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屍句会報 2020年8月7日(金)

コロナ禍で閉店を余儀なくされた店も多くあるが、歌舞伎町はまだ元気が残っている。もっとも、人間は少なくなったし動く金も減っただろう。

区役所通りのコンビニは窓が割られていて、ゴム手袋をはめた女性の従業員が破片を静かに取り外していた。

歌舞伎町withコロナとはいずこかな

火に油を注ぐのも飽きて、歌舞伎町の人はSNSで遊んでますアピールもしないのだろう。誰もそうしなくても歌舞伎町は元気だ。客足は減ったと聞くが、普通な人が淘汰された結果なのかもしれない。今宵も馬鹿な笑い声や喧嘩やサイレンが聞こえて金が動く。ここにたどり着く人はどこかしらおかしいのだ。

一回戦「量や強さを表す接頭辞」
例:「超(うける)」「マジ(ぱねえ)」のようなもの

二回戦「引」の字

引用句・言葉解説

秋風や模様のちがふ皿二つ/原石鼎(せきてい)
野球部が来たら万引きだと思へ/北大路翼
やはらかき母にぶつかる蚊帳の中/今井聖
人間は管より成れる日短/川崎展宏

※加筆 2020/08/15

人間は一本の管曼珠沙華 と句会中に紹介したところ間違っていた。
しかし曼珠沙華も良い句である。

言葉解説


文章: 小佐治 @osajih

国引(くにびき/くにひき)
文字どおり国を引き寄せること。出雲国(現在の島根県東部)に伝わる国造りの神話。当初築かれた出雲国を狭い失敗作だと嘆いた八塚水臣津野尊(やつかみずおみつぬのみこと)が、周辺の余った4つの土地を裂いて綱をかけ、「国来(くにこ)、国来」と引っ張った。それらの土地を出雲国に縫い付け、できたのが現在の島根半島だという。

六角精児
俳優で、テレビドラマ『相棒』の鑑識課員役、テレビドラマ版『電車男』の阪神タイガースヲタク役などで知られる。実生活では電車ヲタクで、NHKBSで鉄道の旅をする冠番組を持つ。なお、顔は眼鏡をかけ下ぶくれで、見るからに残念なヲタク。

引き込み線
1.電柱から各家庭に電力を引き込む線。
2.一般の旅客や荷主のためでなく、工場や鉱山など特定の目的のために敷設された鉄道。専用鉄道、専用線、専用側線などとも呼ばれる。関東ではJR青梅線拝島駅から分岐し在日米軍横田飛行場に続く路線、JR鶴見線本線扇町駅から分かれ三井埠頭に続く路線などがある。

秋気澄む(しゅうきすむ)
秋になって大気が澄みわたり見通しがよくなることで、秋の季語。

鋸引き(のこぎりびき)
1.鋸で木などを引き切ること。
2.罪人の体を鋸で切り落とす死刑のひとつの方法で、戦国時代から江戸時代の日本、またヨーロッパや中国などでも行われた。縛り付けた罪人の首に浅く傷を付け、血の着いた鋸を傍らに置き被害者親族や通行人に数回ずつ首を引かせ、見せしめとしてゆっくりと苦痛を味わわせ死なせる刑罰だった。江戸時代になると首だけ出して土中に生き埋めにして人目にさらし、その後に市中引き回しのうえ磔とされる刑罰となり、形骸化した。

宇崎竜童
ミュージシャンで作曲家、映画監督。1974年『スモーキン・ブギ』、1975年『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』のヒット曲を持つダウン・タウン・ブギウギ・バンドを率い、紅白歌合戦にも出場する。妻の阿木燿子の作詞、宇崎の作曲のコンビで山口百恵に楽曲を多く提供し、『プレイバックPart2』『ロックンロール・ウィドウ』『さよならの向う側』などをヒットさせた。現在は主に俳優として活躍している。

ガングロ
1990年代後半から日本の若い女性に流行したファッション。顔を黒く日焼けさせ(または塗り)髪を金色やオレンジに脱色した見た目が特徴。語源は「ガンガン黒」の略とも、「顔黒」からとも。チョベリグ(超ベリーグッド)やチョベリバ(超ベリーバッド)などの独特の言葉も生み出した。

疫病み(えやみ)
悪性の流行病。また中でも、かつて「おこり」「わらわやみ」と呼ばれた、現代のマラリアのような病気を指す。

ギザかわゆす
タレントの中川翔子が使う独特の表現「しょこたん語」のひとつ。「かわゆす」は「かわいい」の変化したもの。「ギザ」は「とても」の意の接頭辞。ギガバイトなど10憶を表す単位「ギガ」を「とても」の意味で携帯電話に打ち込んだ際に間違え、気に入って使い始めたもので、エジプトのギザのピラミッドとはまったく関係ない。なお中川本人は、より上位を表す「ギガント」「ギガンティア」などの語を好むようになり、現在はあまりギザは使わない。

羽衣
天女が身に着け空を飛ぶとされる布。近江国(現在の滋賀県)の伝説では、天女は最初白鳥の姿で飛来し、水浴びしているうちに羽衣を脱いで天女の姿になる。それを見ていた男は羽衣を隠し、天女を天に帰れなくしてしまう。天女は男と結婚し子どもも儲けるが、ある日男が隠していた羽衣を見つけ、天に帰ってしまう。また丹後国(現在の京都府)の伝説では、羽衣を隠すのは老人で、天女は老夫婦に引き取られ、その下で酒造りを行う。それによって老夫婦は裕福になるが、ある日老夫婦は本当の娘でないと追い出し、ある村に辿り着いた天女はそこでトヨウケビメという神になったとされる。天に帰った後で天の父に男との婚姻を認めてもらうため男を助けるなど、様々なバリエーションが存在する。日本各地に伝わる話で、静岡市三保の松原、千葉市の羽衣の松、鳥取県湯梨浜町の羽衣石、大阪府高石市羽衣地区、沖縄県宜野湾市真志喜などが有名。

鈴振り
落語の演目のひとつで「鈴まら」とも呼ばれる。ある寺では跡継ぎの住職を決めようとするが、弟子の数が多すぎて誰にしたらいいかわからない。そこで現住職は一計を案じ、弟子たちを集め一人ひとりの陰茎に鈴をつけさせる。そして酒と料理を出してもてなし、なおかつ芸者衆に酌をさせしなだれかからせる。たまったものではない弟子たちは股間の鈴を鳴らしてしまい、チリンチリンの大合唱。ところが中に、一人だけ鈴を鳴らさず念仏を唱え続ける僧がいた。喜ぶ現住職がその僧を呼びつけてみると、しかし…。5代目古今亭志ん生の録音などが残されている。

披講リプレイ

次回予告

次回句会は8月14日(金)20時

おまけ

8月13日は屍派納涼会があります。

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