チミドロ表裏

「なのかな?」の裏話 02.「酒地蔵」の話

2019年3月15日に発売になったチミドロの2ndアルバム「なのかな?」の収録曲について、思い出を綴っています。それの2回目です!

今回は、

02. 酒地蔵

のことを思い出します。

この曲が今回アルバムに入っている中で一番新しいもので、それでももう2年ぐらいは経っているのですが。

曲のトラックだけはさらにたぶん昔、5年ぐらい前に作って、チミドロのメンバーとスタジオで練習する時にiPodに入れてもっていって、それを再生しながらそれぞれ気ままに演奏したり歌を歌ってみたりして、なんとなくイメージが膨らみそうだったらもう少し細かくやっていこう、と思っていたのですが、なんかその時はうまくいかず、「これはまあ、やめとこう」といって一旦忘れることにした。

それから本当にすっかり忘れていたのですが、2016年の年末、東京に久々に行った時にMCのクスモと遊ぶことになって、昼に集まってクスモの運転する車でドライブにいきました。

その車の中で「なんか音楽かけたかったらこの線に刺せば出るよ」とクスモに言われて、「特に何もないわー」と言いながら自分のスマホを見たらこのトラックが入っていて、「無音よりはいいか」とそれだけを何回もリピートしながら、他愛もない話をしていました。

「こんな曲あったっけ」「一回スタジオでやってみたけどそこから進まなかったやつだよ」「そうなんだね」「なんかね」とか言いながら車窓を眺め、お昼ご飯は、前から行ってみたいと思っていた笹塚の「福寿」という老舗のラーメン屋さんに行くことにして、シンプルで美味しいラーメンで、クスモも「こういうラーメン好きだわぁ」と言って喜んでモリモリ食べていた。

「福寿」を出た後、私とクスモが中学時代に一緒に通っていた個人でやっている学習塾があって、そこの分校みたいなのが新代田にあり、補習授業みたいな感じ二人でそこに何度か行ったことがあって、その辺りを車で走りながら「うおー!この辺だったね!」「道せまいなー!」とか言いながら暇をつぶし、すぐにすることがなくなって「どうする?」「どこ行こうね」と、目的もないままとにかく車に乗っていた。

しばらく無言になって、トラックだけが何度も再生されていて、ふと、「昔話みたいなのがいいかもね、笠地蔵みたいなやつが」と話して「はは、どういうこと」「この曲の歌詞を笠地蔵みたいなのにするのがいいんじゃないかって。酒をお供えしたらお地蔵さんが酒を倍持ってきてくれる話はどうかな」「あー、いいんじゃない?」となって、トラックにあわせて「酒地蔵ー!」と歌ってみているうちに原型ができていきました。

その暇なドライブでは、その後ベースのイッチーとイッチーの奥さんが巣鴨に来ているっていうので迎えにいって、二人も車に乗ってドライブに参加することに。一気にメンバーが増えて賑やかになり、「イッチー、さっきナオ君が曲できたって。酒地蔵だって」と、トラックをまた再生してその上でさっき考えたのを歌って聞かせたところ、「あーいいんじゃない?」とのことだったのでその方向性で行くことが決まったという記憶があります。

スタジオに入ってみんなで適当に音を出していきながら曲ができていくのも面白いけど、やっぱりドライブはかなりいい。風景も常に変わるし、音を大きく出しても大丈夫だし、テンションも高くなっているので色々な話が前に進む気がする。

暇な車は、その後なぜか西新井大師にお参りにいくことになった。「もう初詣済ませよう」と、賽銭を投げ、近くの伊勢末商店で一杯飲んだ。

イッチー夫妻が帰った後もドライブは続き、クスモの地元の葛西に車を置いて今度はミヤマッチがそこに飲みにきたり、ダメもとで連絡したbutajiさんが葛西まで来てくれたり、最終的には充実した一日になった。
「酒地蔵」というテーマのことはちゃんと覚えていて、大阪に戻ってすぐに歌詞を書き出して、そこからは一気に出来上がりました。

「bounce dat ass!」と言うところはチミドロが敬愛してやまないDJ FUNKそのままです。

「03.ただの錯覚」の話につづく…

チミドロ2nd FULL ALBUM「なのかな?」については特設サイトをチェック!


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