自分史的なクリッピング史料

今日も週末のまとめとしてメディアでは、自民党の裏金問題について、色々な論考が続いている。結局、国民に対する信頼というのは何だろうか?直接痛みを感じた訳ではないので、総論賛成、ある意味ゴシップとして各議員の振舞いなどを見て、お茶の間の話題として評価を下しているのだろうか。政治的の世界っていうのは、どうも庶民感覚からは少し遠い領域にあるとしか思えない。それも政党制を許容している今の政治舞台では仕方のないことかもしれない。

こういうトピックスに、新聞はどう反応しているのだろうか、と思いつつ、大抵、社説やら朝日であれば天声人語、日経であれば春秋を目を通すのが習慣。

2024年4月6日 朝日 天声人語

冒頭では、裏金問題につき1月に立件されたのは派閥の会計責任者らと一部の議員だけだったで始まる。ここでも指摘しているが、お咎めなしの幹部が事情、詳細を知らない訳がない。でも言えないというのはありありと分かる。回文を引用して「白くして黒し」と少々つまらない記載。ひねり出したのだろうか。

政治不信の高まりで一番の危機感を持ったのは岸田首相であることは間違いない。岸田さんも長男の秘書時代の問題やら何かと話題を提供してくれる。
特に岸田さんの言語は途切れ途切れになるところに特徴があるのだけど、それは慎重に言葉を選んでいるからだとは思う一方で、聴きやすさという点では不合格ではないだろうか。政倫審にも自ら出席をして加点を稼ごうと思ったけど、内閣支持率は一向に上向かず、むしろ下がったまま。ここでは「人心獲得関心事」と記されている。こういう言葉も天声人語では創出?しなくてはならないのか?もっと平たく言えば、「点数稼ぎ」が正しいと思う。

昨日の登紀委員会では安倍派幹部の処分に注目が集まった。それでも先ずは解明しなければならないのは、誰が指示をしたのかが先だけど、これも忖度で片づけざるを得ない事情の様子。政治の妖怪は庶民では退治できないしメディアでも、妖怪を退治する勇気のある人(というか組織)は少ないのかもしれない。そんなことは皆お見通し。うやむやにして誤魔化す。これに徹しているところは凄い。時間が解決するということを暗黙の了解としている。

目に見える妖怪、二階元幹事長への波及は余程返り血を浴びるということも何となく理解できる。政界の大物は必ず妖怪に昇華する。

離党勧告を受けた議員でも過去の因習によれば必ず復党し要職に復帰される人も多いという事実。所詮は元の木阿弥。その矛先が禊選挙で特定の人物に向けられることもしばしばだった。筆者は同じことを繰り返すのは回文の中だけにして欲しいと記述しているが、例えを回文で引用するところに苦労が忍ばれるけど、やはりちょっと印象的に文章としては弱い気がする。

少なくとも、岸田さんの願いは支持率の回復だろうけど、今回の処分ではそのトリガーにはならないと思う。やはり日本の文化として先送り文化っていうものがあるんじゃないか?日本のトップ経営層がそんな感じだから、若い世代にも関心が低いのではないかと思いつつ、もっと世代間を超えた議論も活発になれば良いけど、総じてそれらは押し殺される。「お前もやがてそういう年齢になるんだよ!」と捨て台詞を投げられて。これも切り取り文化があるメディアではちょっと誇張され過ぎている感もあるけど、丁寧に発言すればいいのかもしれない。

この天声人語では、島村桂一さんの「さかさコトバ回文遊び大事典」などを参考にした回文を作成したようだ。締めくくりは第二集の必要のないまともな政治をとしている。天声人語って、よく大学の入試で利用されることも多いというキャッチフレーズがあるけど、必ずしも名文ばかりではないので、そこで語られる批判精神を読み解くことの訓練だけでもという程度で読めばいいんじゃないかなぁ・・・。少々読み応えのないものと評価しつつ、タイミングを失することなくということで今回は。

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