転校生

SE  階段を駆け下りる

恵　　　「大変！もうこんな時期」

お母さん「恵、朝ごはんは？ほら、お弁当」

恵　　　「あぁ、ありがと。時間ないからパンだけでいい」

お母さん「もう」

恵　　　「行ってきます」

お母さん「いってらっしゃい。気をつけるのよ」

恵　　　「はーい」

SE  走る

恵　　　「12分のバス乗らないとまずいのに」

SE  ドン

恵　　　「イタっ」

工藤　　「イテっ」

恵　　　「あ！あたしの朝ごはんが！」

工藤　　「え？…あ」

恵　　　「じゃなくて、ごめんなさい。だいじょうぶですか？」

工藤　　「だいじょうぶ。きみは？」

恵　　　「だいじょうぶです、丈夫にできてるから」

工藤　　「丈夫って、ははは。これあげる」

恵　　　「え」

工藤　　「じゃ」

恵　　　「あ…ありがとう！」

SE  チャイム
SE  教室のドア開く

先生　　「おー、席につけ。転校生紹介するぞ」

SE  黒板に書く

先生　　「工藤聡太くんだ。じゃ、自己紹介して」

恵　　　「ああ！」

先生　　「なんだ？どした？」

恵　　　「いいやいいや、何でもない、何でもないです」

工藤　　「ぷっははははははは。ははははははっ」

恵　　　「ちょっと、バラさないでよ」

先生　　「何をバラさないでって？」

恵　　　「あ！」

工藤　　「はははははは」

恵　　　「もう」

先生　　「ま、いいや、なんか仲良さそうだから、席は小山の隣でいいな。あとで学校案内してやって」

恵　　　「え、あ、はい」

工藤　　「よろしく」

恵　　　「よろしく」

工藤・恵　笑う

終