラグインなるものを作ってみたい。

 そう考えたしかなは、とりあえず記事を作ってみるのだった。

 ……そんなわけで、当記事はニンジャスレイヤーTRPGのキャラメイクの際に使える非公式プラグインとなります。筆者がこういうのに手をつけるのが初めてのため随時更新中であり、予告なく内容が変更・修正される可能性があるため注意してほしい。

 また、当プラグインを導入する場合は必ずNMと相談すること。

 ではとりあえずやってみよう。

■更新履歴■
2019/10/17:Ver. 0.9 とりあえず記事にした
2019/10/18:Ver. 0.91 【ジツ】値9まで追加
2019/10/19:ver. 1.0 余暇ルール・【浸食】値と異形の説明を追加。一旦完成!
2019/10/20:ver. 1.01 『□単眼』『□複眼』の置換条件追加。異形:頭部にオプション異形『可動髪』を追加
2019/10/23:ver.1.02 『謁見』ジツ鍛錬の成功条件、失敗時のデメリットを追加。選択肢『芸の披露』を追加。
2020/4/27: ver 1.03
・『☆ユメミセル・ジツ』の効果修正(Lv3にて「体力ダメージ1」がなくなり、回避ダイスダメージが1増えました)。
・専用スキルリストに『●ウサギ・リープショット』追加
・異形『□可動髪』『□□ブレス器官』『□生体スパイク』の効果を修正(ブレス器官は□数の調整込み)
・オプションとして「アリス・ニンジャからの自立」を追加


2020/8/2:Ver 2.0
ソウルサマリーを大幅改訂。



◇解説:アリス・ニンジャクランとは?◇

 オヒガン……あるいはコトダマ空間。そこに足を踏み入れんとしたニンジャは数多い。アリス・ニンジャもまたその一人であった。彼女がオヒガンへ足を踏み入れたのはジツの研鑽の間に見た夢がきっかけであるという。。それがアリス・ニンジャクランの土台だ。アリス・ニンジャクランとはすなわち、彼女の追随者たちである。

 クランの開祖たるアリス・ニンジャはその強大な力を持って大規模なローカルコトダマ空間を作り出し、フェアリーやドラゴンなど数々のミスティックな存在を生み出した。彼女は今も、自らのローカルコトダマ空間……すなわちコトダマランドを治めているのだと噂される。今もなお、アリス・ニンジャクランのソウルを宿した者たちには彼女の声が聞こえることがあるのだとか……

 ……そのようなバックグラウンドを持つ、アンオフィシャルなニンジャクランです。記事作成時点で同名のリアルニンジャおよびクランは作中で登場しておりません。あしからず。


◇TRPG中の効果:アリス・ニンジャクランの恩恵◇


 ニンジャメイク時に【ジツ】値を1以上持つニンジャがポップしたとき、あなたは(NMと相談した上で)作り出したニンジャに宿ったソウルをこのアリス・ニンジャクランのものにすることができる。

 アリス・ニンジャクランのソウル憑依者は【ジツ】値によって以下の恩恵を得る。

◇アリス・ニンジャクランのサマリー

【ジツ】値:回避ダイス:獲得ジツ
1:回避+0、『☆ユメミセル・ジツ』
2:回避+0、『☆戦闘スタイル:ムソウ』 を習得、『☆ユメミセル・ジツ』 がLv2に
3:回避+1、『☆ユメミセル・ジツ』 がLv3に
4:回避+1、ジツリストから★を1個獲得
5:回避+2、ジツリストから★を1個、あるいは★★1個を獲得
6:回避+2、ジツリストから★を2個、あるいは★★1個を獲得
7:回避+3、アーチ級ルールに沿って『★★★』を獲得
8:回避+3、アーチ級ルールに沿って『★★★』を獲得
9:回避+4、アーチ級ルールに沿って『★★★』を2個獲得

ジツリスト:
『★ユメミセル・マスタリー』
『★戦闘スタイル強化:ムソウ』
『★アクム・スリケン/アクム・アロー生成』
『★アクム・エンハンス』
『★アクム・ウェポン生成』
『★コチョウ・ジツ』
『★★グレーター・ユメミセル・ジツ』
『★★ユメ・ワタリ』
『★★マサユメ・ジツ』
『★★★コトダマ・エンクロート(未熟)』:取得条件【ジツ】値7以上

スキルリスト:
『◉ムユウ・ステップ』
『◉思故我有』
『◉ヒサツ・ワザ:デイドリーム・スマイト』


◇ジツ・スキルの説明◇

『☆ユメミセル・ジツ』
 攻撃的な幻……例えば炎、例えば雷、例えば毒虫の群れ……を敵のニューロンに投射し、苦しませる。幻影と侮るなかれ。ヒトはときに思い込みで死ぬ。

