忍殺TRPGソロリプレイ【プリペア・トゥ・ハング・ゼム・ウィズ・ロープ】後編

◇前置き◇

 ドーモ。しかなです。当記事はしかながニンジャスレイヤーTRPGを遊んだ結果を元に作成したテキストカラテ……いわゆるリプレイとなります。気楽に読めるよ。

 そして続き物です。前回までのお話はここから読める。

 非合法スラッガーのアンドレをはじめギャング数名を血祭りにあげたグレアリング・オロチのニュービーたち。本題の取引に挑むところから再開だ。

 ではやってみよう。よろしくおねがいします。



◇交渉タイム◇

画像1

 ヨコハマ・ロープウェイ・クランにとっては幸いなことに、殺戮は続かなかった。スミスのドゲザ謝罪をニンジャたちが受け入れたためである。

 そして彼女らは倉庫ビル内の事務所へと案内され、震えるスミスとともに豪華なソファへと腰掛けて交渉に臨もうとしているわけなのだ。

「ンッフフ……そう震えないでください、スミス=サン。これ以上危害を加えるつもりはありません。今のところはね」

「アイエッ……」

「先に申し上げましたとおり、我々の目的はメン・タイの取引です。ブラッドカタナ・ヤクザクランは消滅しました。信じていただけますね?」

「アッハイ! スミマセン!」

 テーブルに頭をぶつけんばかりのオジギ! 彼は既に思い知らされている。柔和な笑みを浮かべて対面に座るこのオーエルめいた女が、気まぐれに自分の首を刎ねることができるカラテの持ち主であるということに。

 ……大方、狙いどおり。スムーストーンはほくそ笑んだ。ギャップの問題だ。侮っていた相手に圧倒されたときの精神的衝撃は計り知れない。精神的優位を保つことも容易となる。

「さて、今後ヨコハマ・ロープウェイ・クランはソウカイヤよりメン・タイを仕入れる。これは確定事項と思っておりますが、認識相違ありませんか?」

「アッハイ! スミマセン!」

「ヨロシイ。では仕切り値の交渉と参りましょう。そうですね」

 スムーストーンは笑みを浮かべる。その口の端からサメめいて尖った歯が覗いた。

選択肢3:横浜御縄談合にソウカイヤへの忠誠を誓わせたうえ、メン・タイを2倍値で買わせる(クランが崩壊しなかった場合、PCたちはこのシナリオ終了時にピンハネにより【万札】40を獲得できる):基本難易度:U-HARD

「……この程度で見積もらせていただきますが、如何でしょう?」

「アッハイ……エッ!?」

 差し出された契約書を覗き込んだスミスが目を剥く。横からプレッシャーをかけていたブレイクダウナーやサイバンブーも書面を見やり、一瞬だけ驚愕の視線をスムーストーンへと向けた。動じていないのは厳しい表情を保つカテドラルのみだ。

 もっとも、これはカテドラルがスムーストーンより事前に依頼された演技を行っているにすぎない。本来の彼女は温厚であり柔和。故にプレッシャーを与えるため、敢えて無表情を保っているのだ。彼女はメン・タイの相場を知らないため、問題なく演技を続行できる。

 読者の皆さまは如何だろうか? メン・タイを巡り、ギャングスタやヤクザと取引をした経験はあるだろうか? そうした経験のない読者へ説明を付け加えさせていただこう……スムーストーンの提案した仕切り値は暴力的ですらある。相場の二倍なのだ!

 スムーストーンは状況判断している。メン・タイ交渉を成功させるのが最低目標。だが、相場どおりにメン・タイを卸して自分たちに利益が還元されるか? 否だ。であれば絞り取るのみ。カラテで恐怖を刻み込んだ相手であれば、この要求を飲ませることは難しくない……!

