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インスタblog 「鹿を利活用するための試み」- 日本の北海道西興部村にある鹿牧場-

鹿の牧場を訪れた話

移動が制限されていない頃、北海道の自治体が革を鞣していると聞き北海道に飛んだ

車で目的地に向かう途中、鹿牧場はあった

鹿牧場は現在、北海道と長崎県に一施設ずつある

1993年には66施設あったが2001年に話題となったBSE(牛海綿状脳症)問題が起こり廃業がふえ、今では貴重な二施設となってしまった。海外に目を向ければ、中国やニュージーランドは養鹿産業は盛んである

鹿牧場に着くと鹿が一斉に森からこちらに向かってくる。馴化が進み人を怖がることがなくなっていた

鹿は警戒が強く嗅覚聴覚が敏感で、臆病な動物なため近くで見る事は少ない(奈良や厳島、屋久島除く)

近隣の方に聞くと、猟師に捕獲された鹿を牧場に放しているとの事。また牧場内で自然に繁殖している事も伺った

牧場の事を考えた事が無かったので、興味が湧く

僕は鹿の羊皮紙を作る人、その視点から鹿牧場の事を考察してみる。牧場にする事で何が出来るのか

①原皮の均一な確保→傷のない良質な原皮を得ることが出来る(野山を駆けることで出来る傷や虫刺されの減少)

②適切な管理→食肉の適切な時期を選択でき、衛生的で無駄な箇所を最小に抑え解体等の作業効率化が出来る(飼育期間:牛は日本では21〜26ヶ月齢前後、豚は6ヶ月前後、鹿の適切な期間は不明*加筆予定。また狩猟で捕獲された鹿が食肉になるためには2時間以内に解体所に運ぶ事が一般的)

③鹿茸(ろくじょうと読む。幼角や袋角とも呼ぶ)の利用が出来る。生え始めの時期の角のこと。漢方薬の原料となる。滋養強壮等の効果があると言われている。命を取る事なく採集可能

④鹿は牛や豚に比べ穀物餌が少量で育ち、山や森の一部を使用し飼育可能。低コストな飼育が可能かも知れない

まだまだ見えてない事はたくさんありそうだ

今後も鹿牧場にはどんな可能性があるのか調べていきたいと思う

2022/3/23

鹿皮紙プロジェクト代表 カワダ シュウジ


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