 自分の手番で【精神力】を1消費し、攻撃の代わりに使用可能(射撃ではないため敵と隣接時も発動できる)。発動に成功した場合、隣接した3x3マスにいる敵全員の【精神力】に対して1ダメージを与える(回避難易度:NORMAL)。
 【ジツ】値2の場合、【精神力】ダメージが1から2となる(回避難易度:NORMAL)。
 【ジツ】値3の場合、【精神力】2ダメージと『回避ダイスダメージ2』を与える(回避難易度:HARD


☆戦闘スタイル:ムソウ』:使用前提「素手」または「近接武器」装備時
 
自らのローカルコトダマ空間と現実とを重ね合わせ、脳裏に描いた理想のカラテムーブの再現を行う。端から見ると寝ぼけてふらついているようにしか見えないかもしれないが……無意識のムーブは時折、現実離れしたものとなる。

 この戦闘スタイルを選択したとき、近接攻撃を【カラテ】ではなく【ニューロン】で判定できる。この近接攻撃時には『サツバツ!』は発生せず、また【精神力】による自動成功もできない。

注:『戦闘スタイル:ムソウ』とタツジンスキルの組み合わせについて
 この戦闘スタイルは他のタツジンスキルと両立が可能である。しかし◉タツジン(コッポドー)のコッポ急所破壊のようなサツバツ効果を敵に与えるもの、および◉タツジン(ボックスカラテ)のボックスカラテ連打のように精神力を消費して発動するカコミ技は適用不可。それらは『★戦闘スタイル強化:ムソウ』の取得により初めて発動が可能となる。


★ユメミセル・マスタリー』:
 手番の攻撃フェイズで、攻撃の代わりに「ユメミセル・ジツLV2』を【精神力】消費なしで発動可能になる(判定不要)。【精神力】を1消費した場合、この代わりに「ユメミセル・ジツLV2」を2連続発動できる(判定はNORMALで通常通り必要)。2連続発動した場合、敵はこれに対してまとめて回避ができず、1回ずつ別々に回避が必要である。また、どちらの使用法でも、術者自身を中心とする3x3マスを効果範囲として選ぶことも可能となる(術者自身は当然ながらダメージを受けない)


★戦闘スタイル強化:ムソウ』:
 『☆戦闘スタイル:ムソウ】選択時に【ジツ】と同じ数だけ『近接攻撃ダイス』が増加し、かつ『サツバツ!』が発生するようになる。また【ニューロン】値が7以上の場合『戦闘スタイル:ムソウ』選択時のみ『●連続攻撃2』が、【ニューロン】値が13以上の場合『戦闘スタイル:ムソウ』選択時のみ『●連続攻撃3』が可能となる。


★アクム・スリケン/アクム・アロー生成
 手番開始時に【精神力】を1消費し、「難易度:NORMAL」で判定。
 成功した時、スリケン投擲または弓による遠隔攻撃にのみ有効な『連射+1』を得る(サイバネによる『連射+X』とは重複しない)。またこの状態のスリケン投擲/ユミ射撃は通常のダメージに加え『精神力ダメージ1』を与える。
 このジツの効果は戦闘終了まで持続する。オヒガンの影響の強い場所で使用した場合、マップにいる間だけ効果が持続する。


★アクム・エンハンス』:
 『素手』装備時または『近接武器』装備時にのみ使用可能。手番開始時に【精神力】を1消費し、「難易度:NORMAL」で判定。
 成功すると、使用者の腕や武器が禍々しいオーラに包まれる。使用者の『近接攻撃ダイス』が+1され、さらに通常のダメージに加え【精神力】ダメージ1を与える。
 このジツの効果は戦闘終了まで持続する。オヒガンの影響の強い場所で使用した場合、マップにいる間だけ効果が持続する。


★アクム・ウェポン生成
 『素手』装備時にのみ使用可能。手番開始時に【精神力】を1消費し、「難易度:HARD」で判定。
 成功すると、使用者の思い描く凶悪武器が出現する。以下の中からいずれか一種を選択すること:

・ノダチ
・ヤリ
・ムチ

 この状態の各『近接攻撃』は、『近接攻撃ダイス』が+1され、さらに通常のダメージに加えて『精神ダイスダメージ1』を与える。またアクム・ウェポン発動時も『戦闘スタイル:ムソウ』は使用可能であり、加えて対応するドーを持つならば、各種戦闘スタイルが使用可能となる。
 このジツの効果は戦闘終了まで持続する。オヒガンの影響の強い場所で使用した場合、マップにいる間だけ効果が持続する。