「どうされましたか、スミス=サン? 同意、していただけますね?」

「アイエッ……アッ……そ、その……」

「なにか?」

「……こ、この仕切り値は少しばかり……なんというか……!」

 視線を泳がせながらもスミスは抗弁の姿勢。スムーストーンは心中でわずかに感心した。見た目よりも骨のある男であったらしい。

 であれば、少し手管を加える必要があろう。スムーストーンは身を乗り出す。彼女のバストは豊満であった。

「ンッフフ……先のシツレイを踏まえ、私がわざと高値をつけている。そのようにお考えで?」

「そ、そんなことは! 決して! ただその……この仕切り値じゃウチが干上がっちまうんです! わかってくださいよ!」

「そうですね。メン・タイ単体の相場としては些か高めかもしれません。ですがね、スミス=サン。ソウカイヤはそのメン・タイに付加価値をつけることができます」

「……ワッザ?」

「つまり、我々です。スミス=サン」

 スムーストーンは愛想のいい笑みを浮かべ、自らを指差した。そして周囲を囲む仲間のニンジャたちを。

「ソウカイヤは多くのニンジャを保有しています。……ここだけの話、ブラッドカタナ・ヤクザクランが雇っていたのもニンジャでした。そのブラッドカタナが消滅したのはなぜか? ソウカイヤが質の高いニンジャを多く抱えているからです。事実、ブラッドカタナを叩き潰したのも我々の上司にあたるニンジャなのですよ」

「そいつは……いえ、疑いません! だけど、今回の取引とどう繋がるんで?」

「我々からメン・タイを仕入れるということは即ち、ソウカイヤの抱えるニンジャの恩恵を受けられるということです。ニンジャの力は、先のデモンストレーションで充分ご理解いただけたかと思います」

 スミスの額に汗が滲む。大きく見開かれた目には困惑とわずかばかりの興味が混ざり合う。食いついた。スムーストーンは口の端を吊り上げる。

「我々との取引により、メン・タイだけでなくニンジャの後ろ盾がつくというわけです。つまり有事を見据えた保険。もしこのヨコハマ・ロープウェイ・クランが他のギャング・ヤクザクランと抗争することになったとき、我々が力を貸す……そう考えれば如何でしょう? むしろ良心的な値段なのでは?」

(……本当によく喋るな、お前)(黙っててブレイクダウナー=サン。今が大事なんだよ)

 スミスは大きく深呼吸し、机の上で握り締めた己の両手をじっと見つめる。スムーストーンは急かすことなく、笑顔で待ち続けた。そして。

スムーストーン:【精神力】判定
『○言いくるめ』により難易度-1しHARD
(6,6,6,6) まさかのヒサツ 成功!

「……わかりました! そういうことなら、この仕切り値で構いません!」

「ボス……!」

 一応の護衛としてついていたギャングが目を丸くする。スミスは鋭い一瞥で彼を黙らせると、慎重にハンコを取り出し……押印! ゴウランガ! おお、ゴウランガ!

「これからよろしくお願いしますぜ、スムーストーン=サン……いやさ、センセイ!」

「ンッフフ! 良い判断ですよスミス=サン。こちらこそヨロシクお願いします」

 スムーストーンとスミスは立ち上がり、握手を交わす。誰かがこっそりと息を吐いた。これにてミッションは完了……

KABOOOOOM!

 そのときだ! 事務所の外から爆発音! ブレイクダウナーが反射的に立ち上がる!

「あァ? なんだ、他のギャングクランの連中か?」

「ワッザ!?」「マッポ!?」

「直ちに抵抗やめなさい!」「やめないか!」

「49課の連中だ!」

 外の喧騒にニンジャたちは顔を見合わせる。カテドラルが厳しい表情のまま……律儀に演技を続けているのだ……ニンジャ聴力でしか聞き取れない声で呟いた。

(あの、49課とは?)

(NSPDの中でも特に……なんだ、素行の悪い連中。放っておいたら外の連中皆殺しにされるんじゃない?)

「成る程! 早速我々の力が必要なときが来たようですね!」

 他人事のように答えたサイバンブーをひと睨みし、スムーストーンは声を張り上げた。彼女は硬直していたスミスへ笑みを向ける。

「スミス=サンはここでごゆるりと。我々が片付けます。……いいね!」

「要は皆殺しだろ? シンプルでいい。先に行くぜ……イヤーッ!」

 真っ先に呼応したブレイクダウナーが弓を取り出し外へ! 他の面々もそれぞれにイクサの準備を整えていく!


