自分史的なクリッピング史料

時代の流れを押さえるにも新聞掲載記事はうってつけだど思う。特に自分では考えもつかないようなサービスの開発をされる方もいれば、現代ならではのテクノロジーを駆使したある意味専門的なサービスを展開する方、あるいはあの老舗がこんなことをやっているんだ!という感嘆符がつくような商品・サービス開発などに感心する。その関心の中心は" アイディア " の開発・創発に括られる。

2019年4月1日  朝日 発創カンパニー サンクチュアリ・パブリッシング
2019年11月18日  朝日 発創カンパニー アールシーコア

朝日新聞のWebsiteを見ると、全部で129件の記事が羅列されている。このシリーズも目を通して気になったものをクリッピングしたものだ。

まず最初の記事は、出版社の話。この記事では、本屋への足が遠のく、本屋そのものが大きく減少する中で、その売り場を求めて家電量販店やカフェ、雑貨店といったふだん本を手に取らない人に面白さを伝えるためにと踏み込んだ販売戦術。今では結構、雑貨店で本を販売していたりという光景は目にすることも多い。テーマにフィットさせた置き方をしているアウトレットも多い。そういえば昔よく足を運んだモンベルのアウトレットで、登山周りの本をよく立ち読みしたっけ。

カフェにサンプルを置いて自由に読んでもらって、その場で購入もできるというシステムも何か新鮮でいいし思わぬ本との出会いもある。当然主体は出版社だから、フィルタリング機能(選書機能)は店側には余りないのかもしれないけど、当然、店の雰囲気にフィットしたものを要望しているはず。当時、同社では年に12冊しか発刊していなかったというから(今でもそうなんだろうか?)コメントにある通り思いを込めた本ばかりなのだろう。同社の飛び込み営業も美容院だったり、若者が集まるカフェだったりと。ワイン売り場ではワインの解説書を置いてくれたりと、確りとテーマに沿った選書がされているからこその効果もあったのかもしれない。

書店以外に(当時)400店舗も委託販売で随時、書籍の入れ替えをしながら販路を確保していると記載されている。それでも売上では4%に過ぎないというから、本離れの全体の影響は決して少なくないのかもしれない。あるいは認知の問題だろうか。本好きには大型書店など一日中いても飽きないというファン層もいるのは確かだけど、自分のキャパを超えて本を閲覧するというのも結構大変。個人的には、街の本屋さんやこうした意外性のある場所で、限られた本と自分の嗜好をマッチさせることもいいなぁと思っていた。

次の記事は、実は大昔仕事でお邪魔したことがある会社。一見的に行ったので、ご担当者も誰だか忘れてしまった。所謂家というのは人生の大きな楽しみでもあるし、同社の提供するログハウスは夢がある。上場されていてIR資料を拝見すると、ここ数年は苦労が続いているようだけど、記事では、週末にはボランティアが薪ストーブで焼きマシュマロを振る舞って、見学者とコーヒー談義を繰り広げたりとシーンを提供しているとある。夢の第一歩の疑似体験を何かコマーシャル的ではなく、人生の至極の体験を提案をしているようで羨ましい限りの光景が浮かぶ。最近ではセルフビルドもそれなりに流行っているのだろう。そうした尖った家についての手入れの仕方や都会のイメージとは違った生活シーンを共有できることで見学者の感度も研ぎ澄まされるに違いない。

同社では2018年5月に「LOGWAYコーチャー」なるボランティアを組織し、約700組が登録、全国に43カ所ある専用展示場で活躍しているという。要はログハウスの生活の語り部を組織したというところにこだわりがあっていいなぁと思う。要は好き者が熱量込めて語り継ぐというその行為自体が、次なる継承者には貴重なものとなるはずという信念。ログハウスファンのクラブも組織化したとある(年会費1万円)。ここは難しいところ。個人的には年会費というシステムを疑問視している。常時その情報を必要とするなら年会費というシステムはフィットするかもしれないけど、通年を通してどうなんだろうか? でもきっとイベントとかも組み込まれているだろうから、そんなのは気にしないという人が大半なのだろうか。

更に、必ずしも別荘地である必要はないけど、やはり周囲との環境のマッチングもあるだろうし。適地探しも難しいかもと思いつつ、耐火基準のクリアなどの経験を経て、純粋にログハウスの良さを伝播していきたいというような気概が記事から読み取れる。

1985年に会社を設立し、翌年に初めてカナダからキットを輸入したそうだから、40年近い経験を積み上げて来られただけに、是非この苦境を乗り越えて欲しいなぁ。それは単純にログハウスという形態が個人的に好きであるという理由以外にはないけど。

よくよく考えれば自分のその原体験は「北の国から」といテレビドラマによる影響が大きい。主演の田中邦衛が子供たちとの生活の為にログハウスをセルフビルドしたところから自分のそれは始まっている。

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