【鎌倉の野鳥コレクション №01】 「ウグイス」京都から江戸に3500羽も連れてこられちゃっていた!
鎌倉の野鳥コレクション
鎌倉でみかけた野鳥を集めていくマガジンです。
見かけた場所と時期
3月28日。西鎌倉ふきん。
見かけていないけど鳴き声を森林公園(藤沢市)で聞く。
名前
日本では、春鳥(ハルドリ)、春告鳥(ハルツゲドリ)、花見鳥(ハナミドリ)、歌詠鳥(ウタヨミドリ)などいろいろな名前で呼ばれています。
留鳥or漂鳥
日本のほぼ全国に分布している留鳥。漂鳥もいます。
生態
スズメ目ウグイス科ウグイス属。「ホーホケキョ」と鳴く声で有名。オスは全長15.5センチ。雌は13.5センチ。薮を好む。英語名のBush Warblerは「藪でさえずる鳥」を意味しています。警戒心が強いので鳴き声が聞こえても姿が見えないことが多い。背中がオリーブ褐色、お腹は白色全体的に地味。雄雌同色。
食性は雑食で、夏は小さい昆虫、幼虫、蜘蛛、冬は植物の種や木の実などを食べます。
繁殖期は初夏でオスは縄張りを作り「ホーホケキョ」とよく鳴きます。横穴式のつぼ形の巣をつくり、4から6個の卵を産み、メスが雛を育てます。
鳴き声
「ホーホケキョ」の「ホー」は息を吸いながら、「ホケキョ」は、吐きながら出しています。
「ホーホケキョ」は巣に餌を運ぶ雌に対して「安全やで」と伝える鳴き声で、谷渡りの「ケキョケキョ」は、「侵入者がいるぞ」という威嚇のサインで雌に対して巣に戻らないようにと伝えています。
早春から鳴き始めるので春告鳥(はるつげどり)という別名もあります。
分布
ウグイス色?
「ウグイス色」と言われている色と実物はちょっとかけ離れているように思いますが、JIS慣用色名なる物体の色の名前と色を同定する規格では、ウグイス色は実際のウグイスの色に近いんです。
ウグイス餅の色は、ウグイスよりメジロに近い色です。
托卵
ウグイスの卵の長径は1.8センチ。悪名高きホトトギスの卵は長径2.2センチと近い。ゆえにホトトギスの托卵の対象にされています。
日本三鳴鳥の1つ
日本三鳴鳥(にほんさんめいちょう)とは、日本のさえずりが美しい鳥3種類を意味しており、ウグイスの外はオオルリとコマドリ。
ウグイスの鳴き声
オオルリの鳴き声
コマドリの鳴き声
鶯谷(うぐいすだに)
東京都台東区の鶯谷の地名は、元禄(げんろく1688–1704年)のとき、京都から江戸に来た公弁法親王(こうべんほっしんのう)が、「江戸のウグイスは訛っている」と言い、尾形 乾山(おがた けんざん。江戸時代の陶工、絵師)に命じて京都からウグイスを3,500羽も取り寄せて、放鳥したことに由来しているそうです。ひどい(笑)。
鶯谷にはここ。山手線上にあり、上野駅の隣
和歌·俳句
「うくひす」は「憂く干ず」とウグイスを掛けていて、「つらいことに羽が乾かない」という意味。
「ひとくひとく」はウグイスの谷渡り「ケキョケキョ」に相当しており、歌は「梅の花のみをわたしは見に来たのに、ウグイスが『人が来る 人が来る』と嫌がっているのはどうしたことだ」という意味を詠んでいます。
ウグイスの糞
ウグイスの糞には、リゾチームなどの加水分解する酵素が含まれており、肌に塗ると角質層が柔らかくなることから、顔面に塗ることで、小皺が取れたり、肌のキメが細かくなるなどの効用を期待して使用されてきました。「Geisha Facial(ゲイシャ・フェイシャル)」というなまえで欧米でも販売されているようです。
まとめ
ウグイスは鳴き声が特徴的なことから、日本の古くから歌によく詠まれ、親しまれてきているのに、花札の柄(梅とウグイス)や色の認識でメジロと間違えられてもいて、存在感が強く、ユニークな逸話が多い鳥です。しかも糞まで利用されています。すごい。上記の通り、ウグイスは春には、種子や木の実ではなく虫を食すため、梅の花に好んで寄り付きませんが、メジロは花の蜜を吸うため、梅の木によく止まっています。
それに台東区の鶯谷の地名の由来がすごい。警戒心の強いウグイスを3500羽もどうやって捕まえて京都から江戸まで運んだのか、興味がわきます。
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