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インスタblog 「鹿皮紙の試作」-一歩一歩の積み重ねの強み-

試作は確実に前へ前へと進む

用途により最適化するため試作はまだ続く

基準となる試作が出来た事は嬉しい限り

試作を請け負って頂いている方たちに恩返しをしなくてはと改めて思う

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試作の数は200枚を近々越える

2015年より猟師を始めた。

それから一人で実験を始める。先ずは革の鞣し(クロム鞣、タンニン鞣、明礬鞣)をしてから鹿皮紙作り実験を開始した

皮集めから始まり、協力してもらえる鹿の解体所より毎月10枚ずつ提供してもらっていた。片道4時間かけて取りに行く

戻って来てから、各協力していただく工場に裏の不要な部位を除去してもらい、時には漉きをしてもらう。

そして実験場にて一日中実験、それが3〜4日間

内容は鹿皮の毛を抜き、溶かし、脂を除去し、純粋な皮組織のみにする。皮を張り羊皮紙のカタチにするまで腐敗しないように処理する

実験が終わったら自宅にて皮を張る作業、乾燥して外すまで1週間

その後、一枚一枚の状態や起こった現象を書き留める。より良くするためにはどうすれば良いか検討し、教授や専門家の方々に相談する。先生方には感謝しかない。特に僕の鹿皮の羊皮紙作りと言う無茶な実験を笑わずにお付き合いしていただいたT先生には感謝が尽きない

レシピを見直して再度実験するを繰り返す

一枚の鹿皮紙を作るだけでも大変な作業

試作を130を越える頃に少量生産の実験にて得た知識を次に進めようと考え、工場にて試作を始めた

有害鳥獣駆除にて捕獲される鹿は年間60万頭近い、それらを活用するには一人の小さな力では足りない

またせっかくの日本の皮革技術を活用しないなんてもったいない

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試作のお願いは苦労が絶えない

羊皮紙とは?から始まり、鹿皮紙プロジェクトのお話を理解してもらう。それから試作に入るのだが、革作りとは勝手が違うため進みは遅く負担が増えてしまう

市場がまだ無いため製品のため先が読めず、本当に売れる製品になるのか?中途半端に終わるプロジェクトにならないか?など不安にさせてしまう

連絡を取り扱い問題を取り除いていく。コロナ時期と被るため、思うようには進まない。しかし徐々に試作に協力してくれる場が増えていった

製作する工場以外にも、自治体や解体所、猟師さん、印刷屋さん、刺繍屋さん、薬品屋さん、作家さんたちも力を貸してくれる

製作する大変さは一人から実験を始めたからこそ理解出来る、一からやる事は遠回しかも知れないが意味はあった

ゆっくりと関係を築かれていく

だからこそ、中途半端にならない様に僕らのプロジェクトをこれからの明るい未来へと進めていかなくてはならない

頑張ってくれている方々に、その技術に、光が差す様に製品作りをしていきたい

お互いが助け合い良い仕事を重ねて次の仕事に楽しく繋げていく、気持ちの良い仕事作りをしていきたい

理想をカタチにする為に

きれい事が言える世界が良い

2022/9/15

鹿皮紙プロジェクト代表 カワダ シュウジ


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