★コチョウ・ジツ
 鳥やバタフライの幻覚を射出し、敵のニューロンを苛む。自身の手番で【精神力】を1消費し、射撃の代わりに発動可能(難易度NORMAL)。
 成功した場合、カラテミサイルLv2と同じ性質を持つ特殊な『遠隔武器』を発射する。ただし与えるダメージは『精神力ダメージ1』となり、『時間差』を持つ(一体の敵に三発発射した場合でも「まとめて回避」が不可となる」)
 術者の【ジツ】値が5以上のとき、【精神力】を1ではなく3消費して発動可能。このとき『精神力ダメージ』が1ではなく2となる。


★★グレーター・ユメミセル・ジツ
自分の手番で射撃の代わりに使用を試みられる。【精神力】を2使用し、難易度:HARDで判定する。
 成功すると視線の通っている20マス以内の地点へと攻撃的幻覚を展開し、『爆発3×3』を生み出す。この『爆発』の強さや回避難易度は『カトン・ジツ』のLV3と同様だが、例外として中心点の精神ダメージは2D2、回避ダイスダメージは4となる(回避難易度HARD)。また効果範囲内にいる味方にもダメージを与えてしまう。

★★ユメ・ワタリ
 コトダマ空間を経由し、ワープめいて移動を行う。その出現の余波はイクサにも無視できぬ影響を及ぼすだろう。
 1ターンにつき1回までの使用。自身の手番の移動フェイズで精神力2を消費して使用可能(難易度HARD)。
 成功した場合、現在の地点から12マス以内の任意のマスへと直ちに瞬間移動できる(ナナメに数えてよく、障害物や敵や壁も超えられるが、『攻撃集中』はできない)。また移動後、自分に隣接する敵に回避不能の回避ダイスダメージ1を与える。この瞬間移動で「移動フェイズ」は終了する。このジツでジャンプした直後の「攻撃フェイズ」で敵に対して『近接攻撃』を行う場合、敵の不意を突けるため、攻撃難易度が-1される。

★★マサユメ・ジツ
 自らが思い描く強大な姿を自身に投影し、そのカラテを一時自らの理想に近づける。
 自らの手番に【精神力】2を消費し発動を宣言できる(難易度:HARD)。
 発動に成功した場合、以下の効果を得る。

・『ダメージ低減1』を得る
・「素手」状態の基本ダメージが2、さらに『精神力ダメージ1』を与えるようになる(これはアクム・エンハンスと重複する)
・『拘束』を得る。またこの『拘束』時は通常のダメージに加え『精神力ダメージ1』を与える。
・カウンターカラテのダメージに『精神力ダメージ1』が追加される。

 このジツの効果を維持したい場合、術者は以降の各手番開始時に【精神力】を1消費すること。維持しない場合、直ちに全ての効果が失われる。


★★★コトダマ・エンクロート(未熟)』:

 自らのローカルコトダマ空間を現実へと照射、展開。自身のカラテとジツを極限まで理想に近づける荒技。祖たるアリス・ニンジャは、このジツによって世界の塗り替えを狙っているのだという。
 手番開始時に使用可能。精神力4と回避ダイス4を消費して発動判定(難易度U-HARD)。
 発動に成功した場合、自分を中心とする7×7マスを『ローカルコトダマランド』として再定義する。この『ローカルコトダマランド』内のみ、術者は以下の効果を得る。

・『戦闘スタイル:ムソウ』選択時のみ連続攻撃+1
・ジツ発動時の精神力消費が-1(最低0)される。『★ユメミセル・マスタリー』習得時、精神力を消費せず『ユメミセル・ジツLv2』の二連続発動が可能となり、精神力を1消費して三連続発動が可能(発動判定は都度必要となる)
・『☆ユメミセル・ジツLv3』を手番開始時に発動可能(判定不要)
・術者の使用するあらゆるジツの回避難易度が+1される

 このジツの効果を維持したい場合、術者は以降の各手番開始時に【精神力】を2消費すること。維持しない場合、『ローカルコトダマランド』は消失し、直ちに全ての効果が失われる。


◇アリス・ニンジャクラン専用のスキル◇


◉ムユウ・ステップ』:取得前提【ニューロン】5以上
 ローカルコトダマ空間と現実とを重ね合わせることによって可能となる歩法。側からは寝ぼけて歩いているようにしか見えないかもしれない。

 移動フェイズ開始時に使用を宣言可能。この手番の移動フェイズ中、【ニューロン】/2(端数切り上げ)マス分移動が可能となる。またこのとき、敵や障害物のいるマスを通過して移動可能。


◉思故我有』:取得前提【ニューロン】10以上+【ジツ】5以上
 コトダマより己の存在を俯瞰・認識し、自らの存在をより強固なものとする。

 このスキルを取得したニンジャは【体力】に【ニューロン】値/2(端数切上げ)を加算する。


◉ヒサツ・ワザ:デイドリーム・スマイト』:取得前提【ワザマエ】10以上+『★戦闘スタイル強化:ムソウ』
 カラテを通し敵のニューロンへ直接幻覚を照射し焼き切って殺す非道なる処刑技。