◇戦闘:1ターン目◇

画像2

 倉庫内は硝煙に包まれていた。幸運なことに生き残りギャングには欠員なし。水路側扉を破壊して突入してきたマッポたちへの咄嗟の警戒が身を助けたか。

「いいか! クズどもは全員射殺! スガモ重犯罪刑務所は満員だ! 投降なんぞ受け入れるな! わかってるな!」

「「「ハイヨロコンデー!」」」

◆NSPD49課フォールン・デッカー 「ノリベ」 (種別:モータル/重サイバネ/デッカー) 「ノ」
カラテ		4	体力		6
ニューロン    	4	精神力		4
ワザマエ		6	脚力		3
ジツ		ー	万札		5
							
◇装備や特記事項
 ▶︎▶︎テッコ+:【カラテ】判定時にダイス+2個、回避ダイス+2個、【ワザマエ】判定時にダイス+1個
 ▶︎生体LAN端子:【ニューロン】を使った判定時にダイス+2個
 ▷回避パターン解析プログラム:デッカーガンの射撃に『回避パターン解析プログラム』をもたらす。
 ▶︎▶︎サイバネアイ+:あらゆる【ワザマエ】判定時にダイス+3個、
        遠隔攻撃ダイス+1個(左の効果と合わせて+4個)、回避ダイス+1個
 LAN直結型デッカーガン"イヌイ-MK2":遠隔武器、拳銃、連射2、時間差、マルチターゲット、ダメージ2
 フラッシュ・グレネード:プラグイン参照

戦闘ルールの補足:
 ノリベは『ボス級の敵』なので、PCニンジャの攻撃やヤクザからの銃撃に対しても『回避判定』を行える。
 各ターンの回避ダイス合計数は6+2+1で9個だが、ノリベはモータルなので基本難易度がHARDである。
 また射撃時は、合計11個のダイスを使い2連射(6個と5個で判定)を行い、それぞれのダメージは2である。
 別々の2体のターゲットに対して射撃した場合でも、以下の『回避パターン解析』ルールを使用できる。

『回避パターン解析』:このルールを持つ『遠隔武器』で射撃したターゲットに対しては、
 それが命中したか回避されたかに関係なく、次の手番から難易度−1で射撃を行える。
 この効果は、ターゲットへの射撃を途絶えさせない限り続く。
 射撃に使う遠隔武器を変えるのは構わないが、別のターゲットに対して射撃した場合、
 あるいは解析中のターゲットに対して射撃しなかった場合、この効果は失われ、
 再び新たなターゲットに対するパターン解析が始まる。
◆NSPD49課フォールン・レッサーマッポ (種別:モータル/マッポ) 「M」
カラテ		2	体力		1
ニューロン    	1	精神力		1
ワザマエ		4	脚力		2
ジツ		ー	万札		0
							
◇装備や特記事項
 マッポガン:遠隔武器、ダメージ1
 警棒:近接武器、ダメージ1

 リーダー格の重サイバネデッカーにレッサーマッポたちが唱和! サイバネアイで事務所と思しき一室を発見した彼は、レッサーマッポの一人に命令を下す。

「そこのゴミ虫の巣にグレネードランチャーを撃ち込め。消毒した後にカネとメン・タイを回収だ」

「ハイヨロコンデー!」

 命令受諾レッサーマッポがグレネードランチャーを担ぎ照準を合わせる。ナムアミダブツ!?

「イヤーッ!」「アバーッ!?」

 だがその引き金が引かれることはなかった。それよりも遥かに早く、飛来した弓がグレネードランチャーマッポの首に突き刺さったのである! 当然即死!

