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GRAPEVINE『ALL THE LIGHT』

『CORE』収録、2008年発表のアルバム『Sing』から毎回作風の趣きを変えてきたGRAPEVINEが2019年に発表した今作はその『Sing』で発揮したオルタナティブサウンドの覚醒を示し切り、約10年が経てバンドの原点回帰であるストレートなロックに立ち戻った作品だ。ファンとしてはGRAPEVINEの新譜にも関わらず懐かしさを感じる頑なに良さがブレない。(何を言ってるか分からない)
M1.田中和将のゴスペル調なボーカルのオーバーダビングからM2でのGRAPEVINE節全開な先行配信シングルを先に聴けた時はファン冥利に尽きる歓喜しかなかった。M3『雪解け』はGRAPEVINEの特徴でもあるDrums / 亀井亨のソングライティングに寄るもので、この曲以降は作詞 / 田中和将・作曲 / 亀井亨と往年のGRAPEVINE節がM4からM12まで貫かれる。
個人的にM5は『なしくずしの愛』に通じる作りを感じる、ちなみにGRAPEVINEの中で好きな曲ベスト3を挙げるならば『エレウテリア』『指先』『REW』を挙げる。
そんな私的に染みるM5.田中和将のエレキギター弾き語り『こぼれる』と次曲『弁天』の流れには胸を掴まれる。自分もバンドをやっていた時期があるがGRAPEVINEの新譜が毎回試行を変えてくるのを聴いてるうちに諦めたと言ってもいいくらい、歌に歌詞、楽器隊をSoulfulにまで高め、操れるバンドはGRAPEVINEしかいないと思う。M10ではGRAPEVINE史上最大のヒットになったシングル『光について』を自ら伏線回収をする曲。GRAPEVINEはあの頃と変わらず同じ場所で情熱を抱えたまま立っている。僕は、もうどうしていいか分からずここに立っている。

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