 『戦闘スタイル:ムソウ』選択時、6の出目が3つ以上あった場合、サツバツの代わりに使用を宣言可能。使用する場合、【精神力】を2消費してジツ発動判定を行うこと(難易度HARD)。

 成功した場合、敵はこのヒサツ・ワザを回避するかどうかを決められる(回避難易度U-HARD)。回避されなかった場合、敵はカラテストレートやカタナ突き刺しによる1ダメージ(固定)を受けた後、幻覚照射による精神力ダメージ3D3を受ける。

 このヒサツ・ワザを受けて生き残っていた場合、相手に【ニューロン】判定(難易度U-HARD)を行わせること。この判定に失敗した場合、次手番の自発的行動の難易度が+1され、さらに『攻撃集中』が不可能となる。


◇謁見:アリス・ニンジャクランの余暇◇

 クランの祖たるアリス・ニンジャは健在である。彼女は今、コトダマランドに隠居し悠々自適に暮らしている。そして優れた第三の目を持つ彼女は、当然のようにクランの者たちを捉えている。
 ……つまり、暇つぶしに夢を通じてお前の元を訪れることだってあるということだ。


 アリス・ニンジャクランのソウル憑依者が余暇を得たとき、その1日を必ず『アリス・ニンジャとの謁見』に費やさなければならない。直々に現れた彼女は気まぐれにお前の成長を促してくれるだろう。

 『アリス・ニンジャとの謁見』において、ソウル憑依者は以下から一つ選択することができる。


1. アリス・ニンジャの園遊に付き合う

「私の国、あなたの第二の故郷。案内してあげるわ。しっかりついてきてね!」

 お前は彼女とともにコトダマランドを散策するよう命じられる。主人たるアリス・ニンジャにこの世界の住人が牙を剥くことはない……が、ここはアリス・ニンジャの庭である。気を抜くと彼女を見失い、途方に暮れることになるだろう。

 1d6を振って判定し、現在の【ワザマエ】値より上の出目が出せたら【ワザマエ】値を上昇させることができる。ただし、結果問わず【浸食】値が1上昇する(【浸食】値については後ほど説明する)。

 【ワザマエ】値が6の場合、ダイスを2つ振って判定。成長の壁を突破できる。ただし成長の壁突破後は判定の結果問わず【浸食】値の上昇が2となる。成長の壁2を突破する場合(12→13)、およびそれ以降の成長は判定の結果問わず【浸食】値の上昇が3となる。


2.お茶会に参加する

「せっかくの機会だもの。お友達を増やしましょう。飲んで、食べて、楽しくお喋りしましょう?」

 アリス・ニンジャが執り行うお茶会へ参加する。コトダマランドの奇妙な住人たちの奇妙な会話に晒されつつヘイキンテキを保つのも、一種のザゼンと言えるだろう。

 1d6を振って判定し、現在の【ニューロン】値より上の出目が出せたら【ニューロン】値を上昇させることができる。ただし、結果問わず【浸食】値が1上昇する。成長の壁を突破し、12まで能力値をあげる場合はダイスを2つ振って判定。結果問わず【浸食】値の上昇値が2となる。成長の壁2を突破する場合(12→13)、およびそれ以降の成長は判定の結果問わず【浸食】値の上昇が3となる。


3.ジツの研鑽に励む

「あなたはマジメな子なのね。いいわ! 私が教えてあげる!」

 開祖たる存在に、お前はジツの指導を頼むことができる。アリス・ニンジャは快くこれを承諾するだろう。

 1d6を振り、出目4以上が出たら【ジツ】値を1上昇させることができる。失敗した場合、次ミッション開始時の【精神力】が-1。結果に関わらず【浸食】値が2上昇する。

 【ジツ】値を4以上に成長させることも可能。その場合、1d6判定の成功難易度がHARD【出目5以上】となり、【浸食】値の上昇が4、失敗時の【精神力】減少が2となるこの選択肢による【ジツ】の成長限界は6となる

 例外としてプレイヤーがアーチ級ソウル憑依者の場合、7まで上昇させることができる。その場合1d6判定時の成功難易度がU-HARD(目標出目6)、【浸食】値の上昇値は6となり、結果問わず【カラテ】を1失う。

 なお、ジツの鍛錬に失敗した場合、どの段階においても次回の実弾練時の出目が+1される。これは鍛錬成功まで累積し、最終的には必ず成功するだろう。ただし、一度成功したら累積出目ボーナスはリセットされる。


