花と植物コレクション(5) アヤメ
花と植物を少しずつ知るマガジン
アヤメ
アヤメ科アヤメ属の多年草である。病気を治す薬としても使われています。多年草とは、1年で終わらない植物。1年で終わる植物は「一年生植物」という。アヤメの多くが山野の草地に自生しています。生育は、比較的乾燥している場所を好む。アヤメ属の他の種別であるノハナショウブやカキツバタのように湿地に生えることはまれ。葉は直立し、高さ40-60cm程度。葉幅は、ハナショウブやカキツバタに比べると狭い。5月頃に径8cmほどの紺色の花を1-3個付ける。花形は、主に三英花(外側の大きな花弁が3枚)。花弁の付け根には網目模様があります。この外花被片(前面に垂れ下がった花びら)の網目模様が特徴で、本種の和名の元(綾目)になっています。花茎は分岐しない。北海道から九州まで分布する。
アヤメ類の総称として、同じアヤメ属だがアヤメ以外の種別にあたるハナショウブやカキツバタを含めて、アヤメと呼称する習慣が一般的に広まっている(施設名、創作物など)。特にハナショウブの別名は「はなあやめ」と呼ばれているため、アヤメと呼んでも間違いには当たらない。
古くはショウブ科のショウブを「アヤメグサ」と指した時代もあった。
花札では5月の絵柄として、「菖蒲に八橋」、「菖蒲に短冊」、カス2枚が描かれる。
名前
和名 アヤメ、菖蒲、文目、綾目
英名 Iris sanguinea
学名 Iris sanguinea
いつ咲く?
5月
分類
真正双子葉類→単子葉類→キジカクシ目→アヤメ科→アヤメ属→アヤメ
カキツバタや花菖蒲との見分け方
アヤメ
外花被片に網目模様がある
カキツバタ
外花被片に網目模様なし
外花被片に白い斑紋がある
ハナショウブ
外花被片に網目模様なし
外花被片に黄色い斑紋がある
慣用句
どれも素晴らしく優劣はつけがたいという意味。見分けがつきがたいという意味にも用いられています。
毒性
成分 : イリジェニン、イリジン、テクトリジン
部位 : 全草、根茎、樹液
症状 :皮膚炎、嘔吐、下痢、胃腸炎
文様
菖蒲紋は、日本では家紋や社寺の紋にも使用されています。上流公家の花山院家の家紋や三峯神社神紋、浄土真宗真宗出雲路派本山の毫摂寺の寺紋の菖蒲菱。難波神社神紋の抱き菖蒲が代表格です。
参照
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