自分史的なクリッピング史料

KADOKAWAがサイバー攻撃を受けて、オペレーションに大きな阻害を受けているという記事を今朝の新聞で読んだ。身代金を孕んだサイバー攻撃だけにKADOKAWAの対応はどうするのか?臆測が臆測を読んで、事実かどうか分からない記事も他社によって掲載されている。メディアの真骨頂は、確かな取材に基づいた国民の知る権利に資する報道を期待したい、というのは余りに正論的で、やはりネット社会の怖さを思いしる事案になるのかも知れない。何故なら敵の顔が見えないからだ。こうした情報戦争に駆り出されるのは、実はデジタルネイティブの子供達の世代なのかも知れない。

2023年6月13日 朝日 学びの交差点 エイスクール代表 岩田拓真さん
考えて挑んで ワクワク探して

コンサル出身の代表が立ち上げた会社。中高生向けのデジタル関連のオリジナル授業プログラムを提供している様子が描かれている。生徒たちは、オリジナルのゲームや宣伝動画などをつくつプログラムなどに参加し、どうやら嬉々として取り組んでいる様子が伺われる。授業ではChat GPTをも駆使して、プログラミングのコードを書いたりと、最先端の技術も駆使できるようにリードしているようだ。そして個々の生徒が最もこだわりたいところにより多くの手間をかけられるようにするという。まさに探求型の学習。そこでは時間の有限性をも踏まえてものづくりの楽しさを味わってもらうことに主眼が置かれている。

このスクールは2014年に開校し、都内3カ所とオンラインコースに未就学児から高校生まで、数百人が在籍するとあるので、今ではもっと増えているだろう。偏差値教育とは一線を画し、学びそれ自体を面白いと思えることを目指すとある。授業料は週1で、中高生が22000円(価格改定があったのだろうか?)。売りは独自の学習プログラム。民間企業とのコラボでテレビ番組を作ったり、作家の話を聞いて小説を書いたりと。未就学児向けには遊び中心のコースや、小学生には将来の職業体験や職人になりきっての企画などに挑むコースもあるという。キッザニアみたいなものだろうか。いずれも子供の意欲を引き出し、思考力や問題解決力を育む方法として注目されているといい、30カ所以上の塾がFCとして摂り入れているという。

この発想の起点は代表自身の経験からだと。中学受験をして私立校に入学し、主体的な学びも多かった反面、所謂受験に向けた詰め込み教育もあり、相反する学びが並立していたことに疑問を抱いたからだという。京大、東大大学院、外資系コンサルを経て2013年に独立したとある。当初は生徒の確保に苦労したらしいけど、その後、親御さんからの共感を得て、生徒数を伸ばしていった。文科省の『探求型学習』の旗ふりも追い風になったと。そして知名度は向上し、授業を通じて生徒の感触やらを講師陣で議論し、学習プログラムをアップデートしていく。学校の先生も受講するらしい。忙しいからなぁ、学校の先生は。

代表は『探求学習』のさらなる深化を目指しているとあり、子供達には、「働き方が多様化し、変化も速く、人生において自己決定する機会はどんどん増えていく。だから自分の頭で考えて幸せをつかめるように」と。

この本文と共に、左袖には、ちょっとしたコラムが。一つは代表がアイデアを整理する時には、方眼ノートを利用してPCでは表現しにくい未完成で複雑なイメージを文字や図で整理するとある。『メモの魔力』のようだ。自分も手書きのノートを常に愛用している。簡単に振り返りできるところが好きだから。この辺りも今後一つの領域になるのではないだろうかと思う。メモって大事な成功因子な気がする。

もう一つは、『探求学習』のプログラムなどは民間が先行しているので、教師たちは、現場でそのプログラムを活用していった方が良いのではというよく言われている結論。何せ先生は忙しすぎる。文科省は全体感の中で、国力をも浮揚させるであろう教育に焦点を当てがちだけど、現場での実践施策になると正論ありきだから、時間もかかるし無駄も多い。少なくとも民間企業はそこにニーズがあって専門性を発揮できるという覚悟があってこその起業と思うので、その資源を活用しない手はないと思う。究極は子供達を育てるといミッションに変わりはないから。こうした記事を読んで、自分の頃にこうした環境があったらなぁと羨望の眼差しを向けると共に、こうした事業が益々発展・進化していけばと期待したい。



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