4.コーディネートを受ける

「あなた、その格好は窮屈じゃない? あたしに任せて! 素敵な姿にしてあげる!」

 この選択肢を選んだとき、お前は好きな『異形』を1つ獲得することができる(『異形』の説明は後述する)目覚めたときには身体のどこかが変質しているというわけだ。【万札】の支払いは発生しないものの、急激な身体の変化により次シナリオ開始時の【体力】が-1される。


5. 芸を披露する

「えっ、お金が足りない? うーん、うーん……よくわからないけど、私を楽しませてくれたら助けてあげるわ!」

 現実でカネが足りなくなった時も、必死に頼めばアリス・ニンジャは多少君の手助けをしてくれる。【ニューロン】と【ワザマエ】を足した値から2d6を引いた分の【万札】(最低値は1)、および【浸食】値1を獲得する。朝起きたとき、お前の枕元にはいくらかのカネが置いてあるだろう。無駄遣いしないように。

6.奥ゆかしく辞退する

「…………そう、残念。そんなに畏まらなくたっていいのに。次は遊びましょうね?」

 あまりにも恐れ多い。お前が奥ゆかしさを見せれば、アリス・ニンジャは不満げながらも帰っていくだろう。【浸食】値が1減少する。

 ……ただし3回連続で断った場合、彼女の怒りを招く。そうなった場合、『謁見』の代わりに『悪夢』を余暇の1日に費やす必要がある。『悪夢』を見たお前は次シナリオ開始時の【体力】と【精神力】が1減少してしまう。


◇特殊ルール:【浸食】値と異形◇

 アリス・ニンジャの気まぐれにより、アリス・ニンジャクランは己のニューロンやジツを(他のニンジャクランと比較して)手軽に鍛えることができる。が、目敏いお前たちは余暇ルールで突如ポップした【浸食】という言葉を見逃さなかったはずだ。

 アリス・ニンジャとの接触は夢を通じて彼女のローカルコトダマ空間……すなわちコトダマランドで行われる。そこに突如として放り込まれたお前は、強大なアリス・ニンジャのソウル影響力により、知らずのうちにコトダマランドに適した形へとその精神と肉体を作り替えられてしまうのだ。【浸食】値はその度合いを示したものである。

 【浸食】値が5溜まった時点で、お前は強制的に『異形』を1個獲得する。これはサイバネやバイオサイバネに相当するものだ。サイバネまたはバイオサイバネを装着していたアリス・ニンジャクランの【浸食】値が5になった場合、そのサイバネ・バイオサイバネが強制的に『異形』に置換される。

 『異形』獲得と引き換えに【浸食】値はいったん0に戻る。しかしアリス・ニンジャの謁見がある以上、なにも考えなければお前の肉体はどんどんと異形に変貌していくだろう。付き合い方を調整し、異形を避けるか……あるいは「毒でも最後まで食べる」の精神で変質を受け入れるか。それはお前次第だ。

 異形の部位・詳細については次項で紹介する。


◇異形:腕◇

 バイオサイバネ腕、またはテッコを装着している場合、この異形に置き換えられる。■の少ないものから取得を行うこと。

■異形腕(軽度)
【カラテ】判定時ダイス+1個、【体力】+1

 獣めいて爪が鋭くなる、肥大化するなど。まだ生活には困らない。

■■異形腕(重度)
 【カラテ】判定時ダイス+2個、【体力】+2、『連続攻撃+1』

 変質が両腕にまで及んできた。意外となんとかなっている。

■■■異形多腕
 【カラテ】判定時ダイス+3、【体力】+3、『連続攻撃+1』『遠隔攻撃ダイス+2』、『各種近接武器による射撃ペナルティなし』、『連続側転ペナルティなし』『多腕の拘束』

 ついに腕が増えた。あるいは触手が生えてきた。逆に便利になった気がする。

 また、異形:腕の■個数と同数分、以下の異形を獲得することができる。

□サイケデリック毒
 素手での攻撃時、出目6があったら『精神力ダメージ1』を追加。腕の色が派手になるが、まあ大した問題ではない。

□伸縮自在
 『近接攻撃リーチ+1』を得る。見た目よりも長く伸びるぞ。

□□伸縮自在+
 『近接攻撃リーチ+1』、【体力】+1。見た目よりもっと長く伸びるぞ。

□□肉体破壊(異形)
 「素手」での攻撃時、『肉体破壊』を得る。奇抜な形状はおしゃれなだけではない。


◇異形:頭部◇

 バイオサイバネヘッド、サイバネアイ、生体LAN端子を保有している場合、この異形と置換される。■の少ないものから取得を行うこと。

■異形頭部(軽度)
 【ニューロン】判定時ダイス+1、『遠隔攻撃ダイス+1』

 耳が尖る、瞳孔が爬虫類めいて縦に裂ける.などなど。まだ人の形を保っている。

■■異形頭部(重度)
 【ニューロン】判定時ダイス+2、【ワザマエ】判定時ダイス+2、『遠隔攻撃ダイス+1』

 ついに頭部が獣のそれに、あるいは形容し難い形に変貌した。物の見え方が変わった。

また、異形:頭の■個数と同数分、以下の異形を追加することができる。

□複眼
 この異形は『□単眼』を所持している場合選択できない。『遠隔攻撃ダイス+1』【ワザマエ】判定時ダイス+1。額に第三の目が開くか、小さな目がそこかしこに開くか。あるいは昆虫めいた目になるか。物の見方が変わるのは間違いない。

