見出し画像

【保険算定とルール6 スケーリング】

<保険算定とルール6 スケーリング>
1回目の歯周組織検査を行った後、歯周基本治療として行うのがスケーリング(SC)です。全額を6ブロックに分けて、ブロックごとに算定します。1ブロック72点、同日に2ブロック以上行う場合は、2ブロック以降は72→38点に減点となります。このルールのため、スケーリングはなるべく分けて行うように、という方針の医院さんもあります。

【フルスケーリングはOKか】
全顎スケーリング(6ブロック)を1回の治療で一気に算定することは、基本的には禁止されてはいません。が、地方ルールというものがあり、県によってはフルスケーリングをすると返戻で返ってきてしまいます。
宮城県の現在のルールとしては、フルスケーリングは基本的に大丈夫ですが、精密検査の場合は、2回以上に分けるのが望ましいとされています。精密検査が必要なほどの口腔内状況であれば、1回でスケーリングを終えてしまうのはいかがなものか、という理由です。とはいっても、2回に分ければ十分です。また、歯数の問題で4ブロックしかない場合などは、精密検査でも4ブロックを一回でフルスケーリングしても全く問題ありません。
なので総じて、基本検査→6ブロック算定余裕でOK 精密検査→3+3や、2+2+2など、複数に分けた方が無難、です。

【縁下歯石の除去はSCかSRPか】
保険制度的には、縁下歯石の除去はスケーリングに含まれるとされています。SRPは「感染セメント質の除去と根面の滑沢化」とされています。もちろん、臨床的/学会等の定義的にはそう限らないと思いますが、保険のルール上は、そのような区別があります。なので、個別指導/新規指導などの場でSRPのコメントに「縁下歯石付着のため」とか書いてあったら、これはスケーリングだと訂正、減点指導されます。とはいえ、普段の診療で縁下歯石の除去をSRPで算定しても、レセプトで分かる余地はありませんので、返戻では返ってきません

P治療に関しては、歯周基本検査、スケーリング、SRP、歯周外科、P重防、SPT、歯周治療用装置、補綴の処置タイミングなど沢山のポイントがありますので、引き続き解説していきます。

質問あればいつでもどうぞ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?