自分史的なクリッピング史料

いよいよ新しい年度がスタートした。個人的にはカレンダーイヤーでもいい気もする。元旦の初詣から始まって気分を一新する方が、実は言い訳の効かない時間の区切り方で良いのでは?などと思う。このあたりが日本の習慣というものなのだろうか。さて自分の関心ごとを整理すると、ビジネス面ではアイディア(工夫、仕組みとでも言えば良いのだろうか)、個人的には心身の健康(特にメンタルヘルス)から、そして文化(民芸的なものだろうか)といった軸を中心に記録を残していきたいと思う。

2023年1月26日 朝日 取材考記 校則データ化見直しに一役
2023年2月6日      朝日 納得できぬ決まりきっかけ開示請求

新たな船出をする人たちも多い。特に若い人たちにはザ・青春が待ち受けているのだろうか。そこで入学してから気になるのが校則。無関心でいる人も多いとは思うが、学校内の規則であるから、どんなルールがあるのか?ということを思うことも結構大事だったりする。

神谷航平さんは、群馬県の高校2年生で、全国校則一覧というサイトを作り、中学生が知りたいと思った時、手軽に調べることができるようにした。

作業は2021年から始めて全国の約2500行の高校の校則を集め約1400校分を公開したとある。学校名やキーワードで校則の内容を調べることができるというもの。「アルバイト」というワードで検索すると「原則禁止」や「勤務は遅くとも午後9時まで」といった情報が1000件以上見つかるとある。とても便利だ。少なくとも校則の見える化は進学情報としては有意義だ。

神谷さんは自分が通う中学校の校則に疑問を持ったのがきっかけだという。そこで他校はどうなんだ?となった時に、公立学校の規則なら自治体に写しを開示請求すればよいとい教わったと記されている。こういうアクションによってDBを作るという工夫が素晴らしいと思う。それらを見てみると、「日焼け止め禁止」や「靴下や下着は白」と言った首を傾げたくなるような内容も見つかった。校則なんて無視という輩(青少年少女)も多いと思うけど、どうしてそんなルールを決めたのだろうか?と考えることが大事だと思う。まさに「君たちはどう生きるか」的なアイディアだ。

高校生になってからは、全国の公立高校の校則を集めようと決意。ネットを通じて知り合った仲間(中高生)と作業分担しながら校則を開示請求しては検索できる形にして載せてきたという。

ツーブロックの禁止や下着の色まで指定するような理不尽な校則は各地で見直しの動きが出ているという。文科省でも意義を見出せない校則は見直しをするよう求めたとある。神谷さんたちは、頭髪やスカート丈といった校則で規定されている特徴を都道府県ごとに可視化できないかも集計している。これも何となくだけで、地域の当たり前を比較できるようになり、それは何故かを突き詰めることは思考の良きトレーニングになると思う。

校則というのは、どうしても抽象論的な議論に陥りがちだけど、データに基づいた議論を展開できるようになるという社会科学的アプローチというのも当事者たちが考えてみたことがその意味を深くしている。校則は生徒一人一人の人権やプライバシーの領域への影響もあることを考えれば、その背景にある社会の意識やルールづくりの基本的な思考などを学ぶとてもいい機会だと思う。

後段の記事もほぼ内容は同じだけど、この時点で公開した校則は全国にある都道府県立高校と中等教育学校約3300校の4割を超える1481校がカバーされているという。本日サイトを確認したところ1705校まで進化していた。当時でも手元に未だ約1000校分のデータがあるというので、これからもっとカバー率は高まっていくだろう。

神谷さんの思いは時代にあった校則(ルール)を設定して欲しいという願いがあるから。ルールづくりに当事者たちが積極的に関与するというのは、教育という面からも意義深いと思う。勿論、双方の言い分が平行線のままということもまま想定はされる。だからこそ、議論があったかどうかが大事。でもでも、要はルールという課題に取り組む姿勢がいいと思った。世の中には不条理なルールなど多い。そんなものに全く無関心でいていいはずもないと思えるような世代に育って欲しい。タイパとは両極にあるかもしれないけどチャレンジ精神で。

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