□単眼
 この異形は『□複眼』を所持している場合選択できない。『遠隔攻撃ダイス+2』。巨大な一つ目になる。より遠くが見通せるようになった。

□角
 
『近接攻撃ダイス+1』【ニューロン】判定+1。文字どおり。ただ、なにかコトダマランドからのニューロン波を受信できる気がする……

□可動髪
 『全方位攻撃』習得。【ワザマエ】で判定(難易度NORMAL)し、使用に成功すると自分を中心とする爆発(3×3)範囲にいるものすべて(敵味方問わず)に1ダメージ。これは射撃でも近接攻撃でもない。回避難易度はHARD。『□毒袋/火炎袋』『□発電器官』の属性ダメージを上乗せ可。『●タツジン:ムソウ』取得時はダイスを分割して連続発動が可能。髪が硬質化、あるいは触手可し自在に動かせるようになった。手が空いていないときに便利。

□□ブレス器官
 『ブレス攻撃』が行えるようになる。【ワザマエ】で判定(難易度NORMAL)し、使用に成功すると「カトン・ジツLV1」と同じ範囲にいる者すべて(敵味方問わず)に【ジツ】値/2(端数切捨)ダメージ。これは射撃でも近接攻撃でもない。回避難易度はHARD。『□毒袋/火炎袋』『□□発電器官』の属性ダメージを上乗せ可。ガオー!

◇異形:脚部◇

 ヒキャク、もしくはバイオサイバネ脚を装着していた場合、この異形に置き換えられる。■の少ないものから取得を行うこと。

■異形脚(軽度)
 【脚力】+1、『近接攻撃ダイス+1』

 蹄が生える、獣の脚めいて肉球ができる、昆虫めいた脚になるなど。足元を見られないように気をつけろ。

■■■異形多脚
 【脚力】+4、【体力】+2、『近接攻撃ダイス+2』、『連続側転不可』、『●突撃』『ダッシュ移動』習得

 下半身が獣や昆虫、甲殻類のそれと置き換わり、四足になったりそれより脚が多くなったりする。部屋探しが少し面倒だ。

 また、異形:脚部の■個数と同数分、以下の異形を追加することができる。

□尻尾
 【体力】+1、『近接攻撃ダイス+1』。自分の意思で動かせる長い尻尾。意外と便利。

□生体スパイク
 
【脚力】+1、『近接攻撃ダイス+1』。『滑空攻撃(前提:『□翼』取得)』地面を踏み締めやすくなる微小な爪。壁も登れるかもしれない。

□□攻撃器官
 『近接攻撃ダイス+2』。尻尾の先や変質した脚部に、獣めいた頭部などが出現する。ちゃんと手綱を握ろう。

◇異形:胴体◇

 クロームハート、バイオサイバネ胴体を装着していた場合、この異形と置換される。■の少ないものから取得を行うこと。

■異形(生体)
 【体力】+2

 毛皮や鱗が部分的に生えてくる。バイオサイバネ胴体を装着していた場合、こちらの異形に置換される。

■異形(硬質)
 【体力】+1、『回避ダイス』+1

 樹皮や鉱物めいた質感・強度の肌を得る。クロームハート系のサイバネを装着していた場合、こちらの異形に置換される。

■■重度異形(生体)
 【体力】+4、『近接攻撃ダイス+1』

 毛皮や鱗が全身を覆う。心なし身体が軽くなった気がする。

■■重度異形(硬質)
 【体力】+3、【精神力】+1、『回避ダイス+1』

 もはや全身が硬質化した肌に覆われた。心なし物事の感じ方が変わったような気がする。

 また、異形:胴体の■個数と同数分、以下の異形を追加することができる。

□翼
 『連続側転』の代わりに『飛空移動』ができるようになる。鳥、コウモリ、あるいは昆虫めいた透明な翅。そうしたものをアクセサリーと思うか空に至るための道具と思うかはお前次第。

□毒袋/火炎袋
 どちらか片方のみ取得可。「素手」「ブレス攻撃」「全方位攻撃」の攻撃時に『毒/火ダメージ+1』を追加。毒や炎を溜め込み、皮膚などから分泌するぞ。体色が変わるのはオシャレと思おう。