「抵抗!」「抵抗だ!」「正当防衛用意!」

「ンー……おお! 重サイバネの鉄クズ野郎がお出ましじゃねえか!」

 矢を放ったオーバーオール装束の女が獰猛に笑った。そして銃口を向けるマッポたちへ不適なアイサツを繰り出す。

「ドーモ。マッポの皆さん。ブレイクダウナーです」

「……ニンジャ!? ニンジャがなぜこんなところに……事前調査にはなかったぞ!」

 LAN直結型デッカーガンを構えつつも、重サイバネデッカーは動揺の呻きを漏らす。ギャングどもをイチモ・ダジーンにして金品を押収する心算だった彼にとって、例え一人でもニンジャの出現は想定外。

 ブレイクダウナーがユミを下ろして舌舐めずりする。彼女は真っ直ぐにデッカーを凝視していた。

「テメェー……49課で……そのサイバネアイとテッコ……知ってるぜ! ノリベとかいう鉄クズだな! すぐに廃品回収してやるから覚悟しろや!」

「チィーッ! 正当防衛重点!」「「「ハイヨロコンデー!」」」

「イヤーッ!」

 一触即発のアトモスフィアの中、事務所から飛び出すもう一つの影! その巨体にマッポらがやや怯む。純白装束のニンジャがオジギを繰り出す。

「ドーモ。カテドラルです。ブレイクダウナー=サン、急に飛び出してはアブナイですよ!」

「ンなこたどうでもいい! お前、ギャングどもと一緒に邪魔なマッポ掃除しとけ。そこの鉄クズはアタシがスクラップにしてやる!」

 カテドラルが困ったようにギャングたちを見渡した。その背後、事務所内ではスムーストーンがコンセントレーションを高める。

「……じゃ、行くか。ヤルキ・ジツ! イヤーッ!」

 彼女が両腕を振り上げると同時、一瞬だけ周囲を青い光が駆け巡った。スムーストーンの瞳も同様に輝く。周囲のカラテを一時的に高めるヤルキ・ジツだ。

「カテドラル=サンが退いたらすぐ飛び出せるようにしておいてよ、サイバンブー=サン。ギャングたちをなるべく死なせるな」

「まあやるだけやる」

 ハンドガンに弾丸を込め、サイバンブーが気のない様子で答える。BLAM! 外で銃声!


◇◆◇◆◇


「ンン」

 カテドラルは眉をひそめる。デッカーの放った弾丸がその身をわずかに削った。バイオサイバネによる強化の恩恵か、致命傷ではない。しかし厄介だ。

「まずはそこのデカブツを片付けるぞ! 撃ち方!」「「「ハイヨロコンデー!」」」

 マッポたちの銃口が揃って自分に向けられる。困ったものだ。避けられるかどうか。彼女は立ち竦んでいるギャングたちを見渡す。

「ええと……向こうの銃弾は私が引き受けますので! 皆さんも手伝っていただけると!」

「ワッザ……」「手伝ってくれんのか?」「ニンジャが?」「やれるんじゃねえか」「やっちまおう」「「「ウオオーッ!」」」

 呼びかけにギャングたちが奮起!「「マザファカ!」」「「「サノバビッチ!」」」BLATATATA! BLAMBLAMBLAMBLAM!「「アバーッ!?」」銃弾がマッポ数名を殉職させる!

「「「正当防衛!」」」「イヤーッ!」 

 BLAMBLAMBLAMBLAM! マッポたちからの集中射撃をカテドラルはかろうじて振り払う。ギャングたちが歓声をあげた。彼女は視界の片隅に捉えている。ブレイクダウナー。その手に雷光が煌めく……!

『1ターン目』
ブレイクダウナー:移動後射撃→M
(1,3,4,5,5,6)  M【体力】1→0 殉職!
カテドラル、サイバンブー:移動のみ
スムーストーン:移動後ヤルキ・ジツ
(1,2,4,4,4,5,5)成功 【カラテ】3→4

ノリベ:射撃→カテドラル
(2,2,4,4,5,6)(1,4,4,5,5)
カテドラル回避
【精神力】5→4
自動成功・回避せず 【体力】12→10

Gm集中射撃
(2)(5)(1)
(2)(1)(4)
M二名殉職!
G集中射撃
(1,2,6)
(4,4,6)
(2,3,5)(2,4,5)
(2,3,6)(2,5,6)
(1.3,6)(1,3,4)
M三名、JS二名 殉職!

