4・2医院と私の将来を

 さて、医院が軌道に乗ってからその後の話題に入ります。そのまま闇雲に頑張っていた時期もあるのですが、次第に「将来像」が必要だと考えるようになりました。

 私は当初、細く長く続けていかれればという、漠然としたイメージを持っていました。しかし、イメージ通りに行かない出来事が多々起こり、山あり谷ありの人生を進む中で、だんだんビジョンが変わっていきました。今の私の目標は下記の3つです。

 ①年間医業収入2億円規模の継続②院長の週休3日③院長不在でも診療、教育、学習が自動で回る

 これらを女性スタッフ限定の医院として、女性だけの世界を作りながら成し遂げたいと思っています。医院をマネージメントしていくにあたり、このビジョンがなければ次の一歩を進むことができません。この目標を元に、日々の取り組みを考えるようになりました。その取り組みをご紹介していきます。ここでは簡単にご紹介しますが、後述で詳しく出てきます。

(1)スタッフ向けの病児保育

 まず始めたのが、スタッフ向けの病児保育です。通常託児のサービスは、治療中に患者様のお子さんを保育士がお預かりしています。その場所を使って、発熱などで保育園に行けなくなった、スタッフの子供たちを預かることを出来るようにしました。そのため、ドクターや歯科衛生士の急な欠勤によるアポイント変更が減りました。また、病児以外の使い方が出来る時もあります。2020年コロナ禍においては、一時的に診療を自粛した代わりに、下半期で祝日診療を何日か診療をしました。祝日は保育園がお休みですので、子供たちを連れて出勤してもらい、託児で対応しました。

(2)就業時間(診療時間)の見直し

 もともと9時ー19時で診療をしていたところを、段階的に平日18時まで、土曜日17時30分までにしていきました。単に時間を短縮するだけではトータルの時間数が減るだけで減収になってしまうため、終わりを早めた代わりに診療日を増やしました。具体的には、それまで水曜休診だったのを廃止し、月ー土診療としました。

 このあたりでは、診療時間の2極化が進んでいます。日曜診療をしたり、24時間診療をしたり、そこまででなくても20時までの診療というところがほとんどです。そんな中で18時までの診療というのには、とても勇気が必要でした。しかし、実際にやってみると患者様達も協力してくださり、シフトの早番遅番というものも作る必要がなく、働きやすい環境となりました。私自身も、診療が終わって一度家に帰り、夕飯を食べてから少しデスクワークをするために戻ってきてもまだ20時くらい、体力的にも精神的にもとても良くなりました。

(3)業務の効率化

 診療時間を短くするだけでなく、診療以外の業務を簡素化することが、勤務時間の短縮につながります。そこでまず導入したのが、自動釣銭機プラスキャッシュレス対応、そしてグループウェアです。

 自動釣銭機は、毎晩金庫を数える手間が省けて、とても時短になりました。それだけでなく、会計時のトラブル(お釣りを渡したとかもらっていないとか・・・)、締め作業で金額が合わない問題、売上金の出し入れ時の間違いも一切なくなりました。キャッシュレス対応としては、もともと使っていたクレジットカードに加えてPayPayの使用を可能にしました。こちらはコロナ禍において、衛生面でも活躍することになりました。導入したのが2019年、コロナ問題の1年前でした。コロナ禍においては歯科医院でも導入が流行り始めたところでしたので、それに先駆けて対応することができました。

 グループウェアはサイボウズオフィスを使用し、勤怠管理やワークフローでの有給申請などをデジタル化しました。これによって、申請を出したとか出していないとかの問題や、期限内に提出されているかの管理が簡単になりました。紙で保管する必要もなくなりました。また、ワードやパワーポイント、PDFなどの制作書類データのやりとりは、Dropbox内で共有しています。さらに事務局を設置することで、院長の役割を軽減できるようになっています。

(4)その他

 院長不在で回る医院になるために行っているのがプロジェクト(係制度)です。ひとりひとつの役割を持ってもらい、その分野に関しては責任を持ってもらうというシステムです。責任を持ちますが、担当の人がすべて行うわけではありません。あくまでもその係のリーダーという位置づけで、部下を従えて役割を振ったり支持したりという、個人の成長を期待するものでもあります。

 今後の展望としては、もっともっとDX化していくことかなと思っています。考えているのはカルテのペーパーレスです。すでに電子カルテ化はしてあるのですが、メモ書きなどの紙を使っているため、カルテファイルがまだ使われている状況です。設置スペースもすでにあまりありませんし、カルテを出したり片付けたりという手間を考えると、ペーパーレスはとても大きなステップになると思います。

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