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インスタblog 「鹿皮の羊皮紙作り行われる作業」-機械フレッシング作業についての考察-

フレッシング作業とは何か

動物を解体し、皮と肉を切り離す際にどうしても一部の肉(筋肉、筋膜等)が皮に残ってしまう

羊皮紙を作る際も革鞣しを行う際も、肉が付いている状態の皮では加工に支障がある

羊皮紙や革になる主素材以外の余計ともいえる物質を取り除く事をフレッシングと呼ぶ

現在、一般的には二通りの方法で行われている
①手作業によるフレッシング作業
②機械によるフレッシング作業

→手作業のフレッシングは、前回の脱毛の話でも登場している「かまぼこ」と「セン」と呼ばれる道具を使う。かまぼこに皮を肉面を上にして乗せてセンを使い取り除く

詳しくは後日に手作業フレッシング話を載せる予定

→機械によるフレッシング作業風景。写真のような機械を使いフレッシングを行う。厚さを設定し、ルレット加工の様な刃で皮を挟みながら肉を取り除く

鞣しを試みた自分を含む手作業経験者にとっては夢のような機械。一枚の作業は1分程度だ(厚み設定、刃を研ぐ、皮の下準備含まず)

フレッシング作業を頼みたいと考えるかも知れないが、フレッシングのみをおこなってくれる業者を自分は知らない

僕たちは鹿皮の羊皮紙作りの実験のためご無理を言い善意でフレッシングしていただいた。鹿皮紙がカタチとなった際は是非に恩を返したい会社だ

話しが逸れたが、フレッシング作業とはあくまで鞣し作業の一環なのである

地域によりフレッシングで取り除かれた部位を活用しているため、違う動物と混ぜられない等の理由もある。設定の変更も手間となり、また話を難しくさせる

知らない事はたくさんある、飛び込んで見ないとわからない

その先に光があるか、闇があるかは飛び込まない限り知り得ない

日本全国で廃棄されている鹿皮

アップサイクルを実現させるためにも、一つずつ。目の前にあるフレッシングの可能性をもっと知りたい

森を含む自然、猟師、解体所、自治体、タンナー、配送業者、ユーザー、未来

関わる全てが嬉しいシステムの模索が必要だ。そのためには多くの話を聞いて、同じ志を持ち活動をする人(縦糸)を繋ぐ横糸の様な存在があって欲しい。

僕らでなくてもいい

時間は懸かるが、僕らは出来る取り組みを続けていく。それだけの価値があると信じている

2022/3/9

鹿皮紙プロジェクト代表 カワダ シュウジ


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