自分史的なクリッピング史料

何だか次々と著名人の暴露系の記事が。たまたまなのだろうか、村田諒太元世界チャンピオンの記事も目に触れることとなり、真実かどうかに踊らされることは禁物ながら、少々彼を一目置いていただけに、こうした話題が出ること自体で残念な気持ちになる。それと空手のオリンピック選手の性的な暴力の話もあった。昨日、「二十歳の原点」(高野悦子著)を読み終えた。学生運動のど真ん中にいた訳ではないけど、世のあり方に不満を持った学生達が権力との闘争にその身を投じた一人の女性の日記。これも昔を思うと必要な時間だったのだろうかとその所感を抱く。どちらかと言えば重い内容だと思う。少し気持ちの持ちようを違う方向に向けよう。ゴシップばかりでなく。昨日は「駅弁の日」だった。自分自身の弁当キングは崎陽軒のシウマイ弁当。食べ方に順番があるとか、色々な方がその思いを記されることが多い。

2024年4月2日 朝日 シウマイ弁当を独りで食べる
小泉信一の「街場のオキテ」
2024年4月10日 朝日 シウマイ弁当 愛され70周年
横浜の崎陽軒 1日に2万7千個販売

かつての文豪・ゲーテは独り酒を楽しみ、さえぎる者なく考えごとをしていると始まる文。ゲーテは禁欲には無縁で、恋に酒にと、世の中のあらゆる物をみずみずしい新鮮な感性で受け止めたとあるので、ある意味で自由人だったのだろうか。人から注がれる酒ではなく、独りで酔って、自分の世界を融通無碍に楽しむことこそ、本当の酒飲みかもしれないと。自分はもう10年近く体調を壊してから飲酒はしていない。もっぱらノンアル組だ。今のノンアルは味も相当進化していて、良く言えばアルコール気分を堪能できるし、ある意味炭酸飲料と違いはなくジュースの一派なのかもしれない。

筆者は崎陽軒のシウマイ弁当を食べる時、ゲーテと同じような気分になると言っている。少々大袈裟なような気もする。シウマイ弁当は誰がいようといまいと、とても大好きな弁当の一つ。地域がら大船軒の鯵の押し寿司も加えて両巨頭だ。こういう流れからは当然に「孤独のグルメ」を連想していく。ゆったりと黙々と堪能する食の時間は贅沢なものだいうのは良くわかる。確かに独りで食べた方が周りを気にしなくて言い分メリットは大きい。では、その崎陽軒のシウマイ弁当をどこで買うか?で高揚感も違ってくるのだろうか。自分は気にしないけど、やはり何となく横浜駅で買いたくなるという人がいたら否定はしない。

この弁当は筆者も記している通り、内容が分かっているにも拘わらず、ふたを開けると心が弾む。冷めてもおいしいという評判、評価は弁当の王様の王道だろうか。一口サイズのシウマイは計5個。豚肉とホタテの貝柱のうまみが口の中で広がるという小宇宙的喜びを堪能できる。上に乗るグリーンピースはご多分にもれず子供の頃はあまり得意ではなかったけど、大人になればなるほど、その必需性を理解できるようになった。さらにタケノコ煮、マグロの漬け焼き、カマボコ、唐揚げ、卵焼きなどバリエーションは豊富。俵型のご飯に散りばめられた黒ごま。塩味を欲する者としては、その塩味の強さはともかく、あるだけで安心する。そしてど真ん中に配置される赤い小梅。ロッテの小梅ちゃんを彷彿させる大きさ。ナイス!

この弁当も今では値上げも続いて950円。それでも安いと感じさせる内容。筆者は「駅弁界の絶対王者」であると。出張族にも人気がある。2024年はこの弁当発売開始から70年というメモリアル・イヤー。それだけの歴史を感じる。自分の人生の長さより長い。今後もこの差は当然埋まらない。80年目にも食べたいなぁと思う。

さてこの弁当ではアンズが入っていることは結構有名。おかずなのか口直しなのか論争が絶えない。筆者は哲学的でもあると記しているがこれも少々大袈裟ではないだろうか。

新幹線での出張時などにこのシウマイ弁当を買って車内のどのタイミングで食べるか?富士山の壮大な景色でも眺めながらという情緒あふれる食べ方ももちろんオススメ。でもそこには余りこだわらなくてもいいんじゃないかとも思う。いつ食べても美味しさは不変。

次の記事では、駅弁の日を制定したのはJR構内で営業する事業者らでつくる「日本鉄道構内営業中央会」なるところが1993年に定めたと始まる。

駅弁=旅の楽しみという公式は多くの人に受け入れられている。1日に2万7千個も販売するという話もすごいこと。仮に365日毎日売れていたら93億円の売り上げになってしまう。でも同社の売上は250億円超で推移していてシウマイ弁当・シウマイで240億円前後は売り上げている様子だから、キングをあながちみくびってはならない。

歴史的には同社の創業者が横浜名物を創出しようと中華街でヒントを得て「シウマイ」をキラーコンテンツに育てあげたらしい。戦後、横浜駅には「シウマイ娘」が登場とあるから、今でいう地元キャラなのだろうか。そして1954年にキング・シウマイ弁当の販売が開始されたとある。レシピは今でも変わっていないと。木製の容器も秘訣の一つとしていて、あの容器にへばりついたご飯を箸で拾い上げる姿が何ともSDGs的で自分は大好き。ご飯はモチっと感を出すために蒸気で蒸す独自の炊飯方式を導入。かけ紙のデザインにも横浜らしさのイラストが施され、ザ・横浜を表現。

同社では、あくまでローカルブランドに徹底していて全国展開は考えていないと。弁当の日には特別な弁当が販売された様子だけど、残念ながらこれを食するチャンスはなかった。でも駅弁の話って特的領域だし、皆地元ならではのオススメがある筈。そんな何気ない会話って結構リラクゼーションには大事だとも思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?