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アニメーションに初挑戦

絵画は長年描いてきたが
この度、アニメーションに初挑戦した。
まずは完成形を見ていただきたい。

●目次
・エミィ
・アニメーション企画
・準備
・制作
・完成


●エミィ

去年2020年の8月ごろ、シンガーソングライターの「エミィ」と出会った。
長らく私の音楽活動や絵描き活動を見ていたらしく
「コラボしたい」とDMが来た。
エミィの歌と、
私のポエトリーリーディングを織り交ぜた楽曲を作ろうという提案をし
少しずつ進めていたのだが
私が心を壊したのと、生活のために機材を売った事により、
実現不可能になってしまった。
そうなればもう、私には絵を描くことしかできない。
それに、実現できない企画になってしまった事に大きな罪悪感を覚えていた。

エミィは力強い歌声を持った、音楽歴20年超えのシンガーだ。
対して私も、20年以上のお絵描き歴を持つ。
音楽と絵、違うフィールドの芸術でのコラボも最高だと思った。
お互いの一番の得意技で、コラボする事になり
今年2021年6月に、長い時間を越えたコラボが実現した。
エミィの楽曲のイメージを具現化した絵を描き、公開したところ
26,000インプレッションを超える、予想もしなかった広まり方をした。

まったく、私をワクワクさせやがる。

『FEEL RAIN』2021.6.4

●アニメーション企画


コラボ作品の人気もあって、
エミィ側から正式な制作依頼があった。
それは、同じように1枚の絵をYouTube用に描いて欲しい、
というものだった。
動機をあまりよく覚えていないのだが
ふと気づけば
「動画にするなら、自分のジャンルでアニメーションをやってみたい」
と口にしていた。

非常に驚かれた。
そりゃそうだ、馬鹿げた話だ。
夢物語の戯言のような話だ。
絵画を動かそうと言うのだから。
私自身、経験がないからどんな壁かもわからない。
エベレストに登るような話かもしれない、という事は覚悟した。
しかし、常に日々創作をしなくてはいけないような
そんな環境を作らないと、私に巣食う恐怖を誤魔化せないと思った。

まったく、私をワクワクさせやがる。


●準備


8月の頭から、準備期間が始まった。
絵コンテを作る為に、同じ曲を1日中聴くところから始まる。
それはもう、1曲に呪われるくらい
トイレと入浴時以外は延々とリピートしては想像を膨らませる。
大方の展開が思いつき、画材集めと実験に入る。

依頼料から20枚の紙と、消費の激しいであろう木炭を買い集めた。
紙の枚数は最大のシーン数を想定したもの
作業としては1枚ずつの紙の中で、細かく撮影して動かしていくので
それがやりやすくなるような撮影アプリ探しも行っていった。
1コマ1コマを切り抜いていくのは
作業は簡単でも、塵も積もればで大幅なタイムロスになっていくからだ。

そこで、名刺などを撮影して保存するのに便利なアプリを見つけた。
撮影したら、自動で絵の部分だけ切り抜いてくれるので楽になる。
自動での判定なので、細かな調整は必要だが
無料でかなり労力を減らしてくれる最高の撮影アプリだ。

これで準備は整った、後は気合いで登山のような創作をしていくだけ。

まったく、私をワクワクさせやがる。


●制作


9月の頭、本腰を入れてアニメーション制作を開始したが
しょっぱな出鼻を挫かれる思いだった。
なんせ私はアニメーションのレベルが1だ。
想像したような複雑な事なんて出来るわけなかった。
エミィ側の要望に寄り添いながら、
路線変更、軌道修正を行いながらの日々になっていった。

ただ絵を描いていくだけでは景色が見えてこないので
動画編集を同時進行しながら進めていった。
起床→動画編集→制作→就寝  のリズムでパズルのピースを作っていく。

しっかし面白い、自分の絵が動く様はとにかく面白い。
私が使い慣れている無料の編集アプリは
最低で0.1秒までしか設定でなかったので(早送りすれば話は違うが)
0.1秒の集合体で240秒を目指す。
でも、思っていたよりかなり楽が出来る事にも気付く。
例えば5コマで0.5秒分、しかしそれをループさせれば何秒分にもなる。

引越しを挟みながら、ひたすらにそんな毎日を繰り返していった。

まったく、私をワクワクさせやがる。


●完成


そうして約3か月の制作期間をもって
アニメーションのミュージックビデオが完成した。
エベレストに登る、ではなかった。
富士山くらいかな、登った事ないからわからないけれど。

気分が乗って寝ずに没頭したり、
空っぽになっちゃっては心配されたり。
時にはハイテンションになりすぎて
Twitterのフォロワーさん達に迷惑かけたり。

でも、やり遂げたよ、使命は。
そしてまだまだ私の創作は終わらない。
創作はとてもしんどいが、死を選ばない為の方法でもある。

遂にミュージックビデオが公開された。
YouTubeの知識もフル活用して、大きな一撃にしていく。
さあ、どうなるだろうか、私の新しい第一歩は。

まったく、私をワクワクさせやがる。