□□発電器官

 「素手」「ブレス攻撃」「全方位攻撃」の攻撃時に『電磁ショック1』を追加。触るとびりびりするようになる。

◇異形獲得による狂気◇

 浸食が進むほど、お前の身体は異形と化していく。それだけならまだいいが、その身体はあくまでコトダマランドに適したものと考えるべきだ……つまり、現実で生きるにはやや負担が大きい。

 お前は異形の■および□の総数によって以下のデメリットを得る。

異形総数/【体力】への負荷/その他のペナルティ
0/0/
1/0/
2/0/
3/0/
4/【体力】-2
5/【体力】-2/1個目の『狂気』獲得
6/【体力】-3
7/【体力】-3/2個目の『狂気』獲得
8/【体力】-4
9/【体力】-4/3個目の『狂気』獲得
10/【体力】-5/
11/【体力】-5/4個目の『狂気』獲得
12/【体力】-6/
13/【体力】-6/5個目の『狂気』獲得
14/【体力】-7/
15/【体力】-7/6個目の『狂気』獲得
16/【体力】-8/
17/【体力】-8/7個目の『狂気』獲得
18以上/【体力】-9/8個目の『狂気』獲得、および『コトダマランド』以外の場所で毎ターン【精神力】-1

 異形の肉体は、ネオサイタマの汚染された空気や重金属酸性雨にどんどんと耐性を失っていく。最終的には留まるだけでも精神を削るようになっていくだろう。得られる異形には限界がないが、変質しすぎればもはやイクサどころではあるまい。

 異形によって獲得してしまう狂気は以下でまとめる。獲得のたびに1d6で判定すること。

◇異形由来の狂気詳細◇

出目1:異常楽観
 なんの根拠もなく「なんとかなる」と思い込み、危機的状況に対して回避行動を行わなくなる。
軽度:攻撃・トラップに対する【回避】自動成功に必要な【精神力】が2になる。
中度:攻撃・トラップに対する【回避】自動成功に必要な【精神力】が4になる。
重度:攻撃・トラップに対する【回避】自動成功が不可能になる。
出目2:銃火器アレルギー
 拳銃、小銃を過剰なまでに怖がるようになる。
軽度:拳銃、小銃、重火器の所持ができなくなる
中度:拳銃、小銃、重火器の所持ができなくなり、拳銃、小銃、重火器による攻撃を受けたとき【精神力】ダメージ1を追加で受ける。
重度:拳銃、小銃、重火器の所持ができなくなり、拳銃、小銃、重火器による攻撃を受けたとき【体力】ダメージ1と【精神力】ダメージ2を追加で受ける。
出目3:機械嫌悪
 UNIX、サイバネティクス、ロボニンジャ……現代ではもはや当然となった存在に言いようのない嫌悪感と苦手意識を覚える。
軽度:『●浮世離れ』を習得する
中度:『●浮世離れ』を習得し、敵に重サイバネ者や機械がいた場合優先的に攻撃する。
重度:『●浮世離れ』を習得し、敵に重サイバネ者や機械がいた場合優先的に攻撃する。その際『近接攻撃ダイス』が-4、『回避ダイス』が+2される
出目4:コミュニケーション不全
 身体だけでなく精神までも異形に近づき、人間との会話に支障をきたすようになる。
軽度:『交渉』の難易度が+1される
中度:『交渉』の難易度が+2される
重度:モータルとの『交渉』が不可能になり、ニンジャとの『交渉』の難易度が+2される
出目5:幻覚
 アリス・ニンジャの幻影、あるいはイマジナリー・フレンドが身近に出現し、集中力の欠如を招く。
軽度:手番開始時に1d6を振り、出目が2以下のとき『近接攻撃』『遠隔攻撃』の成功難易度が+1される。
中度:手番開始時に1d6を振り、出目が2以下のとき『近接攻撃』『遠隔攻撃』の成功難易度が+2される。
重度:手番開始時に1d6を振り、出目が2以下のときそのターン行動ができなくなる。
出目6:自我混濁
 自らのローカルコトダマ空間、コトダマランド、現実。それぞれの区別がつかなくなり、ぼんやりしてしまう。
軽度:このニンジャは【カラテ】-1の永続ペナルティを受ける。
中度:このニンジャは【カラテ】-2の永続ペナルティを受ける。
重度:このニンジャは【カラテ】-4の永続ペナルティを受ける。


