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花と植物コレクション(3) オキザリス

花と植物を少しずつ知るマガジン


オキザリス

オキザリス/カタバミ

葉や茎は、シュウ酸水素ナトリウムなどの水溶性シュウ酸塩を含んでいるため、咬むと酸っぱい。シュウ酸は英語で oxalic acid といいますが、カタバミ属 (Oxalis) の葉から単離されたことに由来しています。また、葉にはクエン酸、酒石酸も含まれます。カタバミ属の植物をヒツジが食べると腎臓障害を起こすとの報告があります。ヤマトシジミの幼虫が食草としています。

名前

和名:ハナカタバミ
学名:Oxalis corniculata
英語:sorrel

属名はギリシャ語で「酸い」を意味するオクシス(oxys)に由来。葉や茎にシュウ酸を含み、噛むと酸味を感じるためです。前出のカタバミにも、「鏡草(鏡を磨いたことから)」「スイモノグサ」「ショッパグサ」といった別名があります。

分類

真正双子葉類(しんせいそうしようるい)→ バラ類→カタバミ目→カタバミ科→カタバミ属→カタバミ

概要

オキザリスはカタバミの仲間で800~850種があり、世界に広く分布しています。ロゼット状のものから低木状のもの、地中に球根をもつもの、多肉植物に近いものなど、形状はさまざまです。開花期や生育環境、性質も多様で変化に富んでいます。栽培の難易度も、種によって違いますが、中には初心者でも無理なく扱えるものも多くあります。日本には、ミヤマカタバミ(Oxalis griffithii)など6種が自生するほか、7種ほどの外来種が帰化植物となっています。花は夜間や雨天には閉じていて、日中の日ざしを受けると盃状やロート状に大きく開きます。満開のとき、株を覆うように咲く様子は非常に見ごたえがあり、人目を引きます。葉はクローバーのような3小葉のものが多いのですが、4小葉のもの、5裂や10数裂するものもあります。栽培されるのは主に20種ほどで、四季咲きタイプ、夏期は休眠して秋から冬に開花するタイプ、冬期に休眠して春から夏に咲くタイプに分けられます。

ロゼット状

ロゼット(英: rosette)は、地表に葉を平らに並べた植物の状態を現したもの。ロゼットという言葉は、元来はバラの花から由来する言葉で、八重咲きのバラの花びらのような配列を現しています。

オオバコ
Shizhao - 投稿者自身による作品, CC 表示 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=3340313による


形態

多年草、一年草。

地下に球根を持ち、さらにその下に大根のような根を下ろします。匍匐茎をよく伸ばし、地表に広がります。このため、繁殖が早く、しかも根が深いので駆除に困る雑草の1種です。
葉は球根の先端から束に出ます。葉は、ハート型の3枚が尖った先端を寄せ合わせた形。三出複葉だが、頂小葉と側小葉の区別はつきづらい。マメ科のクローバー(シロツメクサなど)とよく間違われますが、クローバーは、葉の形状が丸く白い線があり、全く異なる植物です。しかし、シンボルマークなどで葉の形状を誤解してハート型で描くことでクローバーのつもりでカタバミとなっているケースがあります。(ももいろクローバーZのロゴなど)。

ももいろクローバーZのロゴなど
Momoclozzzz - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=54186376による


草丈・樹高

5~30cm

耐寒性

強~弱

開花

春から秋にかけ黄色の花を咲かせます。花びらは5弁。日向では花を出しますが、日陰に咲いてしまうと花がしぼんでしまうのが大きな特徴。

花の色

黄色

果期

果実は円柱状で先が尖り、真っ直ぐに上を向いてつきます。成熟時には動物などが触れると、自ら赤い種子を勢いよく弾き出します。最大1m程度までの周囲に飛ばすことができることも繁殖に有利となっています。

栽培

原産地

南アフリカと中南米に多い

分布

世界中に分布、ヨーロッパ周辺という話もあるがよく分かっていない。


人間との関係

全草は酢漿草(サクショウソウ)という生薬名であり、消炎、解毒、下痢止めなどの作用があるとされています。臨床実験で肝炎にも効果があったとの報告もあります。民間療法で絞り汁は虫さされに効果があるとされることがありますが、『中薬大辞典』に記載は見られません。

家紋

片喰紋・酢漿草紋(かたばみもん)は、日本の家紋の一種。平安時代に車紋として使用された記録があります。繁殖力が強く、一度根付くと絶やすことが困難であることが「(家が)絶えない」に通じることから、武家の間では、家運隆盛・子孫繁栄の縁起担ぎとして家紋の図案として用いられました。十大家紋の一つに数えらます。

戦国大名の長宗我部元親など土佐長宗我部家の「七つ酢漿草」や新陰流である上泉信綱の「酢漿草」、徳川氏譜代の酒井氏の「剣酢漿草」、「丸に酢漿草」など、酢漿草紋を家紋とする戦国大名・武将も多い。江戸末期の豊後日田の儒学者である広瀬淡窓や大分県知事の広瀬勝貞などを輩出した商家廣瀬家も「丸に酢漿草」を用いていました。今太閤とも呼ばれた田中角栄の家紋も「剣片喰」。


剣片喰(けんかたばみ)


旧宇部領主安芸福原氏の酢漿草紋に因み、山口県立宇部高等学校の校章デザインおよび同窓会呼称に採用されています。また、古代女性が鏡をカタバミの葉で磨いたという言い伝えに因み、日々の心の研鑚を願う思いから、私立江戸川女子中学校・高等学校が校章のデザインにも採用しています。

「片喰」は、ハート型の葉が3つ描かれます。それに丸や剣、蔓などを加えることがあります。片喰の蕾を描いた「片喰の実」もあります。単数のものでは、3つから4つまでを描く。4つの葉を描いた「四つ葉片喰」はシダ植物のデンジソウを図案化した「田字草紋」に似ています。複数のものは2つから7つが組み合わせられます。

「片喰紋(かたばみもん)」は、日本10大家紋の一つ。武家好みの「丸に剣片喰」など、派生形が120種類ほどあります。
画像引用:https://gardenstory.jp/plants/46913


和歌

絵画・日本画

参照

※1:


https://ja.wikipedia.org/wiki/カタバミ


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