チミドロ表裏

「なのかな?」の裏話 03.「ただの錯覚」の話(スズキナオ)

2019年3月15日に発売になったチミドロの2ndアルバム「なのかな?」の収録曲について、思い出を綴っています。それの3回目です!

今回は、

03. ただの錯覚

のことを思い出します。

この曲にはMVがあります。

やはり今回のアルバムに入っている「SHINE旅行」のMVを撮影・制作してくれたWさんが2011年に制作してくれたものです。

「SHINE旅行」の撮影に際しては、チミドロと一緒に「ゲットー酒場」というパーティーをずっとやってくれているバンド「nakayoshi group」のモリカワさんもカメラクルーとして手伝ってくれたのですが、この「ただの錯覚」でもモリカワさんが手伝ってくれています。

つまり、「ただの錯覚」と「SHINE旅行」のMVは、同じクルーで8年のブランクを置いて制作されたものなのです。それもあって「SHINE旅行」のMVの撮影時は「あれから8年経ってるんだもんなー!」といちいち感慨深かったです。

このMVの主人公の、なんとも雰囲気のある女性は星形タンバリンさん。最近ではDJとして都内のクラブなどで熱い支持を受けている方でもあります。

実はその星型タンバリンさんが8年越しに「SHINE旅行」のMVにもチラッと出てくれており、2つのMVは裏でなんとなく繋がっているような設定になっているのですが、そのことはまた「SHINE旅行」の話の時にします。

今改めて映像をみると、8年前の自分たちはなんかみんな顔のラインがシャープだなと思う。この変化は完全に酒を飲み過ぎたせいでしょう。映像の一番最後に自転車でシューッと通っていくのは、当時東京の早稲田近辺に住んでいて今は沖縄に暮らすラッパーのサッカーボーイ君です。

曲については、何かチミドロのライブでやるための新しい曲を作ろうと思ってベースとなるトラックができて、そこに当時まだチミドロに入ってくれたばかりのメンバー・トミータがちょっとメロウなシンセの音を重ねてくれたことによって曲調が決まった記憶があります。

当時、私は渋谷の会社に勤めていたのですが、昼ご飯を食べて会社に帰る途中にふと「ただの錯覚」っていう言葉の響きが面白く思えて、会社に戻るのを少し遅らせて、昼下がりの渋谷の路上を歩きながら歌詞を考えていきました。

「うっとりして過ごしてる午後」から始まる歌詞をミヤマッチが歌って、次にクスモがまったく同じ歌詞を歌うのですが、最初の頃は「せっかく二人で交互に歌うんだから、違う歌詞にすればよかったな」と思って、でも今は、「同じ歌詞を別の人が交互に何度も歌ったっていいじゃない」と思って気に入ってきました。

今回のアルバムの題名を考えなきゃいけないというタイミングで、この「ただの錯覚」に出てくる「なのかな?」「そうなのかな?」っていう掛け合いの部分が思い浮かび、何かを言った後にいつも「まあでもそれは今自分がそう思っただけで、実際どうなのかな?」と考えてしまう、チミドロらしいグズグズ感が出ていていいなと思ってそれを選びました。

今は目に見えていることも全部いつか移ろっていく。「錯覚みたいなものさ」とも言えるし、「錯覚だとしてもやはりなんか意味がある」とも言えるような気がして、とにかく俺たちなんでこうして生きて、ふっと消えるように死んだりするんだろう。アホらしいような気もするが、確かに今、気持ちいい時間だと感じていることは確かだ、みたいな。

ちなみにこの「ただの錯覚」にはサッカーボーイ君の作ってくれたリミックスがあって、それがめちゃくちゃ好きです。今もitunesのストアで売っていて、よかったら聴いてみてください!

チミドロ2nd FULL ALBUM「なのかな?」については特設サイトをチェック!

「なのかな?」の裏話 過去の記事はこちらから!


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