自分史的なクリッピング史料

大相撲は大の里が新小結で優勝し、昨日は蓮舫が都知事選に出馬表明し、そして北朝鮮の相変わらずのロケット発射と色々なトピックスが毎日上がってくる。それでこそNEWSということなのだろうか。勿論、大谷選手の次回2026年のWBCへの出場意欲の表明など。個人的には、日曜日に行われた日本ダービーで、9番人気のダノンデサイル騎乗の横山典弘が56歳で勝ったことがとても印象的だった。皐月賞を回避してダービーに臨んだ騎乗は見事としかいいようがない。インタビューでは馬を大切にするジョッキーの言葉もとても心にしみる。相棒は馬だけどその他者を慮る気持ちというのはとても大切。

2024年5月20日 朝日 文化 学ぶ機会 等しく与える社会へ
後藤正文の朝からロック

このアーティストが記すコラムを時々読んだりしている。音楽家に限らず、芸術家等であっても自身の意見を表明することって大事だと思う。勿論文才もあるのだろうから、こうしてコラムを任せてもらえているのだろう。

この記事の冒頭では、慶応大学のトップが文科省の審議会で行った提言に関する記事を読んだというところから始まる。

国立大学の学費を現在の一人当たり54万円から150万円程度に引き上げるべきだと訴えたとのこと。学費の差が大きい私立大と国立大の「公平な競争環境を整える」目的でと。国立大の経営という視点から、現状の学費の水準では国の交付金を合わせても十分ではないとの指摘だと。

私大側からみれば、国の補助金が手厚い国立大に対して不公平感を抱くのは理解できると後藤さん。ところが、一部の国立大学を覗いて、圧倒的にブランド力を有する私立大は、小学校からの一貫教育を保持している学校も多く受験戦争をあおり、入学にかかる費用などは経済的な格差を助長するような教育の機会の不平等にも一役買っているという事実も指摘されている。

入学試験の選抜において学力のみならず、貧富による選抜があることも否めない。経済的に恵まれない人たちにとって国立大の学費まで高額になれば、進学の機会さえ奪われてしまう。こうした格差社会が総じて階級社会へと帰結することを後藤さんは懸念を表している。学校自体がある種のコミュニティーへのゲート化していることをよく話し合った方がいいのではないかと提案されている。

経済的な援助を受けずとも、自活する以外に術のない人でも、等しくその能力を開花させる機会が与えられる環境を、国家のみならず大人たちは整備すべきではないかと。社会に育まれたと感じることこそ、社会還元に意欲が高まる。贈り物と返礼という心の豊かさを求めていく時期にきたかも知れないと後藤さんはおっしゃっているのだと思う。

今や大学のみならず、社会と近接した形で教育を行うことを小学生の頃から醸成しようと躍起になっているようにも思う。金融教育なども喧伝されているけど、本当に経済の仕組み等そんな早期から必要なのだろうか?といつも思う。それがグローバル競争を勝ち抜く術になるのだからと。それよりも主眼はコミュニケーション能力(話術に限らず筆力なども含めて)を磨くことで、何か調べる力であったり、自考力であったり、洞察力であったり、モノを創る発想力であったり、基礎的なところに注視して欲しいと思う。

大学も少子化を迎えて生き残り競争を余儀なくされ、更には経済力などのフィルターで選別される受験生などもいて、とてもではないけど、従前の仕組みや枠組みが維持できるとは思えない状況が眼前にあるように思う。そうはいっても既成の枠組みを破壊して新規で創りなおすというのも現実的ではないという意見も当然多くが予想され、どちらかと言えば対処てきな措置でその場をしのぐことばかりに終始してしまうのだろうか・・・。

でも経済的な格差は親世代にかかってくる課題ではあるとは思うけど、受験生には、自身の能力を磨くことで、国公立だろうと私学だろうと、本当に学びたいという何か目的があって進学先が決められるような空気が充満していって欲しいなぁ。

あまたの課題において優先順位もあるのだろうけど、後藤さんの主張に格差解消というテーマでは誰も反対はしないだろう。若い世代の親御さんたちはどんな未来を子どもたちに託したいと思うのだろうか。

自分は愚息たちを中高一貫校に入れて大学は自分が好きだと思うところを選ばせた。結局、子どもたち自身に偏差値偏向的な考えがあったことも否めない。親としては当時浪人も覚悟もしていた。中高一貫校に入れたのには、もしかしたら、そこで一生つきあえるような友達と巡りあえるのではないか?とも親として考えたから。でも、それも正解なのかはよく分からないし、今後も分からないと思う。ちょっと脱線気味だけど、もしもう一度戻れるなら他者を思う気持ちを大切にするような大学のフィロソフィーみたいなものを感じるところに行きたいと思う。そこには経済的な格差を解消する手立ても講じてもらえるような学生を受け入れる素地があったりっして(今でも勿論あると思うけどもっと拡張して)。いずれにせよこの話題は結構重い課題を提示していると思う。

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