自分史的なクリッピング史料

グローバルな視点を持つということは、自分が新社会人として臨んだ時にも、単なる海外ビジネスへのあこがれがあった。今の時代、情報の速度は恐ろしいほどに進化しているので、海外でのトピックスも容易に閲覧することができる。昔はテレックスの時代だった。テレックス固有の略語もあったりして、海外とのやり取りも時間的には余裕があったのかも知れない。日経でFINANCIAL TIMESのコラムがある。これは、世界の論評等がどうなっているのか、コラムニストの視点やイノベーション・エディターなどの語る話題には少なくとも実感がわかなくともフォローしておきたいという思いがあってクリッピングしている。

2022年8月12日 日経 FINANCIAL TIMES  20代社員とどう向き合う
ビジネス・コラムニスト ピリタ・クラーク

2022年6月末、FB(現メタ)のCEO・ザッカーバーグが従業員との質疑応答集会に参加したという事実から始まる。筆者は、2023年もメタが導入した追加の有給休暇制度を継続するか否かの質問に対するザッカーバーグの顔をみたかったと本音を記している。

米のネットメディアが報じるところによれば、ザッカーバーグは目に見えていらだった表情をしていたと。もともと有給休暇制度の継続に関する質問はザッカーバーグが景気の減速感とティックトックの台頭による脅威を述べ採用の一部凍結を説明した直後に出てきたとのこと。

ザッカーバーグは、追加の休暇などなくなるし、従業員への寛容な態度は競争の激化と共に消滅させるしかない、そして未だそれを望むような従業員はいらないとも語ったらしい。コロナ禍の扱いから通常の形に戻るに従って、ザッカーバーグの主張に同意する管理職は多いはずだけど、無関心、無責任感を漂わす若者層の部下はいったいどんな態度を持ち合わせているのか?上司側ではその不満を理解しきれていないかもしれない。

例えば、来客時には在宅勤務ではなく、出社すべきと指導する上司に対して部下は在宅勤務の方がベターであるという回答を得たり、テレビ局の若いスタッフは、本社から離れて長時間の撮影をしなければならない場合は、勤務時間を短縮してほしいと言われたとか。更にコンサル会社では、顧客との会議において海外出張をすることはオンラインで可能なので若い部下には断られたとある。会社としては経費も安く済むところもある一方で、FACE TO FACEでなければわからない雰囲気も確かにあるし、更には時差の問題もあるので必ずしもコンディションが違い過ぎるケースもあるだろう。

電子会議では、自分の顔を映し出さないで参加することもできる。以前の職場で、オンライン会議で、在宅勤務の女性にスッピンだから顔出しは無理と断られた経験もあった。確かに女性にとっては身だしなみは気になるだろうし、それは、男性の場合でも同じかもしれない。要は普段自宅では施さない準備が必要ということにストレスを感じる人もいる。勿論、オンラインだろうと何だろうとがむしゃらに働く若い世代も多い。

2021年に「Generations」という著書を出した英ロンドン大学キングス・カレッジのボビー・ダフィー教授は、こうした若い世代への不満というのは古代ギリシャ時代に遡ると指摘している。ソクラテスも若者による権威軽視、態度の悪さ、欲深さなどを嘆いていたらしい。ただし、最近の不満からは何か新たな要因が浮上しているのかもしれないと筆者は指摘している。

コロナ禍が一つの契機になったのかもしれないとの指摘もあって、20代の若者には、働きすぎの上司・先輩たちを見て共感を覚えることがないという。
若者の疑問は一生懸命働きすぎることの対価は何か?を問いている様子だ。SNSの発達により他の人との境遇の違いなども簡単に見ることもできて常に最新の情報を把握している様子でもある。どちらかと言えば、過保護に育てられてきた若者世代は、苦々しい経験(例えばバイトなどの理不尽さ)を回避してきている為、職に就けるというありがたみなど毛頭なく、一生をかけて必要な資金を手に入れる仕事などないという認識が強いようだ。

ではこうした若者世代にどう接すればよいのか?
・若い世代の言い分をよく聞く
・質の高い訓練を与える
・彼らの気まぐれな要求を聞き入れてはならない
 *彼らの生活まで支援するのが会社の役割ではないから
若い世代のこうした風潮の中で、とりわけ勤勉な人たちにとっては絶好の競争環境かもしれないと結ばれている。まとめればそうかもしれないけど、結局若者という世代固有の考えがあることは間違いないけど、大枠のライフスタイルとその中に包摂されるワークスタイルが限りなく同一であることが望ましいのではとも思う。やはり働きがいとか言うけど、根本は楽しいと思える仕事が一番だと思う。なぜなら長続きするから。一方でライフスタイルとワークスタイルを完全に分離して考える方法もあるだろうし・・・。でもお金がすべてではあってほしくないなぁ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?