自分史的なクリッピング史料

最近、群馬県で四国犬の暴挙があり、小学生らが次々に噛まれるという事故があった。飼い主は人懐こい犬のはずとインタビューに答えていたが、何にせよ、リードもつけずに放し飼いにしていた事実は見逃せない。動物にも環境整備が必要であることは間違いないけど、一方でいつ起こるか分からないリスクと思っていた矢先にもう1件逃げ出してしまったという事件もあった。どうやら無事解決した様子。どうやって保険をかけておけばいいのだろうか? 飼い主さんは犬を愛しているはずではあるけど・・・。

さて我が愛犬を亡くしてからもう2年超がすぎてしまった。近所で犬の散歩を見つけると、どうしても目がいってしまう。SNSで可愛い犬たちの姿を動画でみる事も欠かせない。でも見れば見るほど寂しくもなる。一時は保護犬も考えたけど、どうしても愛犬と比較する自分がいるので・・・・。

2021年2月10日 朝日 東日本大震災10年 飼い主さん 大切にしましたよ
富山の夫婦、福島の保護犬をみとる
2022年6月10日 朝日 東日本大震災11年 語りたい 幸せな迷子のサン
亡くなった看板犬 飼い主探し続け

どちらも東日本大震災で飼い主を失ったワンちゃんの話。最初は震災によって飼い主とはぐれた犬を引き取って育てた富山のご夫婦が、前年秋に亡くなったワンちゃんの遺骨とともに犬のふるさと、福島県双葉町を訪れた、で始まる。

ご夫婦の物語の始まりは2014年、震災から3年後に滋賀県のシェルターで、ローズと名付けられた犬と出会った事。地に伏せたまま、気力を失っている様子だった。雑種のメスで推定5〜6歳、茶毛。ご夫婦のご主人は震災ボランティアをした経験もあって、その後も被災地のために何かできないかと考えていたとのこと。そして被災地の保護動物の存在を知り、車で滋賀まで行き、一番元気のなさそうな犬を引き取ることに決めたらしい。それから2ヶ月した時に、公園で出会った10歳ぐらいの女の子にローズが反応し、女の子にリードを渡すと、急に元気を出して尻尾を振り喜びを表現した。

さらにもう一つの変化が・・・。ご夫婦を探し歩き、寂しがる様子にもなったという。そんなローズも2016年暮れ、容体が急変し、年明けの1月19日に亡くなってしまった。亡くなる間際にキャンと鳴いたという。そんな時間を経て、ご夫婦は2020年10月に骨壺を持って双葉町へ向かった。双葉町の街並みは未だ震災の名残を大きく残していて、ローズが当時どうしていたのかと思い煩うことに。人影も少ない街で飼い主を探す事もままならないと思い、双葉駅の待合室で、置かれたノートにメッセージを残した。ローズの写真とメールアドレス。ローズを大切にしていたことを伝えたという。その後レンタサイクルで街中を骨壷と共に回ったと結ばれていて、涙無くして読めない記事でもあった。特にその後愛犬を亡くして何度もこの記事を再読した。自分も散歩道を一人で歩いた。

次の話は京都市中心部にある喫茶店のご主人の話。サンという犬の物語。11年前にやってきたサンは店の人気ものだったと始まる。なぜか人にも動物にも人気があったサンは3年前に亡くなったとある。でもご主人はサンは京都で楽しく生きたことを元の飼い主さんに伝えたいと語られている。

そしてご主人は、2021年2月、サンが主人公の絵本を自費出版で作った。ご主人は震災から5ヶ月後に東北へ向かい、宮城県の保護センターへと。推定7歳。付された番号が33番だったことからセンターではミミと呼ばれていたサンを記憶にとどめ、10月に再訪し、サンを引き取った。それでも飼い主さんのことはいつも気がかり。保護された位置情報だけが唯一のもの。もしかしたら、隣の南三陸町で育ったのではないかと同町の病院で写真展まで開いたというから、その気持ちは最大限に達していたのではないかと思う。

2019年8月、サンは体調を崩して息を引き取った。推定15歳。サンの思い出を残すことによって飼い主さんまでたどることができればと絵本を作った。題名は「まいごのサン」。常連客が文章を書き、知人が絵を描いたというから、皆さんの思いの重みが伝わる。800部発行して、地域の小学校にも配ったというから相当なもの。そしてついにサンの手がかりが見つかる。保護時の写真や状況が分かってきた。どうやら登米市迫町で見つかったとあるので、その近辺の飼い主さんである可能性が高いと推測している様子。何とかたどり着いて欲しいなぁ。

どちらの物語も東日本大震災という大きな災害によって、動物と人とのつながりを問うもの。自分も子供の頃は犬が苦手だったのに、子供達にも動物の命の大切さを教えようと犬を飼ってみたところ、ほぼ溺愛状態になってしまった。週末は必ずどこに行くにも一緒で、散歩の思い出しかない。特に自分とは長い時間、長い距離を歩いた。犬好きにとっては涙腺ダダ漏れの2つのお話でした。


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