MJS一斉射撃→カテドラル
(1,1,2,6)(4,5,5,6)(2,3,4,5)
(3,4,5,6)(3,5,6,6)(1,2,5,5)(3,4,4,5)
カテドラルまとめて回避
(6)


◇戦闘2、3ターン目◇

画像3

青枠内はスムーストーンのヤルキ・ジツ効果範囲です。枠内だと【カラテ】が+1される

「なんだ?」

 当然のごとく、デッカーのノリベもその雷光を捉えている。ブレイクダウナーなるニンジャの手に球体めいて集まる雷を。

「イヤーッ!」

 彼女が手をかざすと同時、掌から放たれた雷撃が荒れ狂った。「な……グワーッ!?」ノリベは回避を試みるも、遅い! 無慈悲に彼を打ち据えた稲光がその脳内UNIXに深刻なダメージを与えた。これぞブレイクダウナーをサイバネ賞金稼ぎに転向せしめたデン・ジツだ!

「「「ウオオーッ!?」」」

 ギャングたちが驚愕と興奮の叫び! 「イヤーッ!」「アバーッ!?」事務所の脇へと移動しつつカテドラルが投擲した十字スリケンがレッサーマッポの一人に直撃! 死亡!

「ア……初めて当たった!」

「「「ワオオーッ!」」」

 ギャングたちが歓声! もはやアトモスフィアはヨコハマ・ロープウェイ・クランに傾きつつあった。「「イヤーッ!」」そこへスムーストーンとサイバンブーがエントリー! スリケンと銃弾をマッポたちへ撃ち込む!

「チィーッ!」「大丈夫ですかノリベ=サングワーッ!?」

 黒煙を上げつつもノリベは銃弾を回避! 心配の声を上げたマッポの側頭部を時間差をつけて放たれた弾丸が穿ち即死せしめる!

「ゴミ虫どもがァーッ!」

 BLAM! BLAM! 怨嗟の声とともにデッカーガンを撃ち放すノリベ!「イヤーッ!」ブレイクダウナーはこれを軽々と回避!「ンアーッ!?」一方カテドラルの肩からスプレーめいて血煙があがる!

「大丈夫かい、カテドラル=サン」

「ンン……! この程度なら我慢できます!」

「我慢はよくないな。ほらギャングの皆さん! 今がチャンスですよ!」

「「「ウオオーッ!」」」

 スムーストーンの号令にマズル光が閃く! 「「アババーッ!」」マッポたちの何名かが無様なダンスを踊った。そればかりかノリベの身体にもいくつかの弾丸が風穴を空ける!

「バカな……クソ、ニンジャめ! なぜ……!」「イヤーッ!」「アバババーッ!?」

 ノリベが怨嗟の声を呟き終えることはなかった。ブレイクダウナーが放った第二の電撃が彼のニューロンを焼き尽くしたからだ。乾いた音を立ててデッカーガンが落ち、ついでデッカーが前のめりに倒れる。ナムアミダブツ!

「ハハーッ! スクラップ重点!」

「後にしろよブレイクダウナー=サン! イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「「「ウオオーッ!」」」

「「「アバババーッ!?」」」

 指揮官を失ったレッサーマッポたちは脆かった。シャカリキを決めてニンジャを恐れぬまではよかった。しかしその高揚が生存本能をかき消している。徹底抗戦を試みたマッポたちは猟師に狙われるバイオマガモめいて撃ち抜かれ、命を落とした。

 やがて、後には硝煙と死骸だけが残った。ザンシンするニンジャたちの横、ギャングたちが無邪気とも言える凱歌をあげた。

『2ターン目』
ブレイクダウナー:デン・ジツ→ノリベ
【精神力】6→5
(2,2,2,3,4,4,4,6)
ノリベ回避
(3,4,5) 失敗!【体力】6→3
カテドラル移動後スリケン→JS
(4,6) JS 殉職!
Cb移動後射撃→ノリベ
(1,2)(2,4,5)
ノリベ回避
(2,2,5)
スムーストーン:連続側転
(2,2,4) 成功
スムーストーン:移動後スリケン→ノリベ
(1,2,4)失敗
ノリベ射撃→カテドラル
(1,1,2,6,6)
カテドラル回避
(3) 【体力】10→8