◇オプション:アリス・ニンジャからの自立◇

 アリス・ニンジャの支援はたしかに魅惑的で強力だ。しかし接触を重ねるうちに異形に侵されていく……そんなものはゴメンだ。そう考えるニンジャもいるだろう。

 【カラテ】の成長の壁1を突破したニンジャは、余暇1日と【万札】10を使用して『アリス・ニンジャからの自立』を試みることができる。鍛え上げたカラテ、即ちエゴによって始祖からの呼びかけから脱却するというわけだ。1d6を振り、出目6となった場合、このニンジャはアリス・ニンジャの支配下から脱することができる。失敗した場合でも次回以降の出目が+1、+2……と累積され、いつかは成功するだろう。

 アリス・ニンジャから自立したニンジャは【浸食】値および獲得した異形、そして異形由来の狂気がリセットされる。しかしその代償として、二度とアリス・ニンジャへの謁見ができなくなる(悪夢も発生しない)。アリスの庇護を受けて手軽に強くなるか、それとも敢えて自分の手でカラテを鍛えることを望むか。それはお前次第だ。


【改訂記録】

◇アリス・ニンジャクランのサマリー(ver.1)

【ジツ】値: 「素手」時の近接攻撃ダイスと回避ダイス:獲得スキル・ジツ
1:近接攻撃+0、回避+0、『⭐︎ユメミセル・ジツ』
2:近接攻撃+0、回避+1、『●戦闘スタイル:ムソウ』
3:近接攻撃+1、回避+1、専用リストから●を1個獲得
4:近接攻撃+1、回避+2、専用リストから●を1個獲得、または⭐︎1個
5:近接攻撃+2、回避+2、専用リストから●を1個、または⭐︎1個
6:近接攻撃+2、回避+3、専用リストから●、⭐︎、●●、⭐︎⭐︎のどれかを1個
7:近接攻撃+3、回避+3、アーチ級ルールに沿って『★★★』を獲得
8:近接攻撃+3、回避+4、アーチ級ルールに沿って『★★★』を獲得
9:近接攻撃+4、回避+4、アーチ級ルールに沿って『★★★』を2個獲得


専用リスト:
『●不屈の精神』
『●銃弾の見切り』
『●邪悪なサディスト』
『●タツジン:ユミ・ドー』:取得前提【ジツ】値4以上
『●タツジン:ムソウ』;取得前提【ジツ】値4以上
 【ニューロン】値が7以上の場合『戦闘スタイル:ムソウ』選択時のみ『●連続攻撃2』が、
 【ニューロン】値が13以上の場合『戦闘スタイル:ムソウ』選択時のみ『●連続攻撃3』が可能となる。
 また『戦闘スタイル:ムソウ】選択時も『サツバツ!』が発生する。
『●ウサギ・リープショット』:取得前提【ジツ】値4以上+『●タツジン:ユミ・ドー』習得済み
『●翻弄』:取得前提【ジツ】値5以上
『●痛覚遮断』:取得前提【ジツ】値5以上
『●●思故我有』:取得前提【ジツ】値6以上


『⭐︎ユメミセル・マスタリー』:取得前提【ジツ】値4以上
 手番の攻撃フェイズで、攻撃の代わりに「⭐︎ユメミセル・ジツLV2』を
 【精神力】消費なしで発動可能になる(判定不要)
『⭐︎アクム・エンハンス/アクム・ウェポン』:取得前提【ジツ】値4以上
 手番開始時に【精神力】を1消費し、「難易度:NORMAL」で判定。
 成功すると、使用者の腕が禍々しいオーラに包まれる。あるいは使用者の思い描く凶悪武器が出現する。
 使用者が『素手』で繰り出した攻撃に【精神力】ダメージ1が追加。
 さらに『近接攻撃』時のダイスが+2される
『⭐︎アクム・スリケン/アクム・アロー生成』;取得前提【ジツ】値4以上、
 手番開始時に【精神力】を1消費し、「難易度:NORMAL」で判定。
 成功した時、スリケン投擲または弓による遠隔攻撃に【精神力】ダメージ1と『連射+1』が追加。
『⭐︎⭐︎ユメ・ワタリ』::取得前提【ジツ】値6以上
 自分の手番の「移動フェイズ」で通常移動の代わりに使用。
 【精神力】を1消費し、【難易度:HARD】で判定。
 成功した時、【脚力】を使用することなく現在地から12マス以内の任意のマスへ直ちに瞬間移動する。
 瞬間移動直後の『近接攻撃』は攻撃難易度が−1される。
『⭐︎⭐︎ユメミル・ジツ』:取得前提【ジツ】値6以上
 自らが思い描く強大な姿を自身に投影し、そのカラテを一時自らの理想に近づける。
 自らの手番に【精神力】2を消費し発動を宣言できる【難易度:HARD】
 発動に成功した場合、【ジツ】値のターンだけ『ダメージ軽減1』と『近接攻撃+3』を得る。
 【精神力】が0になった場合、この効果は直ちに終了する。

 

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