ノリベ射撃→ブレイクダウナー
(1,2,3,3,5,5)
ブレイクダウナー回避
(2,3,5)

Gm射撃
(4)(5)(1) M一名殉職!
(4)(6)(4) JS一名殉職!
G射撃
(4,5,6)(3,5,6)(1,4,5)(2,4,4) JS一名殉職!
(3,4,6)(1,1,2)(2,4,5)(1,4,5)
ノリベ回避
(1)(4)(5) 【体力】3→1

画像4

『3ターン目』
ブレイクダウナー:デン・ジツ
【精神力】5→4
(1,1,2,2,3,5,6,6)
ノリベ回避
(1,1,2) 【体力】1→-2 殉職!
カテドラル集中射撃→JS
(2,6) JS殉職!
Cb移動後射撃
(3,4)失敗
(2,6,6)成功 JS殉職!
St集中射撃
(2,3,6) JS殉職!
Gm集中射撃
(2)(2)(4) JS殉職
マッポ全滅! ナムアミダブツ!
◇ドロップ回収な◇
前回のギャングたちより【万札】5→8
ノリベより【万札】8→13
ブレイクダウナーの『○サイバネ賞金稼ぎ』より【万札】13→18


◇エンディング◇

「……さて。これでソウカイヤへ忠誠を誓うことがどれだけの利益を生むか、わかっていただけたことと思います」

「「「ハイ! アリガトゴザイマス!」」」

「メン・タイの取引の窓口はグレアリング・オロチ・ヤクザクランが行います。我々が所属しているヤクザクランで、ソウカイヤの傘下です。ぜひともヨロシクお願いしますね?」

「「「ハイ! アリガトゴザイマス!」」」

 一斉にオジギするギャングたちに見送られ、スムーストーンらは待たせていた家紋タクシーに乗り込む(カテドラルはブレイクダウナーが押し込んだ)。オジギの姿勢を保つスミスたちの姿が見えなくなってから初めて、ニュービーたちは緊張を解いた。

「ハァーッ……おい、サイバンブー=サン! 事前調査するンならマッポの連中のこともチェックしとけよ! なんの役に立ってんだその生体LAN端子は!?」

「やかましい。貴女だって相手が重サイバネだから飛び出すようなことはやめてよね」 

「ま、まあまあ二人とも。済んだことですし」

 睨み合う同僚をカテドラルが宥めにかかる。その身体に巻かれた包帯が痛々しい。助手席に座るスムーストーンは、リラックスした様子で携帯IRC端末を介して報告を行なっていた。まずアーソンに。次にディスグレイスに。

 ピポッ。数秒もせずに戻ってきたディスグレイスからのネギライ・メッセージにスムーストーンは頬を緩ませた。

「なんにせよ、今回のミッションは大成功。皆のバックアップあってこそだ。アリガトネ!」

「ン? ああ、でも一番張り切ってたのはお前だろ……」

「よく人前であれだけ喋れるよね」

「昔はそういう仕事だったからね。さて! ディスグレイス=サンが事務所でスシを用意してくれてるってさ。さっさと帰ろう」

 ブロロロ……降りつける重金属酸性雨の中を、家紋タクシーが駆けていく。上機嫌なニンジャたちは、先ほどの殺戮がなかったかのように談笑するのだった。


【プリペア・トゥ・ハング・ゼム・ウィズ・ロープ】終わり


◇後書き◇

 というわけでカテドラルがやや危なっかしかったものの無事全員生存。今回のMVPは交渉でヒサツを決めてくれたスムーストーンとなるだろう。変なところで本気を出すなこいつは。

さて、ドロップと合わせて今回の成果は以下の通り。

◇リザルト◇
ピンハネ:【万札】18→58
本来の成果:【万札】58→88、かつ全員の【名声】+1

 ヨコハマ・ロープウェイ・クランの倉庫二階もアジトとして使わせてもらえそうな塩梅だが、さすがにリフォーム費用に回すカネはない。まあそのうちだ。ニュービーたちもちょくちょくシナリオに挑戦させていきたい。

 ここまで読んでくださった皆様! ありがとうございました! 気が向いたらまたやるよ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?